従業員28名の内装工事会社。技術には自信があり、リピートも多い。それでも新規の見積り勝負になると勝率が上がらず、社長は『価格でしか比べられていない』と感じていました。
ある日、営業に同行した社長は、客先でこう聞かれる場面に立ち会います。『御社に頼むと、他とどう違うんですか』。同行した社員の答えは、『しっかりやらせていただきます』でした。悪い答えではありません。ただ、何も伝わっていない。
社長は帰りの車で気づきます。自分なら3分は語れるこの話を、社員は一度も言葉にしたことがない。教えたことがなかったからです。
翌週、社長は営業と現場責任者の5人に同じ質問をしました。『なぜうちのお客様は、他社でなくうちに頼み続けているのか』。
返ってきたのは、『納期を守るから』『現場がきれいだから』『無理を聞くから』『社長を信頼しているから』『安いから』の5つ。ここで社長が驚いたのは、答えが割れたことではありません。『安いから』が出てきたことでした。値引きしている自覚のない会社で、現場の一人はそう認識していた。
つまりこの会社は、強みが無かったのではなく、社員ごとに違う説明を客先でしていたということです。5人の営業が5通りの理由を語れば、会社の輪郭は当然ぼやけます。ぼやけたものは、価格でしか比較できません。
多くの会社で、選ばれる理由は社長の頭の中にあります。それ自体は自然なことです。問題は接触回数の配分にあります。
客が社長に会うのは、初回か、大きな判断のときだけ。それ以外の数十回は、現場の社員が会っています。会社の印象は、この数十回のほうで形成されます。社長が語れる強みは、実務上ほとんど客に届いていないと考えたほうが正確です。
だから必要なのは、社長がもっと上手く語ることではありません。現場の全員が、同じ答えを自分の言葉で言えるようにすること。ここが揃った瞬間、同じ商品でも見え方が変わります。
私たちBEYONDは、外から助言するコンサルではなく、中小企業同士が連合して複数の実業を回している当事者です。自分たちの会社でも同じ質問をしたことがあり、やはり答えは割れました。
そのとき有効だったのは、立派なキャッチコピーを作ることではありませんでした。社員が実際に使っていた言い回しを、そのまま採用したことです。社長が考えた表現は、どれだけ整っていても現場の口に馴染みません。馴染まない言葉は、客先で出てこない。使われない言葉に価値はありません。
冒頭の会社は、5つの答えのうち『現場がきれいだから』を軸に据えました。実は受注できた案件の多くで、施主が最初に触れていたのがそこだったからです。以来、初回訪問で必ず既存現場の写真を見せるようにした。やったのは、すでに起きていたことを言葉にして、言う場面を決めただけです。新しい強みは一つも作っていません。強みは作るものではなく、社内から拾い上げて揃えるもの。ここを取り違えると、お金と時間だけがかかります。
強みの特定・言語化・伝達・一貫性の4観点から、選ばれる理由が社内で揃っているかをレーダーで特定します。登録不要・その場で結果。
▶ 差別化診断をはじめる 無料で相談するMAGNET(BEYOND PLAYBOOK)は、外から見た体裁を整える立場ではありません。BEYOND Holdings 自身が実業を回す当事者として、社員ヒアリングの設計 → 言葉の棚卸し → 受注実績での検証 → 使う場面の固定までを、貴社の現場に合わせて一緒に進めます。狙うのは、現場が客先で実際に口にする一文です。
まずは無料の差別化診断で、選ばれる理由が社内で揃っているかを確かめてみてください。結果を見ながら、聞く相手と質問を一緒に決めましょう。
※本文中の会社・人物・数値は、よくある状況をもとに構成した想定事例です。特定の企業を指すものではありません。手順は、BEYOND Holdings が複数の実業を運営する中で用いている一般的な整理であり、成果を保証するものではありません。