従業員19名の建築設計事務所。3年前から、月に2本のペースで施工事例を発信していました。写真も文章も丁寧で、内容としては悪くない。
ところが、問い合わせにつながった実感がありません。閲覧数は少しずつ伸びているのに、連絡が来ない。担当の若手は『内容が足りないのかもしれません』と、記事をさらに詳しくしていました。
社長は、自分が前に出ることを何度か勧められていました。そのたびに断っています。理由は明確でした。『個人の顔で売る商売ではない』。設計事務所として、作品で評価されたい。気持ちとしては筋が通っています。
転機は、久しぶりに入った問い合わせでの一言でした。相手は『代表の方は、どういう考えで設計されているんですか』と聞いてきた。
この質問に、社長は答えられました。30分ほど話し、その場で好感触になった。話した内容は、実は3年間の記事にすべて書いてあったことでした。ただし、記事には書き手がいなかった。
設計事務所を選ぶ人にとって、決め手は作品だけではありません。数か月から数年、一緒に進める相手として信用できるか。この判断材料が、会社名の記事だけでは得られなかったということです。
ここで重要なのは、作品で評価されたいという考え自体は正しいことです。問題は、作品を見る前の段階で候補から外れていたこと。入口の話であって、評価軸の話ではありませんでした。
社長が前に出ることにした後、この会社が最初にやったのは書かないことを決める作業でした。
理由は、前に出た会社が失敗する典型を知っていたからです。近況報告、食事の写真、精神論、成功談。書きやすいものから順に増えて、読み手が減っていく。顔を出すこと自体は入口にすぎず、何を書くかは別に設計が要ります。
私たちBEYONDは、外から助言するコンサルではなく、中小企業同士が連合して複数の実業を回している当事者です。社長が前に出ることの効果は、連合の各社でも差が出ました。
差が出た理由ははっきりしています。効いたのは、判断を書いた社長です。逆に効かなかったのは、会社の宣伝を社長名でやった場合。読み手は、名前が変わっただけの広告をすぐ見抜きます。
そしてもう一つ、社内への効き目が想像以上でした。社長が何を考えて判断しているかを、社員が初めてまとまった形で読むことになる。朝礼で断片的に話すより伝わります。対外的な発信のつもりが、社内の共通言語づくりになっていたということです。
抵抗がある方には、顔写真は必須ではないとお伝えしています。名前と役職が分かり、判断が書いてあれば足ります。前に出るとは、露出することではなく、責任の所在を明らかにすることです。この理解なら、多くの経営者が納得されます。
冒頭の会社は、月1本のペースで社長名の記事を始めました。内容は、設計で迷った場面の判断だけ。半年後、問い合わせの内容が変わりました。『記事を読んで、この考え方の人に頼みたいと思った』という連絡が入るようになった。件数より、入口の質が変わったことのほうが大きいと社長は話しています。
発信の目的・ネタ源・型・継続性の4観点から、伝わらない原因をレーダーで特定します。登録不要・その場で結果。
▶ 情報発信診断をはじめる 無料で相談するBEACON(BEYOND PLAYBOOK)は、記事を代筆して終わりではありません。BEYOND Holdings 自身が実業を回す当事者として、書く範囲の線引き → 判断を書き出す型 → 会社発信との分離 → 続く頻度の設定までを、貴社の状況に合わせて一緒に組み立てます。狙うのは、3年続けられる出方です。
まずは無料の情報発信診断で、いまの発信のどこが詰まっているかを確かめてみてください。結果を見ながら、最初の1本のテーマを一緒に決めましょう。
※本文中の会社・人物・数値は、よくある状況をもとに構成した想定事例です。特定の企業を指すものではありません。手順は、BEYOND Holdings が複数の実業を運営する中で用いている一般的な整理であり、成果を保証するものではありません。