← GEARトップへ
#業務効率化#人手不足#意思決定
Operation Column · 2026.09.13

繁忙期の三か月前に、仕事を前へずらした

ある内装施工会社(想定事例)の繁忙期は、毎年同じ月に来ます。分かっているのに、毎年同じように残業と外注費でしのいでいました。
やったのは一つだけです。繁忙期にやっている作業を全部書き出し、前にずらせるかどうかだけを判定しました
結果、三割は三か月前にできる作業でした。山を低くしたのではありません。山の一部を、前の月に移しただけです。

1.忙しいのは仕事量ではなく、同時性

繁忙期に何が起きているかを分解すると、こうなります。施工が集中する。そして同時に、見積・発注・材料手配・請求も集中する

このうち、動かせないのは施工と立会いだけです。お客様の都合と天候で決まるからです。残りは、実はほとんど動かせます。

ところが『繁忙期だから忙しい』と一括りにすると、動かせるものまで同じ月に置いたままになります。毎年そうしてきたから、そこに疑問が向かない。一括りの言葉が、検討を止めています。

忙しいのは仕事量ではない。動かせるものまで、同じ月に置いているだけ

2.作業を三つに仕分けた

この会社がやったのは、去年の繁忙期の作業を書き出して、三つに分けることでした。

①その時期にしかできない(施工、立会い、検査)。②前にずらせる(材料の手配、図面の確認、協力会社の日程押さえ、見積の型づくり)。③後ろにずらせる(請求の一部、報告書、写真整理、片付け)。

書き出してみると、②と③が全体の三割以上ありました

特に効いたのは、協力会社の日程押さえです。繁忙期は相手も忙しく、直前に頼めば足元を見られます。三か月前に押さえると、単価も条件も変わりました。前倒しの効果は、自社の作業量だけでなく、外注費にも出ます。

3.山をずらす、四つの手順

去年の繁忙期の日報を開き、作業名だけを書き出す
記憶で書くと、印象に残った仕事しか出てきません。実際に時間を食っていたのは、印象に残らない細かい作業のほうです。去年の記録から機械的に拾う。一か月分で十分です。作業名だけを縦に並べ、この時点では判断をしない。ポイント:記憶ではなく、去年の記録から拾う
各作業に、前・当日・後の三択だけを付ける
議論はしません。三択を付けるだけです。迷ったら『当日』に入れておく。選択肢を三つに絞ると、会議がその場で終わります。ここで『どうやって前倒しするか』を話し始めると、一つ目の作業で時間が尽きます。仕分けと方法の検討は、日を分けてください。ポイント:三択にすると、会議でその場で決まる
『前』に付いた作業に、実行する月を書く
いつやるかを書かないと、結局その月にやることになります。三か月前なのか、一か月前なのか。作業ごとに月を決めて、その月の予定表に入れる。前倒しは、月を書いて初めて動きます。方針として『前倒しする』と決めただけの会社は、翌年も同じ繁忙期を迎えます。ポイント:前倒しは、月を書いて初めて動く
納期の交渉は、繁忙期ではなく閑散期にする
同じ月に納期が集中しているなら、受注の時点で着手日をずらす交渉が要ります。要点は時期です。繁忙期の直前に『お待ちください』と言えば断られますが、閑散期に『この時期は○週間いただきます』と先に伝えれば通ります。条件は、忙しくなる前に言うから条件になります。ポイント:納期の交渉は、繁忙期ではなく閑散期にする

4.やってみて分かること

私たちBEYONDは、外から助言するコンサルではなく、中小企業同士が連合して複数の実業を回している当事者です。繁閑の差が大きい商売も中にあります。

繁忙期対策で最初に出てくる案は、たいてい『人を増やす』『外注を増やす』です。どちらも金がかかるうえ、人手が足りない局面ではそもそも増やせません。前倒しは、この二つと違って金がかかりません。

ただし条件があります。前の月に余力が必要です。そしてここが難しいところで、閑散期を仕事で埋めることと、繁忙期を平らにすることは、トレードオフになります。閑散期に別の仕事を入れすぎると、前倒しの余力が消える。どちらを取るかは、先に決めておく必要があります。

効果の実感も正直に書きます。三割ずらしても、繁忙期はやはり忙しい。楽になるのは、ピークの最後の一週間です。ところが事故と手戻りが集中するのは、まさにその一週間。そこが減るだけで、年間の利益はかなり変わります。

注意点を一つ。前倒しした作業は、繁忙期が来る頃には『もうやった』ことを忘れられます。そして現場でもう一度やろうとする。一覧に印を付けて、繁忙期の初日に全員で確認してください。

最初の一歩は、去年の繁忙期の日報を一か月分開いて、作業名を書き出すことです。1時間で終わります。

60秒・無料診断

去年の繁忙期、前にずらせた作業はありませんでしたか?

業務の棚卸し・自動化・標準化・見える化の4観点から、どこに時間が消えているかをレーダーで特定します。登録不要・その場で結果。

▶ 業務ムダ診断をはじめる 無料で相談する

5.GEAR は、仕分けから一緒に立つ

GEAR(BEYOND PLAYBOOK)は、システムを売る立場ではありません。BEYOND Holdings 自身が実業を回す当事者として、去年の記録からの作業洗い出し → 前・当日・後の仕分け → 実行月の割り付け → 着手日の交渉の型づくりまでを、貴社の繁閑の形に合わせて一緒に進めます。狙うのは、同じ人数でピークを越えられる段取りです。

まずは無料の業務ムダ診断で、どこに時間が消えているかを確かめてみてください。結果を見ながら、最初に前へずらす作業を一緒に決めましょう。

※本記事の会社の場面は、中小企業でよくある状況をもとに構成した想定事例であり、特定の企業を指すものではありません。前倒しできる作業の割合や効果は、業種・受注形態・取引条件によって大きく異なります。納期や着手日の変更を伴う交渉については、既存の契約内容および関係法令に留意してください。本文中の手順は一般的な整理であり、成果を保証するものではありません。