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#差別化#集客・新規#意思決定
Branding Column · 2026.08.06

移動が高くつく時代のエリア戦略
── 商圏を狭めるほど利益率が上がる理由

政府は2026年3月31日、総合物流施策大綱(2026年度〜2030年度)を閣議決定しました。2030年度までを物流革新の集中改革期間と位置づけ、供給制約に対応するための物流効率化や商慣行の見直しを打ち出しています。背景にあるのは、いわゆる2024年問題と担い手不足。ここから読み取るべきことは一つです。運ぶことも、人が動くことも、もう安い前提では組めない。ところが多くの会社の営業地図は、いまも売上の大きい順に色が塗られています。移動が高くつく時代に見るべきなのは、売上ではなく密度です。

1.移動は『変動費』から『制約』に変わった

これまで移動や配送は、増やせばその分だけ払えばよいものでした。燃料代と人件費を足して、原価に乗せる。お金で解決できる変動費だったわけです。

いまはそうなりません。ドライバーも職人も営業も、募集して即座に増える前提が崩れています。大綱が集中改革期間という強い言葉を使っているのは、効率化しなければ運びきれないという認識があるからです。お金を払えば距離を埋められるのではなく、使える移動時間そのものに上限がある。これは変動費ではなく制約です。

制約がある資源は、広く薄く配るほど価値が下がります。商圏を広げるという判断は、限られた移動時間を薄く伸ばす判断と同じ意味になりました。

移動時間に上限がある以上、商圏の広さはそのまま原価になる。

2.広い商圏の会社が、静かに失っている四つのもの

遠方の取引を続けている会社は、たいてい「せっかくの売上だから」と考えています。失っているものは請求書に出てこないので、気づきにくい。

一つ、売れない時間。片道90分の訪問は、往復で3時間を消します。同じ3時間で近場なら4件回れる。二つ、緊急対応の権利。すぐ行けない相手には、困ったときに真っ先に電話が来ません。値段以外で選ばれる最大の理由を、距離が奪います。三つ、紹介の連鎖。紹介は同じ地域・同じ業界の横のつながりで起きます。飛び地の1社は、次の1社を連れてきません。四つ、認知の反復。狭い範囲なら、社名入りの車が何度も目に入り、噂が重なります。広げた瞬間、どの地域でも「たまに見る会社」になります。

3.密度で利益を作る、四つの手順

地図を『売上』ではなく『1件あたり移動時間』で塗り直す
既存客を住所でプロットし、1件の訪問にかかる往復時間を書き込みます。売上順では見えなかった塊が現れます。多くの会社で、移動時間の合計の半分が、件数では2割の遠方客に使われているという形が出ます。まず現状を絵にすることが先です。ポイント:指標は売上高ではなく、1件あたりの往復時間
遠方は切らず、『対応条件』を距離で変える
遠方客をいきなり切ると売上が落ちます。変えるのは条件です。一定距離を超えたら最低ロットを設ける、訪問は月1回に固定して残りはオンライン、特急対応は対象外とする。条件を変えれば、残る相手は採算に乗り、離れる相手は自然に離れますポイント:断るのではなく、距離に応じた条件表を作る
浮いた時間を、値引きではなく訪問頻度に振り替える
移動時間が減っても、その分をただ空けると意味がありません。近場の既存客への訪問回数を増やす。用がなくても顔を出せる距離にいることが、そのまま参入障壁になります。密度は、頻度に変換してはじめて売上になりますポイント:空いた時間の行き先を、同じ会議で決めておく
紹介の仕掛けを、商圏の内側だけで回す
狭い商圏では、取引先どうしが顔見知りである確率が跳ね上がります。同じ地域の既存客どうしをつなぐ、地域の組合や商工会の集まりに出る、地元紙の地域面に載る。広い商圏では割に合わない施策が、狭い商圏では複利で効きますポイント:紹介の導線は、車で30分の内側に限定して設計する

4.実業の当事者として言えること

私たちBEYONDは、外から助言するコンサルではなく、中小企業同士が連合して複数の実業を回している当事者です。自分たちの現場でも、遠方の仕事を手放す判断は毎回もめます。理由はいつも同じで、失う売上は金額で見えるのに、取り戻す時間は金額で見えないからです。

だから決めるときは、必ず時間を金額に換算してから並べます。年間の往復時間の合計に、その時間で稼げたはずの粗利を掛ける。多くの場合、遠方1社の粗利より、その移動時間で回れた近場の複数社の粗利のほうが大きい。この計算を一度やると、社内の議論は驚くほど早く終わります

もう一つ。商圏を絞るのは、縮小ではありません。同じ人数で、同じ時間で、より多くの接点を作るための集中です。物流の制約は今後さらに強まります。距離を武器にできる会社は、これから地元にしかいません。広げるのをやめた瞬間に、その席が空いて見えるようになります。

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5.MAGNET は、勝てる商圏の線引きから一緒に決める

MAGNET(BEYOND PLAYBOOK)は、きれいなキャッチコピーを付けて終わりにはしません。BEYOND Holdings 自身が複数の実業を回す当事者として、既存客の地図化 → 移動時間の金額換算 → 距離別の対応条件づくり → 商圏内で回る紹介導線の設計までを、貴社の商売に合わせて一緒に進めます。狙うのは、この地域なら断然うちと言い切れる状態です。

まずは無料の差別化診断で、いま自社がどこで選ばれているかを確かめてみてください。結果を見ながら、最初に濃くする一つの商圏を一緒に決めましょう。

※背景データは、総合物流施策大綱(2026年度〜2030年度)が2026年3月31日に閣議決定され、2030年度までを物流革新の集中改革期間と位置づけ、サービスの供給制約に対応するための物流効率化や商慣行の見直しなど5つの観点から施策を位置付けていること=国土交通省・経済産業省ほかの公表を参照しました。本文中の進め方・数字は、よくある状況をもとにした一般的な整理です。