← GEARトップへ
#業務効率化#意思決定#数字・見える化
Operation Column · 2026.08.29

電話をやめると、
かえって負担が増える

電話は非効率だから、チャットやフォームに移そう。
方針としては正しく聞こえます。ところがこの方針で動いた会社の多くで、負担はむしろ増えます
理由は単純です。電話でしか来ない情報があるから。急ぎの変更、言いにくい相談、機械の異音のように言葉にしづらい話。経路を塞いでも、それらは消えません。遅れて、別の形で現れます。しかも遅れたぶん、対応は重くなる。
やるべきは全廃ではありません。相手が経路を選べる状態を作り、電話に来る内容のほうを絞ることです。

1.電話にしか乗らない情報がある

移行がうまくいかない会社を見ると、電話の性質を過小評価していることが多いものです。電話には、文字にしにくい情報を運ぶ機能があります。

一つ目、急ぎの度合い。メールには『至急』と書けますが、本当に至急かは分かりません。電話は、かけてきたという事実そのものが緊急度を伝えます。

二つ目、言いにくい話。クレームの前段階、支払いの相談、条件の打診。文字に残したくない内容ほど、電話で来ます。ここを塞ぐと、相手は言わなくなる。言わなくなった不満は、次の見積りで消えるという形で現れます。

三つ目、言葉にできない状況。『なんか変な音がする』『いつもと違う』。フォームの入力欄には書けませんが、現場では重要な一次情報です。

経路を塞いでも、情報は消えずに遅れて届く

2.問題は電話そのものではなく、内訳

とはいえ、電話対応の負担が大きいのも事実です。ここで見るべきは件数ではなく、かかってくる理由の内訳です。

1週間だけ記録を取ると、たいてい似た構成が出ます。①同じ質問(納期、営業時間、場所)、②取次だけで自分は答えない用件、③自分にしか答えられない用件

①は情報の出し方を変えれば減ります。②は取次のルールを決めれば減ります。減らしてはいけないのは③だけです。ところが全廃の議論は、この三つをまとめて扱ってしまう。だから、残すべき電話まで塞いで、必要な情報が届かなくなります

3.経路を設計する、四つの手順

1週間だけ、電話の理由を3分類で記録する
内容を細かく書く必要はありません。受けた人が、同じ質問・取次・自分の用件のどれかに正の字を付けるだけ。1週間で構成比が見えます。感覚では『雑多にかかってくる』と思われていたものが、実は数種類に偏っていることがほとんどです。ポイント:分類は3つ。細かく書かせると続かない
同じ質問は、電話を取る前に答えを置く
上位3つの質問を特定したら、相手が電話をかける前に目に入る場所に答えを置く。見積書の欄外、納品書の裏、メール署名の1行。ウェブサイトに書くだけでは減りません。既に手元にある紙に書くほうが確実です。ポイント:サイトより、相手の手元にある紙に書く
取次は、名前ではなく用件で決める
『◯◯さんはいますか』に対して不在を伝えるだけの応対が、実は最も時間を食っています。用件ごとに一次受けを決め、担当不在でも一次回答ができる状態にする取次は減らすのではなく、その場で終わらせる形に変えますポイント:取次を減らすのではなく、その場で終わらせる
電話以外の経路を、こちらから指定して伝える
『お問い合わせはこちら』では選ばれません。『納期の確認はこの番号にメールしていただくと、当日中に返します』と、用件ごとに経路と応答時間を指定する相手が電話を選ぶのは、他の経路がいつ返ってくるか分からないからです。約束すれば移ります。ポイント:経路を用意するだけでなく、返す速さを約束する

4.実業の当事者として言えること

私たちBEYONDは、外から助言するコンサルではなく、中小企業同士が連合して複数の実業を回している当事者です。電話対応の負担は、どのグループ会社でも共通の悩みでした。

試して分かったのは、電話を減らすことを目的にすると失敗するということです。件数を目標にした瞬間、現場は取りにくくする方向に動きます。留守番電話にする、担当を出さない。数字は下がりますが、客の側の不便は増えています

効いたのは、電話に来る内容を選ぶという発想でした。定型の質問は他の経路に流し、電話は『判断が要る用件』のために空けておく。結果として件数は3割ほど減り、1件あたりの中身は濃くなりました。現場の疲労感は、件数以上に下がっています。

そしてもう一つ。電話をやめた会社は、顧客の変化に気づくのが遅れます。文字のやり取りは用件しか運びません。世間話の中に出てくる『来期は工場を止めるらしい』のような情報は、電話でしか来ない。効率だけで測ると、この価値が計算から抜け落ちます

減らすべきは負担であって、接点ではありません。ここを混同しないだけで、打ち手はかなり変わります

60秒・無料診断

先週かかってきた電話、内容を分類できますか?

業務の棚卸し・自動化・標準化・見える化の4観点から、どこに時間が消えているかをレーダーで特定します。登録不要・その場で結果。

▶ 業務ムダ診断をはじめる 無料で相談する

5.GEAR は、内訳の把握から一緒に立つ

GEAR(BEYOND PLAYBOOK)は、ツールを入れて終わりではありません。BEYOND Holdings 自身が実業を回す当事者として、電話の理由の記録 → 上位質問の特定 → 手元資料への回答の埋め込み → 用件別の経路と応答時間の設計までを、貴社の顧客層に合わせて一緒に進めます。狙うのは、接点を減らさずに負担だけを下げる状態です。

まずは無料の業務ムダ診断で、どこに時間が消えているかを確かめてみてください。結果を見ながら、最初に記録する1週間を一緒に決めましょう。

※本文中の手順は、BEYOND Holdings が複数の実業を運営する中で用いている一般的な整理です。業種・顧客層・体制により有効性は異なり、成果を保証するものではありません。