一つ目。基準がなくなります。売上を追わないなら、何をもって良い一年だったと判断するのか。答えを用意しないと、評価も投資判断も全部その場の感覚になります。物差しのない会社は、実は一番ぶれます。
二つ目。断る理由が説明できなくなります。大きな話が来たとき『うちはやらない』の根拠がない。社長の中には理由があっても、言葉になっていなければ、社員には機会損失にしか見えません。
三つ目。社員の先が見えなくなります。会社が大きくならないなら、ポストも増えません。ここに答えを用意しないまま方針だけ掲げると、先を考えられる人から順に抜けていきます。
つまり『規模を追わない』は、宣言ではなく設計が要ります。
候補はいくつもあります。一人あたりの利益。規模ではなく密度で見る考え方です。自己資本比率や無借金の維持。特定の顧客への依存度の上限。働く時間と休みの実績。技術や資格の保有者数。
どれを選んでも構いません。条件は三つです。数字であること。毎年測れること。全員が見られること。この三つを満たさないものは、物差しとして働きません。
そして最も大事なのは、売上目標を外すなら、空いた席を必ず埋めることです。埋めずに外すだけの会社は、数年で判断が鈍ります。良い年だったのか悪い年だったのかを、誰も答えられなくなるからです。
私たちBEYONDは、外から助言するコンサルではなく、中小企業同士が連合して複数の実業を回している当事者です。規模を追っている会社も、意識して追わない会社も中にあります。
並べて見て分かったのは、規模を追わない選択がうまくいっている会社には、必ず代わりの数字があるということでした。うまくいっていない会社は、単に売上を見るのをやめただけです。この二つは、外からは同じに見えて、中はまったく違います。
もう一つ。規模を追わない会社ほど、値決めの重要性が上がります。量で補えないからです。追わないと決めた瞬間から、単価の議論から逃げられなくなる。『うちは規模を追わない』と言いながら値上げの話を避けている会社は、実質的に何も選んでいません。
そして、これは一度決めたら変えられないものではありません。5年後に追う側へ回っても構いません。ただしその時も、なぜ方針を変えるのかを一文で書く。書いて残しておけば、次の判断のときに使えます。
最初の一歩は、『なぜ規模を追わないのか』を一文で書いてみることです。十分で書けるはずのことが書けないなら、まだ選択にはなっていません。
理念の言語化・共有・浸透・運用の4観点から、旗が判断の場面で使われているかをレーダーで特定します。登録不要・その場で結果。
▶ 経営理念・浸透度診断をはじめる 無料で相談するNORTH(BEYOND PLAYBOOK)は、方針書を納品する立場ではありません。BEYOND Holdings 自身が実業を回す当事者として、理由の一文化 → 代わりの指標の選定 → 断る基準の数値化 → 報い方の設計までを、貴社の事情に合わせて一緒に進めます。狙うのは、売上を追わなくても判断がぶれない状態です。
まずは無料の経営理念・浸透度診断で、旗が判断の場面で使われているかを確かめてみてください。結果を見ながら、代わりに置く三つの数字を一緒に選びましょう。
※本記事は経営方針の定め方に関する一般的な整理であり、個別の経営判断について助言を行うものではありません。賃金や処遇の見直しにあたっては、就業規則および労働関係法令との整合を確認し、社会保険労務士にご確認ください。取引条件の設定については関係法令に留意してください。本文中の手順は成果を保証するものではありません。