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#定着・離職#採用#経営理念
Management Column · 2026.09.16

中小企業の後継者不在率51.2%、大企業は24.9%|親族を社内に入れるとき、社員の目に何が映るか

帝国データバンクの全国『後継者不在率』動向調査(2025年)によると、後継者不在率は企業規模別で中小企業51.2%、大企業24.9%中小企業の半数が、次を決められていません
だから親族を社内に入れるという判断は、いまも現実的な選択肢です。
問題は、入れることではありません。入れたあと、社員の目に何が映るかです。

1.承継の選択肢は、規模で大きく違う

大企業の不在率が24.9%にとどまるのは、選べる層が厚いからです。内部から登用する候補も、外部から招く道もある。一方、中小企業では母集団そのものが小さい。結果として親族という選択肢の比重が上がります

これは自然なことで、責められる話ではありません。問題はその後に起きます。社員から見ると、決まった人が入ってきた、という形になる

そして、このとき起きるのは反発ではありません。静かな距離です。意見を言わなくなる。提案が減る。判断を仰ぐ相手を選び始める。表面は平穏なので、経営側はしばらく気づきません

2.『身内でも同じ扱い』が、かえって不公平に見える

最もよく掲げられる方針が、これです。善意から出ているのですが、うまくいきません。理由が三つあります。

一つ目。誰も信じません。将来の社長候補と一般社員が同じ扱いであるはずがない、と全員が思っています。だから『同じです』と言うほど、本当のことを言っていない会社に見えます

二つ目。本人が動けなくなります。本当に同じ扱いなら、他の社員と同じ範囲の仕事しかできません。承継の準備は進まず、時間だけが過ぎます。

三つ目。基準が曖昧なまま運用されます。同じと言いながら実際の扱いは違うので、判断のたびに社内が空気を読み合う。この読み合いが、いちばん組織を疲れさせます

『身内でも同じ扱い』は、言うほど嘘に見える

3.先に決めて公開する、四つのこと

何が同じで、何が違うかを分けて書く
給与・評価・勤怠は同じ。担当する範囲と、出席する会議は違う。このように分けて書きます。分けて明示すると、違いは差別ではなく役割になります。曖昧に『同じです』と言うより、違う部分を認めるほうが納得されます。書き出すと、たいてい同じ部分のほうが多いことにも気づきます。ポイント:同じ部分と違う部分を、分けて明示する
入る理由と期間を、入社前に社員へ伝える
『将来の承継を前提に、○年かけて各部署を回る』。この一言を先に言うかどうかで、受け取られ方が変わります。曖昧にしておくほうが揉めます。先に言えば、社員は自分の立ち位置を計算できる。計算できない状態が続くことが、いちばん人を落ち着かなくさせます。ポイント:曖昧にするほど、憶測が働く
評価は、社長以外が行う
親族の評価を社長が直接やると、何をどう評価しても身内びいきに見えます。本人の実力とは無関係に、そう見える。評価者を離すだけで、見え方が変わります。社内に適任がいなければ、顧問や外部の第三者に入ってもらう形でも構いません。手間より効果のほうが大きい部分です。ポイント:評価者を離すだけで、見え方が変わる
昇格の条件を、数字と期間で先に書く
『○年後、○○の指標を達成したら』。条件を書いておくと、達成しなかったときに止められます。書いていないと、時間の経過だけで役職が上がっていく。社員が見ているのは、上がることではなく、上がる理由があるかどうかです。止められる形にしておくことが、本人のためにもなります。ポイント:条件を書くと、止めることもできる

4.実業の当事者として言えること

私たちBEYONDは、外から助言するコンサルではなく、中小企業同士が連合して複数の実業を回している当事者です。同族の会社も、そうでない会社も中にあります。

並べて見て分かったのは、親族の入社がうまくいっている会社は、必ず違いを認めているということでした。『同じです』と言い張る会社ほど、現場が疲れています。認めたうえで基準を示すほうが、隠して平等を演じるより納得されます

そして、いちばん苦しいのは本人です。何を提案しても『親族だから通った』、何かを指摘されれば『親族なのに』。この状況を作っているのは周囲ではなく、説明しなかった会社の側です。

もう一つ、見落とされがちな点があります。社員が本当に見ているのは、待遇ではなく失敗したときの扱いです。親族が失敗したとき、他の社員と同じように扱われるか。ここで差が出ると、それまでの説明が全部無効になります。逆に、ここで差がなければ、多少の待遇差は受け入れられます。

最初の一歩は、同じ部分と違う部分を、紙に二列で書いてみることです。書けない項目があれば、それがまだ決まっていない項目です。入社の前に決めてください。

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5.PACK は、線引きの明文化から一緒に立つ

PACK(BEYOND PLAYBOOK)は、人事制度を納品する立場ではありません。BEYOND Holdings 自身が実業を回す当事者として、同じ部分と違う部分の切り分け → 社員への伝え方 → 評価者の設計 → 昇格条件の数値化までを、貴社の事情に合わせて一緒に整理します。狙うのは、本人も社員も動きやすい状態です。

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※データに関する記述は、株式会社帝国データバンクが2025年11月に公表した全国『後継者不在率』動向調査(2025年)において、全国・全業種約27万社を対象とした調査で後継者不在率が50.1%であり、企業規模別では中小企業51.2%、大企業24.9%であったことを参照しました。同調査は同社の企業概要データベースにもとづくものであり、対象の定義により数値は異なります。本文中の手順は一般的な整理であり、成果を保証するものではありません。賃金・評価・労働条件の設定は労働関係法令および就業規則に沿って行い、個別の運用は社会保険労務士にご確認ください。