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#数字・見える化#意思決定#人手不足
Management Column · 2026.07.18

最低賃金プラス66円時代の
KPIツリー

2025年度の最低賃金は全国加重平均で1,121円、前年比プラス66円。1978年の目安制度開始以来、過去最大の引き上げ幅でした。人件費は「今年たまたま」ではなく構造的に上がり続ける固定費になっています。この時代、「売上を上げよう」という号令だけでは体力が削れるだけ。目標を一人あたりの付加価値まで分解し、現場の一手に翻訳する——それがKPIツリーの役割です。

1.いま起きていること ── 賃金は上がる、人は採れない

数字を押さえておきましょう。2025年度の最低賃金は全国平均1,121円へと過去最大の66円上昇し、初めて全都道府県で1,000円を突破しました(厚生労働省)。一方で帝国データバンクによれば、2025年の人手不足倒産は427件と3年連続で過去最多、その約77%が従業員10人未満の小規模企業でした(帝国データバンク)。

この二つは同じコインの裏表です。賃上げしなければ人は採れず、賃上げすれば固定費が重くなる。逃げ場は一つしかありません。同じ人数で生み出す付加価値を上げること——つまり労働生産性です。ところが「生産性を上げろ」は現場にとって最も動きにくい号令でもある。何を、いつ、どれだけやれば生産性が上がるのかが、言葉になっていないからです。

2.売上目標は、眺めても動かない

多くの会社の目標は「今期は売上1割増」で止まっています。これは頂点(ゴール)であって、明日の行動ではない。現場は「1割増」と言われても、朝いちばんに何を変えればいいか分からない。目標と行動のあいだに翻訳の階段が抜けているのです。

KPIツリーは、その階段を作る道具です。頂点のゴールを「それは何で決まるか」で一段ずつ分解し、最後は担当者が今日の予定表に書ける粒度まで落とす。売上=客数×客単価、客数=新規+リピート、新規=商談数×受注率……と枝分かれさせ、末端に「今週の商談を何件set するか」が残る。ここまで来て初めて、目標は動かせる数字になります。

目標は分解された瞬間に、スローガンから予定表へ変わる。

3.自社ならこう作る ── 三段で末端まで下ろす

BEYONDは9社を束ねていますが、各社の目標は必ず「一人あたり」まで割り戻して見ます。総額の売上は人を増やせば伸びますが、それでは賃上げに追いつかない。見るべきは頭数で割ったあとの数字だからです。LENSの可視化・鮮度・活用・仕組み化の観点で、次の三段を勧めます。

頂点を『一人あたり』で立てる
頂点は総売上ではなく、一人あたり粗利(付加価値)に置く。人件費が上がる時代に守るべきは、頭数で割った稼ぐ力だから。ここを頂点にすると「増員して売上を作る」という楽な逃げ道が自動的に消える。問い:自社の『一人あたり粗利』を今すぐ言えるか
掛け算で二段だけ割る
頂点を『◯×◯』の形で分解する。一人あたり粗利=一人あたり案件数×案件あたり粗利、など。凝った樹形図はいらない。二段も割れば、どの枝が細っているか(数が足りないのか単価が低いのか)が見える。問い:伸び悩みは『数』側か『単価』側か、どちらの枝か
末端を『先行指標』にする
枝の先は、結果ではなく今週動かせる行動に着地させる。案件数の手前は商談数や見積提出数。粗利率の手前は値引き率や標準作業時間。後追いの結果ではなく、月曜に予定表へ書ける数字を末端に置く。問い:その末端は、担当者が今日の行動で動かせるか

順番が命です。①一人あたりで頂点を立て、②掛け算で二段割り、③末端を先行指標にする。評論家の作る立派なツリーは枝が多すぎて誰も追えません。浅く、しかし末端まで下ろす。これで賃上げに負けない生産性が、現場の日々の一手に変わります。

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4.LENS は、ツリーが回る仕組みごと作る

LENS(BEYOND PLAYBOOK)は、きれいなKPIツリーを図に描いて納品して終わりにはしません。一人あたりで頂点を立てる → 掛け算で分解する → 末端を先行指標として毎週の会議に載せるまで、貴社の現場で回る形に一緒に作ります。私たちは評論家ではなく、賃上げと人手不足の直撃を受けながら9社で数字を回してきた実業集団。エンジニア不在でも、目標が現場の一手に翻訳される仕組みごと形にできるのが武器です。

まずは無料の意思決定スピード診断で、いま目標と行動のどこが切れているかを掴むところから。結果を見ながら、あなたの会社のツリーを一緒に描きましょう。