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#数字・見える化#意思決定#売上アップ
Management Column · 2026.09.09

受注率を三つに割ったら、落ちていたのは提出後ではなかった

ある内装工事会社(想定事例)では、受注率が下がっているという感覚が社内で共有されていました。ところが、その率を実際に計算している人は誰もいませんでした。
測ってみると、見積提出からの受注率は前年とほぼ同じ。落ちていたのは、その手前でした。問い合わせから見積提出までの率が、二割近く下がっていたのです。
受注率が悪い、という一つの数字からは打ち手が出ません。どこで消えているかを分けて、初めて誰が何をするかが決まります。

1.同じ言葉が、社内で三つの意味で使われていた

測る前に分かったことがあります。受注率という言葉を、全員が違う意味で使っていました

営業は『見積を出した案件のうち、取れた割合』のつもりで話す。社長は『問い合わせのうち、成約した割合』を思い浮かべる。事務は『今月受注した件数を、今月出した見積件数で割った数字』を毎月出していた。三つとも違う数字です

だから会議の議論が噛み合いません。営業は『そんなに悪くない』と言い、社長は『去年より落ちている』と言う。どちらも自分の数字では正しい。この状態で改善策を話し合っても、着地するのは精神論だけです。

受注率が悪い、では打ち手が出ない。どこで消えたかが分かって、初めて担当者が決まる

2.三段階に割ったら、場所が特定できた

分け方はこうしました。①問い合わせから見積提出まで、②見積提出から相手の返事まで、③返事から受注まで

測った結果、②と③は前年並みでした。落ちていたのは①です。しかも問い合わせの件数自体は増えていました。増えた分を、見積として出せていなかったのです。

理由は単純でした。担当者が忙しく、初回の返信が数日遅れていた。その間に他社が見積を出し、話が進んでしまう。営業力でも提案力でもなく、初動の速さの問題でした。

もし三段階に分けずに『受注率が落ちた』とだけ扱っていたら、出てくる対策は値引きか提案書の改善だったはずです。どちらも、この会社では効きません

3.分けて測る、四つの手順

分母と分子の期を、案件の流れでそろえる
今月受注した案件は、たいてい先月や先々月に出した見積のものです。同じ月で割ると、意味のない数字になります。案件ごとに、問い合わせた日・見積を出した日・決まった日を並べて追う。表計算で三列足すだけで足ります。月で割るのをやめた瞬間に、率は実態に近づきますポイント:率は月ではなく、案件の流れで数える
三段階のうち、まず一段階だけ測る
全部を一度に測ろうとすると、集計の手間で止まります。最初は①だけでいい。問い合わせ件数と、見積提出件数。この二つはたいてい日報や受付簿から出ます。一段階が動きはじめてから、次を足す。三段階そろえるのは半年後で構いません。ポイント:測るのは、まず一段階だけでいい
見積を出さなかった案件を、必ず数える
見積を出した案件は記録に残ります。出さなかった案件は、どこにも残りません。ここが最大の盲点です。断った、条件が合わなかった、対応しきれず流れた、忘れた。理由を一語で添えて、一行だけ残す。この一行がないと、①は永遠に測れません。ポイント:記録に残らない案件こそ、数える価値がある
段階ごとに、責任者を一人ずつ決める
①は初動なので受付と手配の担当、②は見積の中身なので積算、③は条件交渉なので営業や経営。段階が分かれると、改善の担当も分かれます。全部を営業の責任にしている限り、営業は自分の裁量外の問題まで背負うことになり、結局は動けません。ポイント:段階を分けると、責任も分けられる

4.やってみて分かること

私たちBEYONDは、外から助言するコンサルではなく、中小企業同士が連合して複数の実業を回している当事者です。見積を出す商売も、受ける商売も中にあります。

実感として、受注率という一語は便利すぎて危ないと思っています。一つの数字にまとめた瞬間、原因の議論ができなくなる。そして原因が分からない会議は、必ず『もっと頑張る』に着地します。

そして、これまで見てきた範囲では、落ちているのは③ではなく①であることが多い。値引きや提案力の話をする前に、初動の速さを測るほうが早く効きます。しかも初動は、営業ではなく仕組みで直せます。返信の担当を決める、テンプレートを用意する、不在時の代理を決める。それだけで動きます。

注意点を二つ。一つは、測りはじめると最初の数か月は数字が悪化して見えます。出さなかった案件を数えはじめるからで、実態が悪くなったわけではありません。ここで測るのをやめないでください。

もう一つ。率だけを目標にすると、取れそうな案件しか見積を出さなくなります。率は上がりますが、金額は減る。率と件数と金額の三つを、必ず並べて見てください

最初の一歩は、先月の問い合わせ件数と、見積提出件数を数えること。この二つの数字だけで、①は出ます。

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5.LENS は、分け方の設計から一緒に立つ

LENS(BEYOND PLAYBOOK)は、システムを入れて終わりではありません。BEYOND Holdings 自身が実業を回す当事者として、受注率の定義そろえ → 三段階の切り分け → 出さなかった案件の記録 → 段階ごとの責任者決めまでを、貴社の商流に合わせて一緒に整理します。狙うのは、落ちている場所が毎月見える状態です。

まずは無料の意思決定スピード診断で、数字が判断につながっているかを確かめてみてください。結果を見ながら、最初に測る一段階を一緒に決めましょう。

※本記事の会社の場面は、中小企業でよくある状況をもとに構成した想定事例であり、特定の企業を指すものではありません。受注率の定義や集計方法は、業種・商流・案件の期間によって適切な形が異なります。本文中の手順は一般的な整理であり、成果を保証するものではありません。