従業員24名の金属加工業。引き合いから見積提出まで、平均5営業日かかっていました。社長も現場も「人が足りないから遅い」と考えていた。そこで一度、1件の見積が生まれるまでを時刻で記録してみます。
結果は意外なものでした。実際に手を動かしていた時間は、合計90分ほど。残りの4日半は、待ち時間です。図面の不足を客に問い合わせて回答を待つのが1日半。過去の類似案件の単価を知っているベテランの手が空くのを待つのが1日。社長の承認待ちが1日。担当者が別の現場に出ていて着手できない時間が1日。
遅いのは作業ではなく、間だった。人を増やしても、この4日半はほとんど縮みません。増えるのは90分を分担する人数だけだからです。
この会社では、どの引き合いも同じ手順で処理されていました。図面を見て、材料を拾い、工数を見積り、ベテランに相談し、社長が承認する。1万円の追加加工も、800万円の新規設備も、同じ経路を通る。
ところが実際に過去1年の見積を並べてみると、件数の約8割は、過去にやったことのある仕事の繰り返しか、その組み合わせでした。本当に判断が要る特注は2割。それなのに全件が特注扱いなので、判断できる人(ベテランと社長)が全件のボトルネックになる。人手不足の会社ほど、この一点に負荷が集中します。
私たちBEYONDは、外から助言するコンサルではなく、中小企業同士が連合して複数の実業を回している当事者です。自分たちの現場でも同じことが起きます。受注前の工程は、誰の担当でもないまま伸びていく。製造や施工には工程表があるのに、見積には期限すらないことが多い。だから静かに5日になります。
そして受注前工程の遅れは、最も気づきにくい形で損をします。失注しても理由は「価格が合わなかった」と伝えられるからです。実際には、返事が遅くて検討の輪から外れていたのかもしれない。しかしそれは相手も言いません。遅さは、価格のせいに置き換えられて報告される。ここが怖いところです。
だから測る対象を変えてください。受注率でも見積件数でもなく、引き合いを受けてから提出するまでの日数を、案件ごとに記録する。この一つの数字を毎月見るだけで、現場は自然に間を詰め始めます。人を増やせない時代に増やせる資源は、止まっていた時間だけです。
工程・手作業・重複・属人化の4観点から、社内のどこに時間が溜まっているかをレーダーで特定します。登録不要・その場で結果。
▶ 業務ムダ診断をはじめる 無料で相談するGEAR(BEYOND PLAYBOOK)は、ツールを導入して終わりにはしません。BEYOND Holdings 自身が実業を回す当事者として、1件分の時刻記録 → 待ち時間の特定 → 標準化できる8割の切り出し → 承認と受付フォームの再設計までを、貴社の現場に合わせて一緒に進めます。増やせない人手の代わりに、止まっている時間を取り戻すのが狙いです。
まずは無料の業務ムダ診断で、社内のどこに時間が溜まっているかを確かめてみてください。結果を見ながら、最初に測る1件を一緒に決めましょう。
※背景データは、正社員が不足している企業50.6%・非正社員28.3%・2026年4月16日〜30日実施・全国23,083社対象=株式会社帝国データバンク『人手不足に対する企業の動向調査(2026年4月)』(2026年5月19日発表)を参照しました。本文中の会社・日数・数字は、よくある状況をもとに構成した想定事例です。