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#数字・見える化#業務効率化#意思決定
Management Column · 2026.08.21

1か月だけ、15分単位で
測ってみた(想定事例)

受注は増えているのに、利益が減っている。
中小企業でよく起きる現象です。原因を探すと、たいてい同じ場所に行き当たります。案件ごとに何時間かかっているかを、誰も知らない
原価計算をしていないわけではありません。材料費も外注費も帳簿にあります。足りないのは自社の人が使った時間だけ。ところがこれが、いちばん大きい費用であることも多い。
工数管理というと身構えますが、必要なのは15分単位のざっくりした記録を、1か月続けることだけです。以下は想定事例です。

1.【before】受注は増えたのに、利益が減った

従業員22名の印刷・制作会社。前期は受注件数が2割増えました。ところが決算を締めると、営業利益は前期より減っていた。社長には心当たりがありませんでした。値引きをした記憶もなく、大きな失注もない。

経理に聞くと、材料費と外注費は売上に比例して増えているだけ。説明のつかない差が、人件費のところに埋もれているように見えました。ただ、それ以上は追えません。誰がどの案件に何時間使ったかという記録が、どこにもなかったからです。

現場に聞くと、返ってきたのは『去年より確実に忙しい』という感覚だけ。忙しさの中身が分からないので、打ち手が決められない。

材料費は帳簿にあるのに、いちばん大きい費用だけ記録がない

2.測ってみたら、正体は小口の案件だった

社長は、1か月だけ測ることにしました。専用のシステムは入れず、共有の表計算に日付・氏名・案件名・作業内容・時間の5列を用意しただけです。

1か月分が集まると、はっきりした傾向が出ました。金額の小さい案件ほど、単価あたりの時間が大きくかかっていた。修正の往復、細かい確認、急ぎの差し込み。1件あたりの金額が小さいので気にしていなかったものが、件数が増えたぶんだけ時間を食っていました。

受注件数が2割増えたのは、まさにこの層でした。売上は増え、時間はもっと増え、利益は減った。決算書からは絶対に見えなかった構造が、1か月の記録で見えたことになります。

3.精度を上げようとすると、必ず続かなくなる

この会社が成功した理由は、実はやり方の丁寧さではありません。丁寧にしなかったことです。

工数管理が挫折する原因は、ほぼ例外なく細かすぎる設計にあります。分単位で記録させる、作業種別を20個に分ける、リアルタイムで入力させる。始めた週は全員がやりますが、繁忙期に入った瞬間に止まり、二度と再開しません。

必要な精度は、判断に足りるだけです。この案件が儲かっているかどうかを見るのに、5分の誤差は関係ありません。15分単位で、記憶を頼りに一日の終わりに書く。それで十分に判断できます

4.1か月続けるための、四つの決めごと

単位は15分。1分単位にしない
細かくすると、記録そのものが仕事になります。15分単位なら、一日の終わりに思い出して書ける。多少ずれても、月単位で見れば傾向は正しく出ます。正確な記録が3日で止まるより、粗い記録が1か月続くほうが、判断材料としては圧倒的に上ですポイント:粗くても続くほうが、正確でも止まるより強い
分類は、案件名と作業種別だけ。種別は5つまで
作業種別を細かく分けると、どれに入れるか迷う時間が発生します。制作・打合せ・修正・移動・その他くらいで十分。迷わずに書けることが、続く条件です。足りなければ、2か月目に増やせばいい。ポイント:迷う分類は、記録を止める最大の原因
書くのは本人。その日のうちに
上長がまとめて推測で埋めると、数字は現実から離れます。本人が、その日のうちに書く。翌日になると精度が落ち、週末にまとめると完全な作文になります。1日3分の作業として設計するのが現実的ですポイント:翌日に持ち越した記録は、記録ではなくなる
最初の1か月は評価に使わないと、先に宣言する
ここが最も重要です。記録が評価に使われると分かった瞬間、数字は作られたものに変わります。時間がかかった案件を短く書く、あるいはその逆。最初の1か月は会社の原価を知るためだけに使うと明言する。信用を先に渡さないと、正しい数字は集まりません。ポイント:評価に使うと宣言した時点で、数字は死ぬ

5.実業の当事者として言えること

私たちBEYONDは、外から助言するコンサルではなく、中小企業同士が連合して複数の実業を回している当事者です。時間の記録は、グループ各社でも何度か失敗しています。失敗した時は決まって、最初から立派な仕組みを入れようとした時でした。

うまくいったのは、表計算に5列だけ用意して、1か月と期限を切ったやり方です。期限があると、現場は協力してくれます。ずっと続く新しい業務だと思われると、始まる前から抵抗が生まれる。1か月なら、たいていの現場は付き合ってくれます。

そして1か月後、結果を全員に見せる。ここまでやると、多くの場合現場のほうから続けようと言い出します。自分たちが薄々感じていた『あの案件は割に合わない』が、数字として出てくるからです。感覚が裏付けられると、記録は自分たちの武器になります。

測って分かるのは原価だけではありません。どの仕事を断るべきかが分かるようになります。今回の会社は、この後に小口案件の受注ルールを見直しました。全部やめたわけではなく、最低金額と修正回数の上限を決めただけです。それでも利益は戻りました。判断の材料さえあれば、打ち手は難しくありません。

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6.LENS は、続く形の記録から一緒に立つ

LENS(BEYOND PLAYBOOK)は、システムを導入して終わりではありません。BEYOND Holdings 自身が実業を回す当事者として、記録する項目の絞り込み → 1か月の運用設計 → 集計と読み方 → 受注ルールへの反映までを、貴社の現場に合わせて一緒に進めます。狙うのは、案件を受ける前に採算が読める状態です。

まずは無料の意思決定スピード診断で、数字が判断につながっているかを確かめてみてください。結果を見ながら、最初の1か月の測り方を一緒に決めましょう。

※本文中の会社・人物・数値は、よくある状況をもとに構成した想定事例です。特定の企業を指すものではありません。手順は、BEYOND Holdings が複数の実業を運営する中で用いている一般的な整理であり、成果を保証するものではありません。