従業員26名の金属加工会社。創業以来、大手メーカーの二次下請けとして部品を作ってきました。技術は評価されており、担当者との関係も良好です。ただ売上の約7割がその1社で、単価改定の話は毎年こちらが受ける側でした。
社長には危機感がありました。相手の生産計画が変われば、こちらの来期が変わる。自社の努力とは無関係のところで、売上が上下する。この構造をどうにかしたい。
そこで、まず取り組んだのが営業でした。展示会で名刺を集め、同じ業界のメーカーに片端から声をかけたのです。
数か月後、元請けの担当者から遠回しに話がありました。『御社、◯◯さんにも出入りされてるんですね』。悪意のある言い方ではありませんが、意味は明確でした。
この会社が声をかけていた先の中に、元請けの競合が含まれていたのです。契約上の問題はありませんでしたが、信頼の面では別です。以降、新規の引き合いが目に見えて減りました。
ここで起きたことは、教訓として明確です。下請けから抜けるという言葉を、既存の商流の中で客を奪うことだと解釈すると、必ず摩擦が起きます。しかも同じ業界で戦うなら、価格も品質も比較され、結局は下請けと同じ土俵です。抜けたことになりません。
やり直しにあたって、社長は考え方を変えました。元請けの商流に触れない場所はどこか。
探すと、意外に近いところにありました。1個や2個の少量注文、図面のない修理や改造、急ぎの一品もの。これらは元請けが受けない仕事です。ロットが小さすぎて、大手の管理コストに合わないからです。
そして重要なのは、その仕事を必要としている人は確実にいるということでした。地元の設備業者、研究機関、小さな製造業。どこに頼めばいいか分からず困っている。元請けが捨てている領域が、そのまま直販の入口になりました。
私たちBEYONDは、外から助言するコンサルではなく、中小企業同士が連合して複数の実業を回している当事者です。連合の中にも、受託中心の会社と直販中心の会社の両方があります。
その両方を見ていて思うのは、下請けであること自体は、まったく悪いことではないということです。安定した受注、営業コストの低さ、技術に集中できる環境。これは実際に価値があります。問題は下請けという形ではなく、一社に依存していることのほうです。
だから目指すべきは、下請けをやめることではありません。元請けとの仕事は続けたまま、別の柱を細くていいから立てること。売上比率でいえば、70%が60%になるだけで交渉の空気が変わります。断れる選択肢を持っているかどうかは、相手にも伝わります。
そして時間はかかります。直販の1件目が出るまでに半年、売上として意味のある規模になるまでに2〜3年。だからこそ、今の仕事が順調なうちに始める。元請けの受注が減ってから慌てて動くと、選択肢がない状態で価格を決めることになります。余裕があるうちにしか、抜ける準備はできません。
強みの特定・言語化・伝達・一貫性の4観点から、選ばれる理由が届いているかをレーダーで特定します。登録不要・その場で結果。
▶ 差別化診断をはじめる 無料で相談するMAGNET(BEYOND PLAYBOOK)は、営業を代行する立場ではありません。BEYOND Holdings 自身が実業を回す当事者として、元請けと重ならない領域の特定 → 自社名義の商品化 → 最初の数件の取り方 → 依存度指標の運用までを、貴社の技術と商流に合わせて一緒に整理します。狙うのは、関係を壊さずに柱を増やすことです。
まずは無料の差別化診断で、選ばれる理由が自社の言葉になっているかを確かめてみてください。結果を見ながら、最初の入口を一緒に決めましょう。
※本文中の会社・人物・数値は、よくある状況をもとに構成した想定事例です。特定の企業を指すものではありません。取引先との契約内容によっては直接取引に制限がある場合があります。実際の検討にあたっては契約書の確認を行ってください。手順は一般的な整理であり、成果を保証するものではありません。