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#業務効率化#DX・AI#人材育成
Operation Column · 2026.09.16

導入したのに、三か月で誰も開かなくなった|最初の2週間の設計

ある卸売会社(想定事例)が、在庫と受注を管理するツールを導入しました。選定に三か月かけ、費用も相応にかけています。
導入時には操作研修を一日実施。全員が参加し、質問も出ました。
それでも三か月後には、誰も開かなくなっていました。使い方は分かっていたのです。使う場面が決まっていなかっただけでした。

1.操作は教えたが、業務は変えなかった

研修でやったのは、画面の説明、入力の手順、機能の一覧でした。丁寧な内容で、資料も配られています。

やらなかったのは一つだけです。いまの業務のどこを、ツールに置き換えるのかを決めること

その結果、現場で起きたのは『今までのやり方+ツールへの入力』でした。仕事が減るどころか増えています。そして増えた分は、忙しくなった週に真っ先に落ちます。一度落ちると、翌週も落ちる。三か月で誰も開かなくなるのは、当然の帰結でした。

使われないのは、使い方が分からないからではない。使う場面が決まっていないから

2.最初の2週間で、一つの業務だけを移した

やり直したときの方針は三つです。

まず、全機能を教えるのをやめました。代わりに『毎日必ず発生する業務』を一つだけ選ぶ。この会社では受注の入力でした。

次に、その業務の旧来のやり方を、同時にやめました。受注メモの紙を、その日から配らない。並行運用はしない。

そして最初の2週間だけ、担当者の横に一人つけました。質問が出た瞬間に答えられる状態を作る。

2週間後、その業務はツールなしでは回らない状態になっていました。そこで初めて、次の業務を足しています。

3.定着させる、四つの手順

最初に移す業務は、毎日発生するものを一つだけ
週に一度しか発生しない業務を選ぶと、次に触るころには前回のやり方を忘れています。定着を決めるのは重要度ではなく頻度です。毎日触るものを一つだけ選ぶ。二つ同時に移すと、どちらも中途半端になります。最初の一つが回ってから次を足してください。ポイント:毎日発生する業務から移す。頻度が定着を決める
旧来のやり方を、同じ日にやめる
並行運用を認めると、必ず旧に戻ります。人は慣れたほうを選ぶからです。忙しい日に『今日は紙でいいか』が一度出れば、そこから戻り始める。紙をやめる日を決めて、その日から配らない。不安なら、旧来の様式は保管しておくだけにして、使える状態には置かないでください。ポイント:並行運用を許すと、必ず旧に戻る
最初の2週間だけ、横に人をつける
研修を一日やるより、2週間の伴走のほうが効きます。質問は、実際に困った瞬間にしか出てこないからです。後から『分からないことある?』と聞いても、何も出てきません。2週間という期間を先に切っておくこと。期限がないと、つく側の負担が読めなくなります。ポイント:研修一日より、2週間の横づけ
教える役を、導入担当ではなく現場から選ぶ
導入を決めた人が教えると、現場はやらされていると感じます。先に現場の一人に覚えてもらい、その人が周りに教える形にする。同じ内容でも、誰が言うかで受け取られ方が変わります。選ぶのは操作が得意な人ではなく、周りから聞かれやすい人です。ポイント:最初に覚える一人を、現場から選ぶ

4.やってみて分かること

私たちBEYONDは、外から助言するコンサルではなく、中小企業同士が連合して複数の実業を回している当事者です。道具を入れて失敗した経験も、何度もあります。

定着しない会社の共通点は、導入の目的が『効率化』という言葉で止まっていることでした。何の作業が何分減るのか、そこまで落ちていない。目的が言葉のままだと、検証もできません

そして、機能を全部使おうとすると失敗します。費用を払った以上は全部使いたくなりますが、使わない機能があっても損ではありません。一つの業務が回れば、たいてい元は取れます

定着したかどうかの判定も、使用率では測れませんでした。判定基準は『戻せるか』です。旧来のやり方に戻そうとしたときに現場が困るなら、それは定着しています。困らないなら、まだ道具が増えただけの状態です。

注意点を一つ。最初の2週間は、生産性が実際に落ちます。そこで必ず『やっぱり前のほうが速かった』という声が出ます。落ちることを事前に全員へ伝えておいてください。伝えていれば想定内ですが、伝えていなければ失敗の証拠になります。

最初の一歩は、導入済みで使われていないツールがあるなら、毎日発生する業務を一つ選んで、来週から旧来のやり方をやめる日を決めることです。新しく何かを買う必要はありません。

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5.GEAR は、最初の一業務の選定から一緒に立つ

GEAR(BEYOND PLAYBOOK)は、システムを売る立場ではありません。BEYOND Holdings 自身が実業を回す当事者として、最初に移す業務の選定 → 旧来のやり方をやめる日の設定 → 2週間の伴走体制 → 教える役の選び方までを、貴社の現場に合わせて一緒に設計します。狙うのは、戻せなくなるまで持っていくことです。

まずは無料の業務ムダ診断で、どこに時間が消えているかを確かめてみてください。結果を見ながら、最初に移す一業務を一緒に決めましょう。

※本記事の会社の場面は、中小企業でよくある状況をもとに構成した想定事例であり、特定の企業を指すものではありません。ツールの選定・導入の適否や必要な期間は、業種・業務量・既存の仕組みによって異なります。帳簿書類の電子的な保存を伴う場合は、電子帳簿保存法など関係法令の要件をご確認ください。本文中の手順は一般的な整理であり、成果を保証するものではありません。