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#採用#人手不足#差別化
Organization Column · 2026.06.30

最低賃金1,121円時代、
なぜ中小の採用は空振りするのか

2025年度、最低賃金は全国加重平均で1,121円に上がりました。前年から66円という過去最大の上げ幅で、全都道府県が初めて1,000円を超えています。なのに人は採れない。同じ時給を出しても応募が来ない時代に入りました。2025年度の『人手不足』倒産は過去最多の442件。求人広告の本数を増やす前に、採用が空振りする原因を見たほうが、ずっと効きます。

1.『時給を上げれば採れる』が、もう効かない

採用がうまくいかない時、まず手が伸びるのが時給アップと求人媒体への追加出稿です。ところが今は、賃上げが全社一斉に起きている。最低賃金が過去最大の66円上がり、地方では国の『目安』を超えて引き上げた地域が39道府県に上りました。つまり、自社が時給を上げても、近隣も同じように上げている。相対的な魅力はほとんど変わらないのです。

その結果、人件費だけが先に重くなります。東京商工リサーチによれば、2025年度の『人手不足』倒産は過去最多の442件。中でも賃上げが資金繰りを圧迫した『人件費高騰』型が195件と前年から77%増、人が辞めて回らなくなった『従業員退職』型も108件に増えました。賃金で殴り合うほど、体力のない会社から倒れていく。お金以外の打ち手を持っているかが、ここで効いてきます。

2.空振りする3つの原因 ── 媒体ではなく中身

『応募が来ない』の正体は、ほぼ次の3つに集約されます。媒体を変える前に、ここを点検してください。

誰に来てほしいかが、ぼんやりしている
『若くて元気でやる気のある人』──これは誰にも刺さりません。年齢・経験・生活事情・転職理由まで具体化した『一人』を描けていないと、訴求の言葉も媒体も選べない。中小の採用は『広く薄く』ではなく『狭く濃く』が勝ち筋です。最初の一手:直近で採れた人・長く活躍している人を1人、紙に書き出す
条件は書いてあるが、働く理由が書いていない
給与・休日・勤務地だけの求人は、条件比較の土俵に乗るだけ。そこでは資本力のある会社に必ず負けます。『ここで働くと何が手に入るか』──任される範囲、覚えられる技術、社長との距離、職場の人柄。大手に出せない価値こそ中小の武器です。最初の一手:今いる社員に『なぜ辞めずに続けているか』を3人に聞く
来てほしい人がいない場所で募集している
求めるのは即戦力なのに、新卒向け媒体だけに出していないか。逆に、地元で長く働きたい人を狙うのに、全国型の大型媒体で埋もれていないか。経路は『ペルソナがいる場所』から逆算する。紹介・SNS・ハローワーク・地域媒体まで、合うものを選ぶ。最初の一手:①で描いた人が、ふだん何を見て仕事を探すかを書き出す
採用は『広告の本数』で決まらない。『誰に・何を・どこで』で決まる。

3.『即戦力しか採らない』が、自分の首を絞める

もう一つ、見落とされがちな落とし穴があります。フォーバルの調査では、人手不足のさなかにあって新卒採用は4割超の中小企業が『採用予定なし』と答え、多くが即戦力以外の採用に慎重になっていました。気持ちは分かります。育てる余裕がない、すぐ戦力が欲しい──。けれど即戦力は、どの会社も同じ条件で奪い合っている層です。最も競争が激しく、最も高くつく

採用がうまい中小企業ほど、視点を逆にしています。『今すぐできる人』ではなく『うちで伸びそうな人』を採り、育つ仕組みのほうに投資する。属人化を解いて未経験でも立ち上がる手順を整えておけば、母集団は一気に広がります。採用の問題は、しばしば採用の外(育成・定着の仕組み)で解けるのです。

4.自社ならどう動くか ── まず『一人』を描き直す

順番はシンプルです。①来てほしい一人を描く → ②その人に刺さる働く理由を1つ言語化する → ③その人がいる経路に絞って出す → ④応募と定着を測って直す。全部を一度に変えようとせず、まず①と②だけでも、求人の言葉は見違えます。BEYONDグループ自身も9社の現場で人を採り、育て、ときに辞められながら、この順番にたどり着きました。

賃上げの波は止まりません。だからこそ、お金以外で選ばれる理由を持つ会社が、人手不足の時代に生き残ります。求人の本数を増やす前に、『誰に・何を・どこで』を一度書き出す。それが、空振りを止める最初の一手です。

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5.PACK は、採れて・育って・辞めない組織まで伴走する

PACK(BEYOND PLAYBOOK)は、求人原稿を書いて終わりではありません。BEYONDグループ自身が複数の実業で人を採り続けてきた当事者として、採用ペルソナの設計 → 働く理由の言語化 → 経路の選定 → 育成・定着の仕組みづくりまで、貴社の現場で実際に回る形に一緒に作ります。賃金で殴り合わずに選ばれる会社へ──そこまで並走します。

まずは組織体力診断で、採用・定着・育成のどこが弱点かを掴むところから。結果を見ながら、最初に直す一点を一緒に決めましょう。

※背景データは、2025年度最低賃金の全国加重平均1,121円・過去最大66円の引上げ・全都道府県1,000円超え・目安超え39道府県=厚生労働省/各報道、2025年度の『人手不足』倒産442件(過去最多・人件費高騰195件/従業員退職108件)=東京商工リサーチ、新卒採用『採用予定なし』4割超=フォーバルの中小企業経営実態調査を参照しました。本記事の打ち手は一般的な考え方に基づくもので、個別の判断は自社の状況に合わせてご検討ください。