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#定着・離職#人材育成#数字・見える化
Management Column · 2026.08.01

4割超・全世代・7割が『続けたい』
── 静かな退職を若手のやる気の問題に
した瞬間、対策は外れる

2026年4月に公表された調査で、『静かな退職』をしていると自覚する正社員は4割を超え、前年から2.2ポイント増えました。最も高いのは20代の50.5%。ただし数字をよく見ると、30代49.1%・50代46.7%・40代42.3%と、どの世代も4割を超えています。さらに全年代の7割以上が『今後も続けたい』と答えている。——ここまで並ぶと、若者の意欲低下という読み方は、もう成立しません

1.世代の話にした瞬間、打ち手は的を外す

静かな退職という言葉は、たいてい若手とセットで語られます。やりがいを求めない、言われたことだけやる、出世に興味がない。そう整理すると経営者は安心できます。原因が自社の外(世代の気質)にあることになるからです。

ところが数字は、その安心を許してくれません。50代が46.7%で、40代の42.3%を上回っているのです。20年、30年と勤めてきた人たちが、若手と同じかそれ以上の割合で『決められた仕事を淡々とこなす』側に回っている。これを世代の価値観で説明することはできません。世代を貫いて同じことが起きているなら、原因は世代ではなく、その人たちが共通して置かれている場所——つまり職場の設計の側にあります。

もう一つ、対策を外させる思い込みがあります。『熱意を取り戻させれば元に戻る』という前提です。しかし7割以上が今後も続けたいと答え、約3割は働いている間ずっと続けたいと答えています。これは一時的な落ち込みではなく、本人にとって計算の合った、安定した選択です。表彰制度も、決起集会も、社長の熱いメッセージも、この選択の前ではほとんど効きません。

2.中小企業がいちばん遅れて気づく理由

ここからが、中小企業に固有の厄介さです。静かな退職は、離職率にまったく表れません。むしろ社内での見え方は逆で、その人は『文句を言わず、辞めず、頼んだ仕事はきちんと納める人』。定着率の高い、ありがたい社員として映ります。

大企業ならエンゲージメント調査で兆候を拾えますが、数十人規模の会社にその仕組みは普通ありません。だから気づくのは、たいていもっと後です。改善提案が誰からも出なくなったとき。若手が辞める理由を聞いても『特に不満はない』としか返ってこないとき。新しい取り組みを始めようとして、反対もされない代わりに誰も手を挙げないとき。そのときにはもう、その人が持っていたはずの気づきが、何年分も社外に出ないまま消えています

私たちBEYONDは9社を自分たちで回しています。業種も社員数もばらばらですが、共通して分かったことがあります。熱量は号令では上がらなかった。上がったのは、その人の仕事が誰の何につながったかが、本人に見えたときだけでした。

静かな退職は離職率に一度も表れない。だから中小企業は、いちばん遅れて気づく。

3.戻そうとせず、設計を直す三手

やるべきは、意欲を引き上げにいくことではありません。淡々と働くという選択が『合理的すぎる』状態を、ほどくことです。

『決められた仕事』の外側を、会社の側が言葉にする
静かな退職とは、職務範囲を正確に守る行為でもある。範囲の外に何を期待しているのかを一度も伝えていないのは、たいてい会社の側。等級表ではなく、その人一人に向けた『次に期待していること』を一枚で書いて渡す。一手:主要メンバー3名分だけ、期待を3行で書いてみる
手を挙げた人が損をしていないか、名前で辿る
静かな退職の多くは『一度手を挙げたら仕事だけ増えて、何も変わらなかった』経験から始まる。過去1年で提案・改善を出した人を名前で書き出し、その後どう扱われたかを確認する。ここに答えが埋まっていることが非常に多い。一手:直近1年の提案者を書き出し、その後の処遇を横に書く
全員に同じ熱量を求めない
静かな退職を悪と決めつけない。淡々と回してくれる人は、現場の安定装置でもある。分けるべきは『安定して回す役割』と『伸ばす役割』で、混ぜたまま全員に号令をかけると、両方の人が同時に離れていく。一手:メンバーを2群に分け、それぞれ別の言葉で期待を伝える

①外側を言葉にし、②手を挙げた人の扱いを点検し、③全員一律をやめる。静かな退職は、気質ではなく設計への合理的な反応です。設計が変われば、反応も変わります。

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4.PACK は、『見えない離職』を数字にするところから

PACK(BEYOND PLAYBOOK)は、静かな退職を精神論で扱いません。期待を一枚に落とし → 手を挙げた人の処遇を点検し → 役割を分けて別の言葉で伝えるところまで、離職率に出ない変化を掴める形で一緒に設計します。私たちは評論家ではなく、9社の現場で毎月一人ひとりと向き合っている実業集団です。号令だけで熱量が上がらなかった経験を、自分たちで払ってきました。

まずは無料の組織体力診断で、いまどこで貢献が見えなくなっているかを掴むところから。結果を見ながら、最初に言葉にする一人を一緒に決めましょう。

※本文の数値は、2026年4月に公表された株式会社マイナビ『正社員の静かな退職に関する調査2026年(2025年実績)』(静かな退職の自覚4割超・前年比2.2ポイント増、20代50.5%/30代49.1%/50代46.7%/40代42.3%、全年代の7割以上が今後も継続意向、うち約3割が働いている間はずっと継続したいと回答)を参照しています。