一つ目。上の客層にも届きません。本当に高い価格帯を求めている人は、安いところを避けるための材料を探しています。価格が分からないと、その判断ができない。だから候補から外れます。高く見せたくて伏せた結果、高い客層からも選ばれなくなる。
二つ目。安さ目当ての問い合わせの比率が上がります。価格が書いていないなら聞いてみよう、という動機が最も強いのは、価格を判断基準にしている人だからです。伏せると母集団の質が下がります。
三つ目。社内でも位置づけが共有されません。価格帯を明示していない会社は、社員も『うちは高いほうなのか安いほうなのか』を説明できません。説明できないから、現場で判断がぶれ、値引きが出ます。
『10万円から』と書くことは、10万円未満の相手には向けていないと宣言することです。つまり、価格帯の表示は断りの表明でもあります。
だから、書ける会社と書けない会社に分かれます。書けないのは、価格の問題ではありません。誰に向けているかが決まっていないからです。価格帯を書けないことは、値付けの問題ではなく、位置づけの問題として扱ってください。
そして、価格帯を書くと同じ帯の会社と比べられるようになります。これは望ましいことです。書いていない現状では、まったく違う帯の会社と混ざったまま比較されている。比較の相手を選ぶ行為が、価格帯の表示です。
私たちBEYONDは、外から助言するコンサルではなく、中小企業同士が連合して複数の実業を回している当事者です。価格帯を明示している商売も、していない商売もあります。
明示した側で起きたのは、問い合わせ件数の減少と、商談化率の上昇でした。件数が減ることを怖がって踏み切れない会社は多いのですが、減るのは元々決まらなかった案件です。対応にかかっていた時間が丸ごと戻ってきます。
そして、社内への効き方が想像以上でした。営業が値引きの判断に迷わなくなります。下限が書いてあるので、その下は断る、で終わる。公開した価格帯は、社外への宣言であると同時に、社内への指示になります。
注意点を一つ。価格帯を上げる場合は、既存のお客様への説明が先です。サイトを先に変えると、自分が知らない場所で値上げされていたという形になります。順番だけで、受け取られ方がまったく変わります。
もう一つ。価格帯は一本化しなくて構いません。商品やサービスごとに帯が違うなら、そう書けばいい。無理に一つにまとめようとして、結局何も書けなくなる会社をよく見ます。商品別に三つ書くほうが、伝わります。
最初の一歩は、自社の下限価格を一つ決めて、その根拠を一行書いてみることです。根拠が書けなければ、その下限はまだ決まっていません。
強みの特定・言語化・伝達・一貫性の4観点から、選ばれる理由が届いているかをレーダーで特定します。登録不要・その場で結果。
▶ 差別化診断をはじめる 無料で相談するMAGNET(BEYOND PLAYBOOK)は、価格を決める立場ではありません。BEYOND Holdings 自身が実業を回す当事者として、下限の設定 → 根拠の一行化 → 同じ帯の会社との違いの整理 → 接点の洗い出しと同時変更までを、貴社の商売に合わせて一緒に進めます。狙うのは、どの帯の会社かが一目で分かる状態です。
まずは無料の差別化診断で、選ばれる理由が届いているかを確かめてみてください。結果を見ながら、最初に示す下限を一緒に決めましょう。
※本記事は価格帯の示し方と位置づけに関する一般的な整理であり、個別の価格設定について助言を行うものではありません。価格の表示にあたっては景品表示法をはじめとする関係法令に留意してください。価格の改定を行う場合は、既存の契約内容および取引先への説明の手順を確認し、必要に応じて専門家にご確認ください。本文中の手順は成果を保証するものではありません。