採用がうまくいかない時、まず手が伸びるのが時給アップと求人媒体への追加出稿です。ところが今は、賃上げが全社一斉に起きている。最低賃金が過去最大の66円上がり、地方では国の『目安』を超えて引き上げた地域が39道府県に上りました。つまり、自社が時給を上げても、近隣も同じように上げている。相対的な魅力はほとんど変わらないのです。
その結果、人件費だけが先に重くなります。東京商工リサーチによれば、2025年度の『人手不足』倒産は過去最多の442件。中でも賃上げが資金繰りを圧迫した『人件費高騰』型が195件と前年から77%増、人が辞めて回らなくなった『従業員退職』型も108件に増えました。賃金で殴り合うほど、体力のない会社から倒れていく。お金以外の打ち手を持っているかが、ここで効いてきます。
『応募が来ない』の正体は、ほぼ次の3つに集約されます。媒体を変える前に、ここを点検してください。
もう一つ、見落とされがちな落とし穴があります。フォーバルの調査では、人手不足のさなかにあって新卒採用は4割超の中小企業が『採用予定なし』と答え、多くが即戦力以外の採用に慎重になっていました。気持ちは分かります。育てる余裕がない、すぐ戦力が欲しい──。けれど即戦力は、どの会社も同じ条件で奪い合っている層です。最も競争が激しく、最も高くつく。
採用がうまい中小企業ほど、視点を逆にしています。『今すぐできる人』ではなく『うちで伸びそうな人』を採り、育つ仕組みのほうに投資する。属人化を解いて未経験でも立ち上がる手順を整えておけば、母集団は一気に広がります。採用の問題は、しばしば採用の外(育成・定着の仕組み)で解けるのです。
順番はシンプルです。①来てほしい一人を描く → ②その人に刺さる働く理由を1つ言語化する → ③その人がいる経路に絞って出す → ④応募と定着を測って直す。全部を一度に変えようとせず、まず①と②だけでも、求人の言葉は見違えます。BEYONDグループ自身も9社の現場で人を採り、育て、ときに辞められながら、この順番にたどり着きました。
賃上げの波は止まりません。だからこそ、お金以外で選ばれる理由を持つ会社が、人手不足の時代に生き残ります。求人の本数を増やす前に、『誰に・何を・どこで』を一度書き出す。それが、空振りを止める最初の一手です。
定着・属人化・採用・育成評価の4観点から、組織の弱点をレーダーで特定します。登録不要・その場で結果。
▶ 組織体力診断をはじめる 無料で相談するPACK(BEYOND PLAYBOOK)は、求人原稿を書いて終わりではありません。BEYONDグループ自身が複数の実業で人を採り続けてきた当事者として、採用ペルソナの設計 → 働く理由の言語化 → 経路の選定 → 育成・定着の仕組みづくりまで、貴社の現場で実際に回る形に一緒に作ります。賃金で殴り合わずに選ばれる会社へ──そこまで並走します。
まずは組織体力診断で、採用・定着・育成のどこが弱点かを掴むところから。結果を見ながら、最初に直す一点を一緒に決めましょう。
※背景データは、2025年度最低賃金の全国加重平均1,121円・過去最大66円の引上げ・全都道府県1,000円超え・目安超え39道府県=厚生労働省/各報道、2025年度の『人手不足』倒産442件(過去最多・人件費高騰195件/従業員退職108件)=東京商工リサーチ、新卒採用『採用予定なし』4割超=フォーバルの中小企業経営実態調査を参照しました。本記事の打ち手は一般的な考え方に基づくもので、個別の判断は自社の状況に合わせてご検討ください。