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#定着・離職#意思決定#人手不足
Management Column · 2026.09.04

希望を平等に叶えようとするほど、不満は増える|シフトの決め方を先に公開する

シフトの不満が出ると、多くの会社はもっと公平に配ろうとします。希望を全部集めて、なるべく平等に叶えようとする。
ところが、それをやるほど不満は増えます。叶えられなかった側に、理由を説明できないからです。全員の希望を等しく尊重するという建前を立てた瞬間、断る根拠が消えます
不満の正体は、希望が通らなかったことではありません。なぜ通らなかったのかが分からないことです。

1.公平に配ろうとすると、なぜ不満が増えるのか

一つ目。平等を建前にすると、断る言葉がなくなります。全員の希望を尊重すると宣言した以上、通らなかった人に返せるのは『今回はあなたが我慢して』だけ。これは理由ではなく、お願いです。お願いを毎月されれば、誰でも疲れます。

二つ目。結果だけが見えて、基準が見えません。誰の希望が通ったかは、本人同士には筒抜けです。基準が示されないまま結果だけが並ぶと、人はそこに意図を読みます。説明がない差は、えこひいきとして解釈されます。悪意がなくても、そう見えます。

三つ目。声の大きい人が有利になります。ルールがないところでは、強く言った人の希望が通りやすい。平等を目指したはずの運用が、実際には言った者勝ちに化けます。そして言わない人ほど、黙って我慢を重ねます。

不満の正体は、希望が通らなかったことではない。なぜ通らなかったのかが分からないこと

2.決めるべきは配分ではなく、優先順位

シフトは、有限の枠の配り方です。有限のものを配るときに必要なのは、平等の約束ではなく、優先順位のルールです。

たとえば、先に希望を出した人を優先する。前回我慢した人を優先する。通院や冠婚葬祭は最優先にする。繁忙日に出ている人を優先する。どれが正解ということはありません。業種によっても、店舗や現場の事情によっても変わります。

重要なのは、どれを採るかを決めて、希望を集める前に全員へ見せておくことです。ルールが先にあれば、断るのは人ではなくルールになります。シフトを組む人が悪者にならずに済む。これが、公開することの一番大きな効果です。

3.決め方を公開する、四つの手順

優先順位を三つまでに絞って、紙で貼る
五つも六つもあると、作る側が覚えられず、結局その場の判断に戻ります。三つまで、しかも順番付きで決める。たとえば『①通院・冠婚葬祭 ②前回我慢した人 ③先に提出した人』。これを希望用紙と同じ場所に貼っておきます。複雑なルールより、覚えられるルールのほうが守られますポイント:ルールは、覚えられる数まで減らす
絶対に外せない日を、月に一人一日だけ確保する
全部の希望を通そうとすれば必ず破綻しますが、一人一日の絶対枠なら守れます。その一日だけは、理由を聞かずに必ず通す。守れない平等を約束するより、守れる約束を一つ作るほうが効きます。この一日があるだけで、他の希望が通らなくても納得の質が変わります。ポイント:全部叶えるより、一つだけ必ず叶える
通らなかった希望には、理由を一行で返す
『先着で埋まったため』『前回優先していたため』。一行で十分です。長い説明は要りません。最も不満を生むのは、何の説明もなく確定シフトが貼り出されることです。結果と理由を同時に出すだけで、同じ結果でも受け取られ方が変わります。ポイント:断りの理由は、結果と同時に出す
我慢の回数を記録して、次回の順番に必ず使う
誰が何回譲ったかを、名前の横に正の字で数えるだけで構いません。そして宣言したとおり、次回それを使う。一度でも反映されれば、譲ることが損ではなく順番待ちの投資になります。逆に、記録すると言って使わないと、信用は一度で失われます。ポイント:我慢を記録し、宣言どおり次回に反映する

4.実業の当事者として言えること

私たちBEYONDは、外から助言するコンサルではなく、中小企業同士が連合して複数の実業を回している当事者です。現場を持っている以上、シフトは毎月やってきます。

やってみて分かったのは、シフトの不満は、待遇の不満より根が深いということでした。給与の話は年に一度ですが、シフトは毎月来ます。しかも生活の予定に直結する。小さな不公平感が、毎月積み上がる構造になっています。退職理由の一行目には出てきませんが、二行目には出てきます。

もう一つ、見落とされがちなのが作る側の消耗です。シフト表を組むのは、たいてい店長や現場責任者で、断る役も同じ人が引き受けています。ルールがなければ、その人の人格が矢面に立ちます。決め方を公開することは、実は作成者を守る施策でもあります。

そして、やめたほうがいい言い方が一つあります。『今月もなんとか調整しました』です。調整したのは個人の努力で、来月も同じ努力が必要になる。努力で回している限り、それは仕組みになりません。その人が辞めた月に、全部が崩れます。

最初の一歩は簡単です。来月のシフトを配るとき、優先順位の三行を一緒に配る。それだけで、来月の希望の出方が変わります。

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5.PACK は、決め方の公開から一緒に立つ

PACK(BEYOND PLAYBOOK)は、人事制度を納品する立場ではありません。BEYOND Holdings 自身が実業を回す当事者として、優先順位の決定 → 希望の集め方の設計 → 断りの返し方 → 我慢の記録と反映までを、貴社の現場の回り方に合わせて一緒に整理します。狙うのは、作る人が悪者にならないシフトです。

まずは無料の組織体力診断で、人が根づかない原因がどこにあるかを確かめてみてください。結果を見ながら、優先順位の三行を一緒に書きましょう。

※本記事はシフト運用に関する一般的な整理であり、労働時間・休日・割増賃金など労働基準法上の取扱いについて個別の助言を行うものではありません。シフト制における労働条件の明示や変更の手続は、就業規則および労働契約の内容によって異なります。実際の運用にあたっては社会保険労務士にご確認ください。本文中の手順は成果を保証するものではありません。