2025年度の最低賃金は全国加重平均で1,055円→1,121円(66円・過去最高の引き上げ幅)。全47都道府県で初めて時給1,000円を超えました。帝国データバンクによれば、2025年上半期の人手不足倒産は過去最多で、その77.0%が従業員10人未満の小規模企業です。人件費は底上げされ続け、しかも人は採れない。
こうなると、多くの社長が反射的に「うちも給料を上げて、辞められないようにしよう」と考えます。もちろん相場を割った賃金は論外です。けれど、体力で勝る大手と賃上げで殴り合えば、中小企業はまず消耗します。しかも──お金を上げても辞める人は辞める。データはそれをはっきり示しています。
各種調査で繰り返し出てくる本音の退職理由は、1位「人間関係」、2位「給与・待遇」、3位「キャリアの停滞」。さらに見逃せないのが、退職者の約半数が会社に本当の理由を伝えていないという事実です。理由は「話しても理解してもらえないと思った」から。つまり社長が聞いている退職理由(「キャリアチェンジ」など前向きな建前)は、本音とズレている可能性が高い。
中小企業に絞ると「給与が低い」が上位に来ますが、その中身を分解すると、金額そのものより「評価の不透明さ」が不満の正体であることが多い。同じ給料でも、なぜその額なのかが納得できれば人は留まり、説明されなければ「軽く扱われている」と感じて去る。給与不満は、しばしば"納得感の不満"の仮面をかぶっています。
BEYONDグループ自身も9社の現場で人の出入りに向き合ってきました。そこで効いたのは、派手な制度ではなく「納得感を見える化する」地味な一手です。順番はこうです。
第一に、退職者の本音を3つに分類して記録する。建前を真に受けず、辞めた人・辞めそうな人の理由を「人間関係/評価・処遇/成長実感」で仕分けるだけで、自社の出血箇所が見えます。第二に、評価の基準を言葉にして共有する。なぜその給与・評価なのかを説明できる状態をつくる。金額を上げる前に、納得感を上げる。第三に、辞める前の小さな兆候を拾う場(短い1on1)を月1回でも回す。これだけで「気づいたら辞表」が激減します。全部を一度にやる必要はありません。まず自社の離職が①〜③のどれで起きているかを掴むことが、最初で最大の一手です。
定着・属人化・採用・育成評価の4観点から、組織の弱点をレーダーで特定します。登録不要・その場で結果。
▶ 組織体力診断をはじめる 無料で相談するPACK(BEYOND PLAYBOOK)は、アドバイスして終わりではありません。BEYONDグループ自身が複数の実業で人の問題に向き合ってきた当事者として、離職要因の特定 → 評価の納得感づくり → 定着の仕組み化まで、貴社の組織で回る形に一緒に作ります。賃上げで消耗する前に、留まる理由を設計しましょう。
まずは組織体力診断で、4観点のどこが弱点かを掴むところから。結果を見ながら、最初の一手を一緒に決めましょう。
※背景データは、最低賃金=厚生労働省/日本経済新聞報道、人手不足倒産・小規模比率=帝国データバンク、退職理由の本音=各種離職実態調査を参照しました。