※以下は、BEYONDが現場で向き合ってきた状況をもとにした想定事例です。
年商2億円・社員12名の金属加工業。20年勤めたベテランの工場長が、材料の発注、機械の段取り、客先ごとの細かい注意点まで、ほぼ全部を頭の中で回していました。社長も「あの人がいれば現場は大丈夫」と頼り切り。その状態こそが、いちばん効率がいいと思っていたのです。
ある日、その工場長が体調を崩して長期離脱。とたんに「この客先は何が地雷か」「この機械はどの順で立ち上げるか」が誰にも分からない。見積もりは止まり、納期は遅れ、若手は判断できずに手が止まる。慌てて本人に電話で聞きながら回す日々──現場は確かに動いていたのに、人が一人欠けた瞬間に、会社全体が宙吊りになりました。
こうなると多くの社長が「よし、全業務をマニュアル化しよう」と号令をかけます。ところが、これがほぼ失敗します。理由はシンプルで、全部を書こうとすると、いつまでも終わらないから。分厚いマニュアルは作るのに数ヶ月かかり、完成した頃には現場が変わって陳腐化し、誰も読まない棚の飾りになります。
属人化の解消は、"網羅"ではなく"順番"の問題です。止まると一番痛い急所から、薄く速く外していく。BEYONDグループ自身も9社の現場で同じ壁にぶつかり、たどり着いた手順がこれです。
先の金属加工業も、復帰した工場長に頼り直すのではなく、「止まると一番痛い3業務」だけを先に手順書化しました。全業務の1割にも満たない量です。それでも、次に誰かが欠けたときに現場が止まらない状態になり、若手が自分で判断できる範囲が一気に広がった。属人化の解消は、会社の効率化であると同時に、人が辞めても倒れない"経営リスクの保険"でもあります。
大切なのは、ベテランを責めないこと。属人化は本人のせいではなく、仕組みを作ってこなかった会社の課題です。だからこそ、全部をいきなり標準化しようとせず、急所1点から薄く速く。これが、人手不足が深刻化する今、最も現実的で効く一手です。
定着・属人化・採用・育成評価の4観点から、組織の弱点をレーダーで特定します。登録不要・その場で結果。
▶ 組織体力診断をはじめる 無料で相談するPACK(BEYOND PLAYBOOK)は、アドバイスして終わりではありません。BEYONDグループ自身が複数の実業で属人化と向き合ってきた当事者として、業務の棚卸し → 急所のSOP化 → 更新が回る運用まで、貴社の現場で実際に回る形に一緒に作ります。分厚いマニュアルではなく、明日から使える1枚から始めます。
まずは組織体力診断で、4観点のどこが弱点かを掴むところから。結果を見ながら、最初の急所を一緒に決めましょう。
※背景データは、2025年の人手不足倒産(過去最多427件・『従業員退職』起因が約1.5倍増)=東京商工リサーチ、後継者難・小規模企業比率=各信用調査会社の集計報道を参照しました。本記事の事例は、複数の現場で起こりやすい状況をもとに構成した想定事例です。