繁忙期に何が起きているかを分解すると、こうなります。施工が集中する。そして同時に、見積・発注・材料手配・請求も集中する。
このうち、動かせないのは施工と立会いだけです。お客様の都合と天候で決まるからです。残りは、実はほとんど動かせます。
ところが『繁忙期だから忙しい』と一括りにすると、動かせるものまで同じ月に置いたままになります。毎年そうしてきたから、そこに疑問が向かない。一括りの言葉が、検討を止めています。
この会社がやったのは、去年の繁忙期の作業を書き出して、三つに分けることでした。
①その時期にしかできない(施工、立会い、検査)。②前にずらせる(材料の手配、図面の確認、協力会社の日程押さえ、見積の型づくり)。③後ろにずらせる(請求の一部、報告書、写真整理、片付け)。
書き出してみると、②と③が全体の三割以上ありました。
特に効いたのは、協力会社の日程押さえです。繁忙期は相手も忙しく、直前に頼めば足元を見られます。三か月前に押さえると、単価も条件も変わりました。前倒しの効果は、自社の作業量だけでなく、外注費にも出ます。
私たちBEYONDは、外から助言するコンサルではなく、中小企業同士が連合して複数の実業を回している当事者です。繁閑の差が大きい商売も中にあります。
繁忙期対策で最初に出てくる案は、たいてい『人を増やす』『外注を増やす』です。どちらも金がかかるうえ、人手が足りない局面ではそもそも増やせません。前倒しは、この二つと違って金がかかりません。
ただし条件があります。前の月に余力が必要です。そしてここが難しいところで、閑散期を仕事で埋めることと、繁忙期を平らにすることは、トレードオフになります。閑散期に別の仕事を入れすぎると、前倒しの余力が消える。どちらを取るかは、先に決めておく必要があります。
効果の実感も正直に書きます。三割ずらしても、繁忙期はやはり忙しい。楽になるのは、ピークの最後の一週間です。ところが事故と手戻りが集中するのは、まさにその一週間。そこが減るだけで、年間の利益はかなり変わります。
注意点を一つ。前倒しした作業は、繁忙期が来る頃には『もうやった』ことを忘れられます。そして現場でもう一度やろうとする。一覧に印を付けて、繁忙期の初日に全員で確認してください。
最初の一歩は、去年の繁忙期の日報を一か月分開いて、作業名を書き出すことです。1時間で終わります。
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▶ 業務ムダ診断をはじめる 無料で相談するGEAR(BEYOND PLAYBOOK)は、システムを売る立場ではありません。BEYOND Holdings 自身が実業を回す当事者として、去年の記録からの作業洗い出し → 前・当日・後の仕分け → 実行月の割り付け → 着手日の交渉の型づくりまでを、貴社の繁閑の形に合わせて一緒に進めます。狙うのは、同じ人数でピークを越えられる段取りです。
まずは無料の業務ムダ診断で、どこに時間が消えているかを確かめてみてください。結果を見ながら、最初に前へずらす作業を一緒に決めましょう。
※本記事の会社の場面は、中小企業でよくある状況をもとに構成した想定事例であり、特定の企業を指すものではありません。前倒しできる作業の割合や効果は、業種・受注形態・取引条件によって大きく異なります。納期や着手日の変更を伴う交渉については、既存の契約内容および関係法令に留意してください。本文中の手順は一般的な整理であり、成果を保証するものではありません。