従業員20名の建設関連B社(想定事例)は、賃上げの流れを受けて全社員の基本給を一律に引き上げました。社長としては精一杯の決断です。ところが数か月後、最も頼りにしていた中堅社員が退職を申し出た。理由を尋ねると、返ってきたのは意外な言葉でした。「上げてもらったのはありがたい。でも、あまり働いていないあの人と同じだけ上がったのが、どうしても納得できなくて」。
社長は頭を抱えます。頑張っている人を評価したくて上げたのに、その頑張っている人こそが去っていく。原資は減り、士気も下がり、何のための賃上げだったのか分からなくなった。金額は上げた。なのに納得感は、むしろ下がっていたのです。
B社の失敗は「上げ方をケチった」ことではありません。何を基準に、誰が、どう決めたのかを誰も説明できなかったことです。一律で上げるという判断そのものが、「頑張っても頑張らなくても同じ」というメッセージになってしまった。人が給与に感じる不満の多くは、実は絶対額ではなく「この決まり方はフェアか」という手続きへの不信から来ます。
逆に言えば、金額が同じでも「なぜその額なのか」が腹落ちしていれば、人は納得する。隣の人がなぜ自分より高いのか説明がつくなら、恨みは生まれません。納得感とは、金額のことではなく透明性のこと。ここを取り違えると、いくら原資を積んでも定着にはつながらないのです。
BEYONDは9社で多様な職種の人と向き合いますが、給与で徹底しているのは「金額の前に、決まり方を先に見せる」こと。完璧な評価制度など存在しませんが、決まり方が見えているかどうかで定着は大きく変わります。納得感を生む三点を挙げます。
順番はこうです。①先に基準を示し、②全員に同じ物差しを当て、③金額に理由を添える。賃上げの原資を活かすも殺すも、決まり方の透明性しだい。同じ額を払っても、決まり方が見える会社では人が残り、見えない会社では人が去る。給与とは、金額を渡す行為ではなく納得を渡す行為なのです。
採用・育成・評価・定着の観点から、組織の体力の詰まりをレーダーで特定します。評価と給与の納得感もその場で。登録不要・すぐ結果。
▶ 組織体力診断をはじめる 無料で相談するPACK(BEYOND PLAYBOOK)は、他社の評価シートを渡して終わりにはしません。先に基準を示す → 全員に同じ物差しを当てる → 金額に理由を添えるまで、貴社の現場で回る納得感の仕組みを一緒に作ります。私たちは評論家ではなく、賃上げ時代に9社で人の定着に頭を悩ませ続けてきた実業集団。制度を導入するだけで終わらせず、社員が『この決まり方ならフェアだ』と腹落ちするところまで伴走できるのが武器です。
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