← MAGNETトップへ
#ブランディング#差別化#情報発信
Branding Column · 2026.08.30

覚えやすい名前より、
説明が要らない名前

サービス名は、独自性のある造語で、短く、覚えやすく。
ネーミングの定石とされる考え方ですが、中小企業がこの通りに決めると、営業の手間はむしろ増えます
理由は単純です。造語は、聞いた相手に何も伝えません。名乗るたびに『それは何ですか』が来る。説明に30秒かかるなら、年間の商談回数だけその時間が消えていきます。しかも社内でも呼び方が割れます
中小企業の名前に必要なのは、記憶されることではありません。聞いた瞬間に中身が分かることです。

1.造語が高くつく、三つの理由

一つ目、説明コストが永久に発生する。名前を聞いて中身が分からなければ、必ず補足が要ります。電話、メール、名刺交換、提案書の冒頭。1回30秒でも、営業活動の全期間にわたって払い続けるコストです。

二つ目、検索されない。困っている人が打ち込むのは、サービス名ではなく症状や用途です。造語は、すでに自社を知っている人しか検索できません。知られていない会社にとって、これは入口を自分で塞ぐことに近い。

三つ目、社内で呼び方が割れる。正式名称が長かったり読みにくかったりすると、現場は勝手に略します。営業は略称、経理は正式名称、社長は昔の呼び方。同じものを指しているのに、資料も会話もそろわなくなります。

名前で説明が要るなら、その説明を毎回買っているのと同じ。

2.大手の名前を参考にしてはいけない

ここが分岐点です。有名企業のサービス名は、たいてい造語です。それで成立しているのは、広告と時間で意味を後から詰め込んでいるからです。

意味のない言葉に意味を持たせる作業には、莫大な露出が要ります。中小企業がその戦い方を真似すると、意味が入らないまま名前だけが残ります。10年経っても『それは何ですか』と聞かれ続ける。

中小企業が取るべきは逆の戦略です。最初から意味が入っている言葉を使い、露出への投資をゼロにする。名前が説明を肩代わりしてくれるぶん、限られた営業時間を中身の話に使えます。

3.決める前に通す、四つのテスト

電話で名乗って、聞き返されないか
最も実務的なテストです。候補の名前を電話口で名乗る場面を想像し、相手が聞き返す確率を考える。カタカナの造語、英語のスペル、同音異義。聞き返されるたびに、商談の入口で相手の集中が切れます。読み方の説明が要る時点で、その名前は候補から外していい。ポイント:口頭で伝わらない名前は、営業の場で毎回削られる
名前だけで、誰向けか何をするかが伝わるか
『中小企業向け・◯◯を△△する』が名前から想像できるか。用途か対象、どちらかが入っているのが理想です。両方入れると長くなるので、より絞りにくいほうを名前に入れる。もう一方はキャッチコピーで補えます。ポイント:用途か対象、どちらかは名前に入れる
検索されそうな言葉が入っているか
困っている人が打ち込む言葉を3つ挙げ、そのうち一つでも名前に含まれているかを見る。含まれていれば、指名検索されなくても見つかる可能性が残ります。造語は指名検索でしか辿り着けません。知名度のない段階では、この差は決定的です。ポイント:指名検索に頼れるのは、すでに知られている会社だけ
社内が略さずに呼べる長さか
決める前に、現場の数人に3日間その名前で呼んでもらう。自然に略されたら、その略称のほうを正式名称にしたほうがいい。現場が使う呼び方が、結局は客に伝わる呼び方になります。決めた名前を守らせるより、使われる名前を採用するほうが早い。ポイント:略されるなら、略称を正式名称にする

4.実業の当事者として言えること

私たちBEYONDは、外から助言するコンサルではなく、中小企業同士が連合して複数の実業を回している当事者です。サービス名を決める場面には何度も立ち会ってきました。

振り返って思うのは、名前を決める会議は、たいてい社内の好みで決まっているということです。かっこいいかどうか、社長が気に入るかどうか。客が聞いたときにどう受け取るかは、意外と議論されません

効いたのは、候補を3つに絞ってから実際に客に電話で使ってみたことでした。反応は明確に分かれます。聞き返される名前と、そのまま話が続く名前がある。会議で何時間議論するより、5件の電話のほうが答えが出ます

そして、名前は後から変えられます。ここも見落とされがちです。看板を作り替える費用を心配して、分かりにくい名前を使い続けるより、早い段階で変えたほうが安い。変える費用は一度きり、説明する費用は毎回発生します

もちろん、造語が悪いわけではありません。すでに指名で呼ばれている会社なら、造語は資産になります。判断の基準は好みではなく、いま自社が説明コストを払える段階かどうかです。

60秒・無料診断

そのサービス名、電話で名乗って聞き返されませんか?

強みの特定・言語化・伝達・一貫性の4観点から、選ばれる理由が届いているかをレーダーで特定します。登録不要・その場で結果。

▶ 差別化診断をはじめる 無料で相談する

5.MAGNET は、名前の検証から一緒に立つ

MAGNET(BEYOND PLAYBOOK)は、ネーミングを納品する立場ではありません。BEYOND Holdings 自身が実業を回す当事者として、対象と用途の整理 → 候補の絞り込み → 口頭での検証 → 社内での呼ばれ方の確認までを、貴社の商材に合わせて一緒に進めます。狙うのは、説明しなくても伝わる名前です。

まずは無料の差別化診断で、選ばれる理由が届く形になっているかを確かめてみてください。結果を見ながら、名前の候補を一緒に検証しましょう。

※本文中の判断基準と手順は、BEYOND Holdings が複数の実業を運営する中で用いている一般的な整理です。商標の調査・登録可否については専門家にご確認ください。業種・商材により適した命名は異なり、成果を保証するものではありません。