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#業務効率化#定着・離職#人手不足
Operation Column · 2026.08.14

有休取得率66.9%の現場で、
シフトを勘で組み続けた会社(想定事例)

人が休むことを前提に、来月の工程表は組まれていますか。厚生労働省の令和7年就労条件総合調査によると、2024年の年次有給休暇の取得率は66.9%で、1984年以降で最も高い水準です。10年連続の増加で、前年から1.6ポイント増えました。付与日数は労働者1人平均18.1日、取得日数は12.1日年間休日総数も112.4日と過去最多です。休みは、もう例外的な出来事ではありません。それなのに配置がベテランの頭の中だけで決まっている会社では、休まない人にだけ仕事が寄り、その人から先に辞めていきます。以下は想定事例です。

1.【before】工程表を組めるのが、工場長ひとりだった

従業員26名の金属加工会社。翌週の工程と人の配置は、勤続30年の工場長が毎週金曜の夕方に組んでいました。誰がどの機械を扱えて、どの作業なら任せられるか。すべてが頭の中に入っています。速いし、外れない。長らくこれで回ってきました。

ほころびは、有休の申請から出ました。若手が休みを申請すると、工場長は口では「いいよ」と言いながら、実際にはその週の難しい仕事を、休まない特定の2人に寄せていました。悪気はありません。確実に回すには、任せられる人に振るのが一番早いからです。

結果として何が起きたか。頼りにされている2人の残業だけが増え続けました。そして先に辞めたのは、その2人のうち1人でした。退職面談での言葉は「休める人と休めない人が固定されているのが、しんどかった」。工場長は誰よりも現場を分かっていたのに、分かっていることが自分の外に出ていなかったのです。

確実に回そうとするほど、できる人にだけ寄る。そしてその人から辞める。

2.属人的なシフトが崩れるのは、本人が辞める時だけではない

「工場長がいなくなったら困る」という話は、よく語られます。けれど実際に先に問題が出るのは、組まれた側です。

頭の中で組まれた配置には、根拠が残りません。なぜ自分にこの仕事が来て、あの人には来ないのか。説明がないと、人は最も不利な解釈をします。えこひいきだ、自分は信用されていない、あるいは自分ばかり損をしている。実際には合理的な判断だったとしても、見えなければ不公平として受け取られます

有休取得率が66.9%まで上がったということは、休みの調整が毎月必ず発生するということでもあります。年に数回の例外なら勘で吸収できますが、常時発生する調整を勘でさばき続けると、必ずどこかに固定的な偏りが生まれます。

3.【turn】この会社が変えた、四つのこと

人ではなく『作業ごとの担当可能人数』を数える
全作業を縦に並べ、それぞれいま何人が対応できるかを数字で書くだけです。育成計画の話ではありません。対応可能が1人しかいない作業が浮き上がることが目的です。この会社では18工程のうち5つが1人しか対応できず、休みの調整が詰まる原因がそこに集中していました。ポイント:作れるのは誰かではなく、何人いるかを数える
休みを先に入れてから、仕事を割る
順番の問題です。仕事を割り付けてから休み希望を差し込むと、休む人が後ろめたくなる。確定した休みを先に工程表へ置き、残った枠に仕事を入れる。同じ結果になる週もありますが、休みが調整対象ではなく前提になることで、申請の心理的ハードルが消えます。ポイント:工程表に最初に書き込むのは、休みの予定
負荷は作業時間ではなく『同時に抱える件数』で見る
時間だけで均すと、細かい案件を大量に持っている人の負担が見えません。一人が同時に何件抱えているかを数えると、実感に近い偏りが出ます。段取り替えと確認の手間は、件数に比例して増えるからです。ポイント:均すのは時間ではなく、頭の切り替え回数
組んだ人以外が読める形で、根拠を1行残す
『この案件はAさん(該当機の対応者が本人のみ)』のように、なぜその配置なのかを一行だけ書く。全部書く必要はなく、偏りが出た箇所だけで十分です。根拠が見えると不満は激減し、同時に工場長以外でも組めるようになっていきますポイント:書くのは配置ではなく、偏った理由のほう

4.学び ── 見える化の目的は、平等ではなく納得

この会社の工程表は、いまも完全に平等ではありません。技能の差がある以上、難しい仕事は特定の人に寄ります。変わったのは、寄っている事実と理由が全員に見えるようになったことです。そして対応可能者が1人しかいない5工程には、順に2人目を育てる計画が付きました。

私たちBEYONDは、外から助言するコンサルではなく、中小企業同士が連合して複数の実業を回している当事者です。現場を持っていれば、勘で組む速さの価値はよく分かります。ベテランの頭の中は、実際に精度が高い。だから否定する必要はありません。

問題は、その精度の高さが、休みが常時発生する環境では追いつかなくなることです。有休取得率が過去最高を更新し続け、年間休日も増えている以上、調整の回数は今後も増えます。勘を捨てるのではなく、勘が使っていた情報を外に出す。作業ごとの対応可能人数を数えるところから始めれば、半日で最初の一歩は終わります。

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5.GEAR は、配置の根拠が見える形まで一緒に作る

GEAR(BEYOND PLAYBOOK)は、シフト管理ツールを紹介して終わりにはしません。BEYOND Holdings 自身が実業を回す当事者として、作業ごとの対応可能人数の棚卸し → 休みを先に置く工程表の型づくり → 同時進行件数での負荷把握 → 配置根拠の記録運用までを、貴社の現場に合わせて一緒に進めます。狙うのは、特定の人に静かに寄る状態をなくすことです。

まずは無料の業務ムダ診断で、社内のどこに負荷と手戻りが溜まっているかを確かめてみてください。結果を見ながら、最初に2人目を育てる1工程を一緒に決めましょう。

※背景データは、2024年1年間の年次有給休暇の取得率が66.9%で1984年以降最も高い水準であること、前年から1.6ポイント増で10年連続の増加であること、付与日数が労働者1人平均18.1日・取得日数が12.1日であること、年間休日総数が112.4日で過去最多であること=厚生労働省『令和7年 就労条件総合調査』を参照しました。本文中の会社・数字は、よくある状況をもとに構成した想定事例です。