退職の申し出を受けたときの反応は、経営者の性格ではなく会社の設計で決まります。決めていなければ、その場の感情が出ます。
そして感情が出た会社では、共通のことが起きます。引き継ぎが雑になり、最終出社日が気まずくなり、その後の連絡が途絶える。本人は『あの会社は辞めるとき冷たかった』と周囲に話します。この評判は、採用市場で確実に効きます。特に地域の狭い業界では、数年単位で残ります。
逆に、円満に送り出した場合に得られるものは三つあります。取引先としての関係、人を紹介してくれる立場、そして本人が戻ってくる可能性。どれも採用コストをかけずに得られる資産です。
出戻りには、新規採用にない利点があります。教育がほぼ不要で、社内の人間関係も既にあり、本人も会社の実情を知っている。ミスマッチが構造的に起きにくい。
ただし、条件があります。辞めた理由が解消されているかどうかです。人間関係が理由なら、その相手がまだいる限り同じことが起きます。給与が理由なら、水準が変わっていなければ同じです。本人が外で経験を積んだからといって、辞めた原因が消えるわけではありません。
だから受け入れる際は、辞めた理由をもう一度確認するのが実務的です。ここを飛ばして『戻ってきてくれてありがとう』で始めると、短期間で二度目の退職になります。
私たちBEYONDは、外から助言するコンサルではなく、中小企業同士が連合して複数の実業を回している当事者です。人が辞める場面には、当然ながら何度も立ち会ってきました。
実感として言えるのは、辞めた人が最も正確に自社を語るということです。在籍中の社員は立場があるので、外では良いことを言います。ところが辞めた人は利害がないので、率直に話す。その率直な話が、次の応募者に届いています。求人票に何を書いても、この評判のほうが強い。
そして中小企業には、大企業にない有利さがあります。辞めた人の数が少ないので、一人ひとりと関係を保てる。何百人もの名簿を管理する仕組みは要りません。年に一度、思い出したときに連絡するだけで足りる規模です。
注意点も一つ。出戻りを受け入れる場合、既存社員への説明が要ります。条件面で優遇されたと見えると、残って頑張ってきた人の納得が失われる。何を評価して迎えたのかを言葉にする。これを省くと、一人を得て複数を失うことになります。
離職率が8.1%という数字は、裏を返せば人が動く前提で会社を設計すべきという意味です。辞めさせない努力と同じくらい、辞めた後をどうするかに手を入れる価値があります。
採用・受け入れ・育成・定着の4観点から、人が根づかない原因をレーダーで特定します。登録不要・その場で結果。
▶ 組織体力診断をはじめる 無料で相談するPACK(BEYOND PLAYBOOK)は、採用を代行する立場ではありません。BEYOND Holdings 自身が実業を回す当事者として、退職時の対応の型づくり → 引き継ぎルールの整備 → 再接点の設計 → 出戻り受け入れ時の説明までを、貴社の規模に合わせて一緒に組み立てます。狙うのは、辞めた人が資産として残る状態です。
まずは無料の組織体力診断で、人が根づかない原因がどこにあるかを確かめてみてください。結果を見ながら、次の退職に備えた型を一緒に決めましょう。
※背景データは、厚生労働省『令和7年上半期雇用動向調査』において、令和7年上半期の離職率が8.1%となり前年同期から0.3ポイント低下したことを参照しました。同調査の値は事業所規模5人以上の事業所を対象とした推計です。離職率は当該期間中の離職者数を期首の常用労働者数で除したものであり、他の調査における3年以内離職率等とは定義が異なります。本文中の手順は一般的な整理であり、成果を保証するものではありません。