ツールの導入は、驚くほど簡単になりました。クレジットカードを登録すれば当日から使えて、稟議も要らない金額のものが大半です。導入のハードルが下がったことは、間違いなく良いことです。効果があったと答えた企業が88.2%というのは、その証拠でもあります。
問題は反対側です。やめるほうのハードルは、まったく下がっていません。解約画面はたいてい分かりにくい場所にあり、「まだ誰か使っているかもしれない」という不安があり、そもそも自社が何を契約しているのかを一覧で見られる人が社内にいない。結果として入り口だけが広く、出口のない状態ができあがります。
だから効率化が止まる。足し算は誰でもできて、引き算は誰もやらない。これはツールの良し悪しの問題ではなく、運用の設計の問題です。
一つ目、部署ごとに勝手に増える。営業がひとつ、経理がひとつ、現場がひとつ。それぞれは月数千円で、それぞれは正しい判断です。全社で足すと相当な額になっていることに、誰も気づいていません。
二つ目、解約が誰の仕事でもない。導入した人が異動や退職をすると、その契約は宙に浮きます。引き落としだけが続き、支払いの根拠を説明できる人が社内から消える。金額が小さいほど、この現象は起きやすい。
三つ目、アカウント単位で膨らむ。人数課金のサービスは、退職者の分を止め忘れると、そのまま毎月払い続けることになります。使っていない席にお金を払っている状態が、何年も続きます。
私たちBEYONDは、外から助言するコンサルではなく、中小企業同士が連合して複数の実業を回している当事者です。自分たちでもこの棚卸しをやると、毎回いくつか出てきます。誰も使っていないのに払い続けていたもの、同じことができるツールが二つあったもの、辞めた人の席。恥ずかしい話ですが、意識の問題ではありません。見る仕組みがなければ、必ずこうなります。
ただ、ここで強調しておきたいことがあります。この作業の目的は経費削減ではありません。もちろん月々の固定費は下がりますが、それは副産物です。本当の狙いは現場の認知の負荷を下げること。ログイン先が7つある会社と3つの会社では、新人の立ち上がりも、情報の探しやすさも、引き継ぎの速さもまるで違います。減らすことそのものが、業務改善です。
そしてもうひとつ。導入を止める必要はまったくありません。効果が出ているという数字はその通りで、必要なものは入れるべきです。決めておくべきなのは、入れるときに『これを入れたら、何をやめるか』を同じ稟議に書くということ。足し算と引き算を同じ紙の上でやれば、そもそも棚卸しの出番は減ります。
工程・手作業・重複・属人化の4観点から、社内のどこに時間が溜まっているかをレーダーで特定します。登録不要・その場で結果。
▶ 業務ムダ診断をはじめる 無料で相談するGEAR(BEYOND PLAYBOOK)は、便利なツールを紹介して終わりにはしません。BEYOND Holdings 自身が実業を回す当事者として、引き落とし明細からの洗い出し → 未使用アカウントの停止 → 業務単位での重複の解消 → 更新日カレンダーの運用化までを、貴社の現場に合わせて一緒に進めます。狙いは支出の削減ではなく、現場が覚えることを減らすことです。
まずは無料の業務ムダ診断で、社内のどこに時間と手間が溜まっているかを確かめてみてください。結果を見ながら、最初に止める一つを一緒に決めましょう。
※背景データは、クラウドサービスを利用している企業の割合が8割を超えていること・利用の効果があったと回答した企業が88.2%であること=総務省『令和6年 通信利用動向調査』(2025年5月公表)を参照しました。本文中の進め方・金額は、よくある状況をもとにした一般的な整理です。