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#ブランディング#差別化#集客・新規
Branding Column · 2026.07.02

お客様の声、集め方を
間違えると違反になる時代

「お客様の声を、もっとホームページに載せたい」。ある内装工事の会社が、そう考えて動き出しました。ところが最初にやろうとしたのが「口コミを書いてくれたら次回割引」。──いまこれは、景品表示法違反(ステマ規制)になりかねません。お客様の声は最強の武器。だからこそ、集め方と見せ方を正しく設計する必要があります。想定事例で追ってみます。

1.before ── 「割引と引き換えに口コミを」

その会社(仮に「A工務店」とします。想定事例です)は、腕は確かなのに知名度がなく、新規は紹介頼み。社長は「実際のお客様の満足を見せれば選ばれるはず」と考え、施工後のお客様に「Googleに★5の口コミを書いてくれたら、次回5,000円引き」と声をかけ始めました。狙いは善意です。でも、これはいま危ない。

2023年10月から、景品表示法のステルスマーケティング規制が施行されています。事業者が対価を渡して書かせた口コミを、消費者が「事業者の関与」と分からない形で出せば違反。実際に2025年3月、ある事業者が口コミ投稿の見返りに料金を割り引いていた行為でステマと認定され、措置命令を受けました。責任を問われるのは投稿した個人ではなく、依頼した事業者側です。良かれと思った施策が、会社の信頼を一発で崩しかねません。

2.turn ── 「集める仕組み」を作り直した

A工務店は方針を切り替えました。対価で買うのをやめ、「自然な声が集まる導線」を作ることにしたのです。やったことはシンプルでした。

引き渡しの「満足のピーク」で依頼する
完工して喜んでもらえたその場で、対価なしに「もしよければ感想を一言」とお願いする。満足が最高潮の瞬間なら、見返りがなくても人は書いてくれる。タイミングを外すと、良い声ほど埋もれる
質問を用意して「書く負担」を消す
「依頼前の不安は?」「決め手は?」「どう変わった?」の3問だけ渡す。白紙で『ご自由に』と言うより、はるかに具体的で使える声が集まる。お客様は書くのが面倒なのではなく、何を書けばいいか分からないだけ
掲載の許可と表記を必ず取る
「サイトに載せてよいか」「お名前は実名か仮名か」を確認。対価を伴う紹介をもし行う場合は『PR』『提供』と明示する。透明であることが、そのまま信頼になる許可取りは面倒でなく、後々の安心そのもの

3.learn ── 「見せ方」で信頼は何倍にもなる

声が集まったら、次は見せ方です。A工務店が効果を実感したのは、『★5です』より『依頼前の不安→結果』のストーリーを載せたとき。人は評価の数字より、自分と同じ悩みの人がどう救われたかに反応します。

「悩み→決め手→結果」の3点セットで見せる
同じ不安を抱える見込み客が、自分を重ねられる。星の数より説得力がある。写真や具体的な数字が添えられればなお良い。抽象的な『満足です』は、誰の心も動かさない
声を「客層別」に並べて自分ごと化させる
戸建て/店舗/オフィスなど、客層ごとに声をまとめると、見た人が「自分の場合」を探せる。声は"数"より"当てはまり"で効く。全部ごちゃ混ぜだと、結局どれも刺さらない
お客様の声は、買うものではなく育てるもの
正しく集めた声だけが、長く効く。

4.自社に置き換えるなら

お客様の声は、広告費をかけずに「選ばれる理由」を証明できる、中小企業にとって最も費用対効果の高い資産です。ただし、集め方を誤れば法令違反にも、逆に信頼失墜にもなる。対価で買わず、満足のピークで、負担を減らして、許可を取って集める。そして星の数でなくストーリーで見せる。この設計が、そのまま他社との差になります。

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