従業員30名ほどの製造業(想定事例)。もともとは期初に年度予算を組み、月次で予算と実績の差を報告する形でした。前提が期中に壊れるという反省から、四半期ごとに着地見込みを置き直す運用に切り替えます。
半年後。上期の着地は、6月に置き直した見込みに対して売上はマイナス、原価はプラス。会議では『環境が想定以上に厳しかった』という説明が出て、その場は収まりました。そして翌四半期も、同じ形でずれます。
ここで効いていなかったのは、頻度ではありません。置き直した見込みが、あとで検証されていなかったことです。新しい見込みが古い見込みを上書きしていくので、自分たちがどちら向きに、どれくらい外すのかを誰も知らないまま次を作り続けていました。
見込みのずれは、ランダムには出ません。多くの会社で、次の三つが毎回同じ向きに効きます。
一つ目は売上の楽観。相談段階の引き合いを、取れる前提で見込みに入れてしまう。悪意ではなく、営業の立場からは『取りにいく』と言うほうが自然だからです。
二つ目は原価の据え置き。上がっている実感はあるのに、根拠のある新単価がまだ出ていないので、前年並みのまま置く。実感と数字のあいだに時差が生まれます。
三つ目は期末の仮置き。目標に届かせるために、期末の月へ根拠の薄い数字が寄せられる。誰も嘘はついていないのに、合計だけが届いてしまう。
重要なのは、三つとも方向が一定だということです。方向が一定なら、それは欠陥ではなく特性で、測れば補正できます。
私たちBEYONDは、外から助言するコンサルではなく、中小企業同士が連合して複数の実業を回している当事者です。自分たちで見込みを作ってきて分かったのは、予測は当てる競技ではないということでした。
大事なのは精度そのものより、外れ方が安定しているかどうかです。外れ方が安定していれば、見込みの数字をそのまま資金繰りや採用の判断に使えます。安定していなければ、資料が出てきても社長が『で、本当のところはどうなんだ』と聞き直すことになり、資料を作った時間がまるごと無駄になります。
もう一つ。癖を測ることを、担当者を責める材料にしないと最初に宣言してください。符号がそろうのは正直さの問題ではなく、情報の入り方の問題です。失注は最後まで報告しにくい、値上げの通知が経理まで回る経路がない、現場の残業増が翌月まで数字に出ない。直すのは人ではなく、情報が入る経路と、補正の仕組みのほうです。
まずやることは一つだけで構いません。いま持っている着地見込みを、日付を付けて一部保存する。三か月後にそれを開いて、実績との差を率と符号で書き出す。二回それを繰り返した時点で、自社の癖はもう見えています。
数字の粒度・鮮度・共有・判断への接続の4観点から、意思決定が遅れる原因をレーダーで特定します。登録不要・その場で結果。
▶ 意思決定スピード診断をはじめる 無料で相談するLENS(BEYOND PLAYBOOK)は、システムを入れて終わりではありません。BEYOND Holdings 自身が実業を回す当事者として、見込みの版管理 → 誤差の率と方向の集計 → 確度3層の実現率づくり → 更新項目の絞り込みまでを、貴社の数字の作り方に合わせて一緒に整理します。狙うのは、そのまま判断に使える見込みです。
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※本記事の会社の場面は、中小企業でよくある状況をもとに構成した想定事例であり、特定の企業を指すものではありません。案件の確度区分や実現率の置き方は業種・取引条件によって適切な形が異なります。本文中の手順は一般的な整理であり、成果を保証するものではありません。実現率や補正の数値は、他社の相場ではなく自社の実績にもとづいて設定してください。