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#業務効率化#価格・値上げ#意思決定
Operation Column · 2026.09.07

仕入先を3社に絞ったら、単価は下がって手間が増えた

ある製造業(想定事例)は、仕入先を12社から3社に絞りました。狙いは購買を集中させることによる単価の低減です。狙いどおり、主要品目の単価は下がりました。
ところが半年後、購買担当の残業は増えていました。単価は下がったのに、業務は重くなっていた。
原因は、絞る基準を単価だけに置いたことでした。発注と検収の手間は、社数ではなく取引の形で決まります

1.単価は、たしかに下がった

決め方はシンプルでした。品目ごとに見積を取り直し、最も安い3社を残して、残り9社との取引を終了する。購買を集中させれば交渉力が上がる、という理屈です。

初年度の数字は良く出ました。主要品目の単価は数%下がり、削減額は資料に載る形で示せた。ここまでは成功です。

問題は、資料に載らなかったほうの変化でした。

2.なぜ手間が増えたのか

一つ目。3社に集約した結果、1社あたりの品目数が増えました。納期の異なる品目が同じ発注に混ざり、分納が増え、検収の回数が増えます。発注書の枚数は減ったのに、受け入れの作業は増えるという逆転が起きました。

二つ目。切った9社の中に、電話一本で翌日に持ってきてくれる仕入先が含まれていました。急ぎの案件が出るたびに、残った3社に無理を言うか、その場でスポットの調達先を探すことになる。スポット調達は、見積・与信・支払条件の確認が毎回必要です。この時間は、どの資料にも計上されていませんでした。

三つ目。1社への依存度が上がりました。二年目の価格交渉で、こちらから押し返す材料がない。単価は少しずつ元に戻りはじめました。

単価は交渉で決まる。手間は、取引の形で決まる

3.見直しの、四つの手順

仕入先を品目ではなく、発注の頻度と急ぎ度で分類する
毎月定期的に出る品目と、突発で必要になる品目では、仕入先の使い方が違います。定期は集約が効きます。数量がまとまり、納期も読めるからです。一方、突発は分散させておくほうが結局は安い。急ぎに応じてくれる先を残しておく価値は、単価差より大きいことがあります。ポイント:定期と突発を、同じ基準で判断しない
発注1回あたりの手間を、実際に時間で測る
見積依頼、発注書作成、納期確認、検収、請求突合。1回あたり何分かかっているかを、ストップウォッチで一度だけ測ります。そのうえで、単価差×数量と、手間の時間×人件費単価×回数を並べる。同じ単位に直して初めて、比較になります。測っていない側は、いつまでも判断に入りません。ポイント:単価差と手間を、同じ単位に直して比べる
切る前に、その仕入先が担っている機能を書き出す
在庫を持ってくれている。少量でも受けてくれる。図面を読んで補ってくれる。急ぎに応じてくれる。これらは見積書に金額として現れません。しかし切った瞬間、その機能は自社の手間として戻ってきます。書き出してみると、安いのではなく、こちらの仕事を肩代わりしてもらっていただけ、という先が見つかります。ポイント:見積書に載っていない機能を、先に書き出す
集約は、依存度の上限を決めてから始める
1社への発注比率が一定を超えると、価格交渉の立場が逆転します。品目ごとに上限を決めてください。水準は自社の事情で決めて構いません。問題は水準ではなく、決めていないことです。決めていないと、気づいたときには他に頼める先がなくなっています。ポイント:集約の効果は、依存度の上限とセットで測る

4.やってみて分かること

私たちBEYONDは、外から助言するコンサルではなく、中小企業同士が連合して複数の実業を回している当事者です。仕入れる側にも、仕入れてもらう側にも立ちます。

購買の見直しで一番よくある失敗は、測りやすい数字だけで決めることです。単価は誰でも比べられます。手間は測っていないので、そもそも比較の土俵に乗らない。結果として、測れるほうだけが最適化されます。これは購買に限らず、あらゆる改善で起きます。

もう一つ、切られる側に立つと見えることがあります。長く付き合った仕入先を単価だけで切ると、その話は業界内で伝わります。次に自社が困って新しい先を探すとき、受けてもらいにくくなる。中小企業同士の取引では、この効き方が想像より大きい。切る場合でも、理由を伝え、期間を置いて移行するだけで、後の関係はかなり変わります。

実際にやるときの進め方も書いておきます。全部を一度に見直さないでください。品目を三つのグループに分け、一つずつ半年かけて見る。全社一斉にやると、何が良くて何が悪かったのかを特定できません。効果が出ても、なぜ出たか分からなければ次に使えません

最初の一歩は、先月の発注件数を、仕入先ごとに数えることです。件数が少ないのに残っている仕入先には、たいてい理由があります。その理由を書き出すところから始めてください。書けない先が、最初に見直す候補です。

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5.GEAR は、手間の可視化から一緒に立つ

GEAR(BEYOND PLAYBOOK)は、購買システムを売る立場ではありません。BEYOND Holdings 自身が実業を回す当事者として、定期と突発の仕分け → 発注1回あたりの時間測定 → 見えない機能の棚卸し → 依存度の上限設定までを、貴社の調達の実態に合わせて一緒に整理します。狙うのは、単価と手間を同じ土俵で比べられる状態です。

まずは無料の業務ムダ診断で、どこに時間が消えているかを確かめてみてください。結果を見ながら、最初に測る発注業務を一緒に決めましょう。

※本記事の会社の場面は、中小企業でよくある状況をもとに構成した想定事例であり、特定の企業を指すものではありません。仕入先の選定や取引条件の変更にあたっては、既存の契約内容および下請代金支払遅延等防止法をはじめとする関係法令に留意してください。個別の取扱いは弁護士等の専門家にご確認ください。本文中の手順は一般的な整理であり、成果を保証するものではありません。