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#経営理念#意思決定#財務・資金繰り
Management Column · 2026.08.31

社長の平均年齢は60.8歳
── 10年後を、自分の年齢から逆算する

帝国データバンクが2026年2月に公表した全国社長年齢分析調査によると、2025年の社長の平均年齢は60.8歳1990年以降、35年連続の上昇です。
同調査では、事業承継における交代前の年齢が低下傾向にある一方で、60代後半と70代の割合は拡大しており、早期に承継へ動いた会社と動けない会社の二極化がうかがえるとされています。
この分岐は、3年の中期計画では見えません。設備の耐用年数も、借入の返済期間も、人が一人前になるまでの時間も、10年という単位で動くからです。

1.3年計画では、判断できないものがある

中期経営計画は3年で作るのが一般的です。数字の精度を保てる範囲としては妥当で、実務にも合っています。

ただ、3年の枠に収まらない判断があります。設備をいま更新するか、次の代に任せるか。借入を10年で組むか、5年で終わらせるか。いまの若手を幹部として育てるか、外から連れてくるか。どれも3年後には結論が出ませんが、決めるのは今です。

そして承継。後継者が決まっていても、引き継ぐ準備には数年かかります。決まっていなければ、探すところから数えることになる。3年計画を3回作っても、この判断には辿り着きません。時間軸が足りないからです。

3年で測れないものを、3年の計画で決めようとしている

2.起点は市場ではなく、自分の年齢

10年後を描くとき、多くの会社は市場や業界の予測から入ります。ところが中小企業の場合、もっと確実に分かっている変数があります。社長自身が10歳年を取るということです。

市場予測は外れますが、これは外れません。だから起点にできる。いまの年齢に10を足して、その年齢の自分が、この会社で何をしているかを書く。ここから始めると、話が急に具体的になります。

55歳なら65歳。まだ現場に立っているのか、判断だけしているのか、離れているのか。65歳の自分が現場に立っている前提なら、いまの働き方を10年続けられる体制が要る。離れている前提なら、その時点で判断できる人が育っている必要があり、逆算すると育成は今年から始まります

平均年齢が60.8歳という数字は、多くの社長にとって10年後は判断を渡している側にいる可能性が高いことを示しています。渡す準備は、渡す直前には始められません。

3.10年後から逆算する、四つの手順

自分の年齢に10を足して、そのときの役割を一行で書く
会社の姿ではなく、自分の役割から書きます。『現場は離れ、月に一度の判断だけ』『会長として外部との関係だけ持つ』『まだ社長を続けている』。どれが正解でもありません。決めることに意味があります。決まると、必要な準備が自動的に決まる。ポイント:会社の絵より先に、自分の立ち位置を決める
10年で入れ替わるものを、三つ書き出す
設備、人、取引先。この三つは10年で必ず入れ替わります。いまの主力設備は10年後に何年目か。いまの幹部は何歳か。売上上位の取引先は10年後も同じ担当者か。入れ替わる前提で書くと、いま手を打つべきものが浮かびますポイント:10年で入れ替わるものを、先に数える
借入の最終返済日を、カレンダーに並べる
10年の時間軸で最も具体的なのがこれです。いまの借入がいつ終わるか、次の設備投資はどのタイミングになるか。返済が終わる年と、投資が必要な年が重なっていないかを見る。承継のタイミングは、この返済カレンダーとほぼ連動しますポイント:10年の骨格は、返済スケジュールが決めている
10年の絵を、3年の計画に翻訳する
描いた10年後から逆算して、最初の3年でやることを決める。ここで初めて中期計画が意味を持ちます。10年の絵がないまま作る3年計画は、いまの延長線でしかありません。順番は、長いほうが先です。ポイント:中期計画は、長期の絵を翻訳したものにする

4.実業の当事者として言えること

私たちBEYONDは、外から助言するコンサルではなく、中小企業同士が連合して複数の実業を回している当事者です。連合には創業間もない会社も、50年を超える会社もあります。

見ていて明確なのは、10年の絵を持っている会社は、目先の判断が速いということです。設備を買うか迷ったとき、10年後の姿があれば『それは要る』『それは次の代の判断』と切り分けられる。絵がない会社は、同じ判断に何か月もかかります

そして、10年後の絵は当たらなくていい。10年前に描いた絵と現実が一致している会社は、まずありません。それでも描いた会社が有利なのは、ずれたときに、何がずれたかが分かるからです。基準がなければ、ずれていることにも気づけません。

もう一つ。10年の絵は、社員に見せたほうがいい。3年計画は数字なので社員には遠い話ですが、10年後の会社の姿は自分の話として聞けます。10年後、自分が何歳で、どういう仕事をしているか。ここが想像できる会社から、人は辞めません。

平均年齢が35年連続で上がり続けているという事実は、多くの会社が10年後の話を先送りしてきた結果でもあります。描くのに費用はかかりません。紙一枚と、年齢に10を足す計算だけです。

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5.NORTH は、逆算の作業から一緒に立つ

NORTH(BEYOND PLAYBOOK)は、計画書を納品する立場ではありません。BEYOND Holdings 自身が実業を回す当事者として、10年後の役割の言語化 → 入れ替わるものの棚卸し → 返済カレンダーとの突き合わせ → 3年計画への翻訳までを、貴社の状況に合わせて一緒に進めます。狙うのは、目先の判断が速くなる10年の絵です。

まずは無料の経営理念・浸透度診断で、旗が判断の場面で使われているかを確かめてみてください。結果を見ながら、10年後の一行を一緒に書きましょう。

※背景データは、株式会社帝国データバンクが2026年2月に公表した『全国「社長年齢」分析調査(2025年)』において、2025年の社長の平均年齢が60.8歳となり1990年以降35年連続で最高齢を更新したこと、事業承継における交代前年齢が低下傾向にある一方で60代後半および70代の割合が拡大していることを参照しました。社長の平均年齢は集計対象や算出方法により異なり、他機関の調査とは数値が一致しません。本文中の手順は一般的な整理であり、成果を保証するものではありません。