この会社のページは、よくできていました。数値は正確で、表は整理され、写真も入っている。制作会社の指示どおりに、必要な情報がすべて載っています。
問題は、同じことを競合もやっていることでした。仕様は事実なので、正確に書けば書くほど、各社の記述は似ていきます。正確さを競うと、区別がつかなくなるという逆説がここにあります。
そして買い手の側から見ると、仕様表は『条件を満たすかどうか』を確認するための道具です。条件を満たす会社が三つ並んだ時点で、仕様表は役目を終える。そこから先の判断材料が、どこにもありませんでした。
やったことは単純です。主力製品について、なぜその仕様を選んだのかを、担当者に聞いて書き起こしました。
出てきたのは、こういう話でした。板厚をあえて業界標準より厚くしている。理由は、この部品が使われる現場が屋外で、想定より過酷な使われ方をすることが分かったから。過去に薄い仕様で作って、数年後に問題が出た経験がある。だから今の厚さになっている。
この一段落が、仕様表の下に入りました。数値は何も変わっていません。変わったのは、その数値が誰かの判断の結果であると分かるようになったことだけです。
私たちBEYONDは、外から助言するコンサルではなく、中小企業同士が連合して複数の実業を回している当事者です。ものを作る会社も、売る会社も中にあります。
やってみて意外だったのは、この情報が社内にはすでにあったことです。作った人、直した人、クレームを受けた人。全員が理由を知っている。ただ、それを書く場所がなかっただけでした。仕様表には数値を書く欄しかないからです。
もう一つ。この作業を営業担当ではなく、作っている人に聞くのが要点です。営業に聞くと『丈夫です』『品質が高いです』という言葉が返ってきます。作っている人に聞くと、『昔これで失敗したから』という具体が出てきます。差別化になるのは後者です。
注意点を一つ。これを美談にしないでください。職人のこだわり、といった書き方をすると、読み手には自慢に見えます。書くのは、判断とその根拠です。過酷な現場だと分かったから厚くした。事実の連なりとして書けば、読み手が勝手に価値を見出します。
最初の一歩は、主力商品を一つ選び、作っている人に『なぜこの形なんですか』と聞くことです。三十分でいい。答えが出てこないなら、その商品はまだ選択をしていない、ということでもあります。
強みの特定・言語化・伝達・一貫性の4観点から、選ばれる理由が届いているかをレーダーで特定します。登録不要・その場で結果。
▶ 差別化診断をはじめる 無料で相談するMAGNET(BEYOND PLAYBOOK)は、キャッチコピーを納品する立場ではありません。BEYOND Holdings 自身が実業を回す当事者として、作り手への聞き取り → 捨てたものの整理 → 断る範囲の言語化 → 使われる場面の描写までを、貴社の商品に合わせて一緒に進めます。狙うのは、仕様の下に理由がある状態です。
まずは無料の差別化診断で、選ばれる理由が届いているかを確かめてみてください。結果を見ながら、最初に理由を書く商品を一緒に決めましょう。
※本記事の会社の場面は、中小企業でよくある状況をもとに構成した想定事例であり、特定の企業を指すものではありません。取引先とのやりとりや過去の事例を公開する際は、守秘義務および契約上の取扱いを確認し、必要に応じて相手方の了解を得てください。本文中の手順は一般的な整理であり、成果を保証するものではありません。