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#差別化#集客・新規#意思決定
Branding Column · 2026.08.24

元請けと縁を切らずに、
直販の入口を1つだけ作った(想定事例)

売上の7割が1社。単価は毎年少しずつ削られ、来期の見通しは相手の都合で決まる。
この構造から抜けたいと考える中小企業は多いのですが、最初の一手を間違えると、抜けるどころか今の仕事まで失います
典型的な失敗は、元請けと同じ客に営業をかけること。気持ちは分かりますが、これは最短で関係を壊す方法です。抜けるというのは、元請けを切ることではありません。元請けが扱わない領域に、自社の名前で入口を一つ作ることです。以下は想定事例です。

1.【before】売上の7割が1社、単価は毎年削られる

従業員26名の金属加工会社。創業以来、大手メーカーの二次下請けとして部品を作ってきました。技術は評価されており、担当者との関係も良好です。ただ売上の約7割がその1社で、単価改定の話は毎年こちらが受ける側でした。

社長には危機感がありました。相手の生産計画が変われば、こちらの来期が変わる。自社の努力とは無関係のところで、売上が上下する。この構造をどうにかしたい。

そこで、まず取り組んだのが営業でした。展示会で名刺を集め、同じ業界のメーカーに片端から声をかけたのです。

同じ業界に営業をかけるのは、元請けの目の前で釣りをするのと同じ。

2.最初の一手で、関係が冷えた

数か月後、元請けの担当者から遠回しに話がありました。『御社、◯◯さんにも出入りされてるんですね』。悪意のある言い方ではありませんが、意味は明確でした。

この会社が声をかけていた先の中に、元請けの競合が含まれていたのです。契約上の問題はありませんでしたが、信頼の面では別です。以降、新規の引き合いが目に見えて減りました。

ここで起きたことは、教訓として明確です。下請けから抜けるという言葉を、既存の商流の中で客を奪うことだと解釈すると、必ず摩擦が起きます。しかも同じ業界で戦うなら、価格も品質も比較され、結局は下請けと同じ土俵です。抜けたことになりません。

3.抜けるとは、元請けが扱わない領域に出ること

やり直しにあたって、社長は考え方を変えました。元請けの商流に触れない場所はどこか

探すと、意外に近いところにありました。1個や2個の少量注文、図面のない修理や改造、急ぎの一品もの。これらは元請けが受けない仕事です。ロットが小さすぎて、大手の管理コストに合わないからです。

そして重要なのは、その仕事を必要としている人は確実にいるということでした。地元の設備業者、研究機関、小さな製造業。どこに頼めばいいか分からず困っている。元請けが捨てている領域が、そのまま直販の入口になりました。

4.入口を一つ作る、四つの手順

元請けが嫌がる条件を、そのまま自社の商品にする
小ロット、短納期、図面なし、一品もの。大手が受けない理由は、規模が合わないからであって、技術がないからではありません。中小企業はここで勝てます。元請けの領域と重ならないので、関係が悪化しない。この一点が、他のどの条件より重要です。ポイント:重ならない場所を選べば、摩擦は起きない
最初の客は、既存の人間関係の周辺から探す
いきなり広告を打つ必要はありません。同業の知人、取引のある商社、地元の設備業者。『こういう小口の仕事も受けます』と伝えるだけで最初の数件は出てきます。元請けの顧客リストには絶対に手を出さない。ここを守れば、後ろめたさなく動けます。ポイント:最初の数件は、広告ではなく口伝えで足りる
自社の名前が出る仕事を、1件作る
下請けの仕事は、成果物に自社の名前が残りません。直販の1件目は、写真を撮り、事例として自社サイトに載せる。守秘の問題がない仕事を選ぶのがコツです。名前の出た事例が1件あるかどうかで、次の問い合わせの入り方が変わりますポイント:名前が残る仕事を、意識して1件作る
上位1社比率を、毎月測る
抜けられたかどうかを感覚で判断しないための指標です。売上に占める上位1社の比率を、毎月1行だけ記録する。70%が65%になるのに何年かかるかも見えます。数字にしないと、忙しさに紛れて元の構造に戻りますポイント:依存度は感覚ではなく、毎月1行で測る

5.実業の当事者として言えること

私たちBEYONDは、外から助言するコンサルではなく、中小企業同士が連合して複数の実業を回している当事者です。連合の中にも、受託中心の会社と直販中心の会社の両方があります。

その両方を見ていて思うのは、下請けであること自体は、まったく悪いことではないということです。安定した受注、営業コストの低さ、技術に集中できる環境。これは実際に価値があります。問題は下請けという形ではなく、一社に依存していることのほうです。

だから目指すべきは、下請けをやめることではありません。元請けとの仕事は続けたまま、別の柱を細くていいから立てること。売上比率でいえば、70%が60%になるだけで交渉の空気が変わります。断れる選択肢を持っているかどうかは、相手にも伝わります

そして時間はかかります。直販の1件目が出るまでに半年、売上として意味のある規模になるまでに2〜3年。だからこそ、今の仕事が順調なうちに始める。元請けの受注が減ってから慌てて動くと、選択肢がない状態で価格を決めることになります。余裕があるうちにしか、抜ける準備はできません

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6.MAGNET は、入口の設計から一緒に立つ

MAGNET(BEYOND PLAYBOOK)は、営業を代行する立場ではありません。BEYOND Holdings 自身が実業を回す当事者として、元請けと重ならない領域の特定 → 自社名義の商品化 → 最初の数件の取り方 → 依存度指標の運用までを、貴社の技術と商流に合わせて一緒に整理します。狙うのは、関係を壊さずに柱を増やすことです。

まずは無料の差別化診断で、選ばれる理由が自社の言葉になっているかを確かめてみてください。結果を見ながら、最初の入口を一緒に決めましょう。

※本文中の会社・人物・数値は、よくある状況をもとに構成した想定事例です。特定の企業を指すものではありません。取引先との契約内容によっては直接取引に制限がある場合があります。実際の検討にあたっては契約書の確認を行ってください。手順は一般的な整理であり、成果を保証するものではありません。