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#業務効率化#数字・見える化#人手不足
Operation Column · 2026.08.05

見積が出るまで5日、失注を知るのは1週間後
── 受注前工程が詰まる本当の原因(想定事例)

「見積、いつ出せる?」と聞かれて、即答できる会社はどれくらいあるでしょうか。多くの現場では数日という答えが返ってきます。その数日のあいだに、相手は他社の見積を受け取っている。帝国データバンクが2026年5月に発表した調査によると、正社員が不足している企業は50.6%、非正社員でも28.3%(2026年4月調査・全国23,083社対象)。見積を作れる人を増やす、という解決策はもう使えません。それでも社内リードタイムは縮みます。詰まりの正体が、作業の遅さではないからです。以下は想定事例です。

1.【before】5日の内訳を測ったら、作業は90分だった

従業員24名の金属加工業。引き合いから見積提出まで、平均5営業日かかっていました。社長も現場も「人が足りないから遅い」と考えていた。そこで一度、1件の見積が生まれるまでを時刻で記録してみます。

結果は意外なものでした。実際に手を動かしていた時間は、合計90分ほど。残りの4日半は、待ち時間です。図面の不足を客に問い合わせて回答を待つのが1日半。過去の類似案件の単価を知っているベテランの手が空くのを待つのが1日。社長の承認待ちが1日。担当者が別の現場に出ていて着手できない時間が1日。

遅いのは作業ではなく、間だった。人を増やしても、この4日半はほとんど縮みません。増えるのは90分を分担する人数だけだからです。

手を動かしていたのは90分。残りの4日半は、待っていた時間だった。

2.なぜ待ち時間が生まれるのか ── 全件を『特注』として扱っている

この会社では、どの引き合いも同じ手順で処理されていました。図面を見て、材料を拾い、工数を見積り、ベテランに相談し、社長が承認する。1万円の追加加工も、800万円の新規設備も、同じ経路を通る

ところが実際に過去1年の見積を並べてみると、件数の約8割は、過去にやったことのある仕事の繰り返しか、その組み合わせでした。本当に判断が要る特注は2割。それなのに全件が特注扱いなので、判断できる人(ベテランと社長)が全件のボトルネックになる。人手不足の会社ほど、この一点に負荷が集中します。

3.【turn】どう縮めたか ── 待ちを設計で消す四つの手

『作業時間』ではなく『待ち時間』を測る
改善の対象を決める前に、1件だけでいいので時刻を記録します。受付何時、着手何時、質問を出したのが何時、回答が来たのが何時。作業時間を削る改善は90分の話ですが、待ち時間を削る改善は4日半の話です。どちらに手を付けるべきかは、測れば一目で分かります。ポイント:最初にやるのは改善ではなく、1件分の時刻の記録
8割を『型』で出す ── 標準原価表を個人のExcelから出す
繰り返しの仕事は、材料・加工・段取りの単価を一覧にして共有すれば、若手でもその場で組み立てられます。この会社はベテランの頭の中にあった単価を、A4で3枚の表にしました。ベテランに聞く必要がなくなった時点で、1日の待ちが消えます。ポイント:ベテランの記憶を、まず紙1枚に落とす
承認を『全件』から『金額帯』に切り替える
50万円未満は担当者、200万円未満は課長、それ以上は社長。線を引いた瞬間、社長承認待ちの1日は8割の案件から消えます。社長が見なくなるのではなく、社長が見るべき2割に時間を使えるようになるという話です。ポイント:承認は人ではなく、金額で線を引く
聞くことを先に決めて、受付時に全部聞く
図面不足の問い合わせが1日半を食っていたのは、作りながら足りないものに気づいていたからです。受付時のヒアリング項目を固定し、引き合いを受けた瞬間に全部そろえる。往復が1回減るだけで、丸一日が戻ってきます。ポイント:質問は後出しにせず、受付フォームに畳み込む

4.実業の当事者として言えること

私たちBEYONDは、外から助言するコンサルではなく、中小企業同士が連合して複数の実業を回している当事者です。自分たちの現場でも同じことが起きます。受注前の工程は、誰の担当でもないまま伸びていく。製造や施工には工程表があるのに、見積には期限すらないことが多い。だから静かに5日になります。

そして受注前工程の遅れは、最も気づきにくい形で損をします。失注しても理由は「価格が合わなかった」と伝えられるからです。実際には、返事が遅くて検討の輪から外れていたのかもしれない。しかしそれは相手も言いません。遅さは、価格のせいに置き換えられて報告される。ここが怖いところです。

だから測る対象を変えてください。受注率でも見積件数でもなく、引き合いを受けてから提出するまでの日数を、案件ごとに記録する。この一つの数字を毎月見るだけで、現場は自然に間を詰め始めます。人を増やせない時代に増やせる資源は、止まっていた時間だけです。

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5.GEAR は、工程の『間』から一緒に削る

GEAR(BEYOND PLAYBOOK)は、ツールを導入して終わりにはしません。BEYOND Holdings 自身が実業を回す当事者として、1件分の時刻記録 → 待ち時間の特定 → 標準化できる8割の切り出し → 承認と受付フォームの再設計までを、貴社の現場に合わせて一緒に進めます。増やせない人手の代わりに、止まっている時間を取り戻すのが狙いです。

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※背景データは、正社員が不足している企業50.6%・非正社員28.3%・2026年4月16日〜30日実施・全国23,083社対象=株式会社帝国データバンク『人手不足に対する企業の動向調査(2026年4月)』(2026年5月19日発表)を参照しました。本文中の会社・日数・数字は、よくある状況をもとに構成した想定事例です。