研修でやったのは、画面の説明、入力の手順、機能の一覧でした。丁寧な内容で、資料も配られています。
やらなかったのは一つだけです。いまの業務のどこを、ツールに置き換えるのかを決めること。
その結果、現場で起きたのは『今までのやり方+ツールへの入力』でした。仕事が減るどころか増えています。そして増えた分は、忙しくなった週に真っ先に落ちます。一度落ちると、翌週も落ちる。三か月で誰も開かなくなるのは、当然の帰結でした。
やり直したときの方針は三つです。
まず、全機能を教えるのをやめました。代わりに『毎日必ず発生する業務』を一つだけ選ぶ。この会社では受注の入力でした。
次に、その業務の旧来のやり方を、同時にやめました。受注メモの紙を、その日から配らない。並行運用はしない。
そして最初の2週間だけ、担当者の横に一人つけました。質問が出た瞬間に答えられる状態を作る。
2週間後、その業務はツールなしでは回らない状態になっていました。そこで初めて、次の業務を足しています。
私たちBEYONDは、外から助言するコンサルではなく、中小企業同士が連合して複数の実業を回している当事者です。道具を入れて失敗した経験も、何度もあります。
定着しない会社の共通点は、導入の目的が『効率化』という言葉で止まっていることでした。何の作業が何分減るのか、そこまで落ちていない。目的が言葉のままだと、検証もできません。
そして、機能を全部使おうとすると失敗します。費用を払った以上は全部使いたくなりますが、使わない機能があっても損ではありません。一つの業務が回れば、たいてい元は取れます。
定着したかどうかの判定も、使用率では測れませんでした。判定基準は『戻せるか』です。旧来のやり方に戻そうとしたときに現場が困るなら、それは定着しています。困らないなら、まだ道具が増えただけの状態です。
注意点を一つ。最初の2週間は、生産性が実際に落ちます。そこで必ず『やっぱり前のほうが速かった』という声が出ます。落ちることを事前に全員へ伝えておいてください。伝えていれば想定内ですが、伝えていなければ失敗の証拠になります。
最初の一歩は、導入済みで使われていないツールがあるなら、毎日発生する業務を一つ選んで、来週から旧来のやり方をやめる日を決めることです。新しく何かを買う必要はありません。
業務の棚卸し・自動化・標準化・見える化の4観点から、どこに時間が消えているかをレーダーで特定します。登録不要・その場で結果。
▶ 業務ムダ診断をはじめる 無料で相談するGEAR(BEYOND PLAYBOOK)は、システムを売る立場ではありません。BEYOND Holdings 自身が実業を回す当事者として、最初に移す業務の選定 → 旧来のやり方をやめる日の設定 → 2週間の伴走体制 → 教える役の選び方までを、貴社の現場に合わせて一緒に設計します。狙うのは、戻せなくなるまで持っていくことです。
まずは無料の業務ムダ診断で、どこに時間が消えているかを確かめてみてください。結果を見ながら、最初に移す一業務を一緒に決めましょう。
※本記事の会社の場面は、中小企業でよくある状況をもとに構成した想定事例であり、特定の企業を指すものではありません。ツールの選定・導入の適否や必要な期間は、業種・業務量・既存の仕組みによって異なります。帳簿書類の電子的な保存を伴う場合は、電子帳簿保存法など関係法令の要件をご確認ください。本文中の手順は一般的な整理であり、成果を保証するものではありません。