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#人材育成#業務効率化#意思決定
Management Column · 2026.09.07

8割の事業所が育成に問題ありと答えた|教える時間を、工数として台帳に載せる

厚生労働省が2026年7月31日に公表した令和7年度 能力開発基本調査によると、能力開発に何らかの問題があると回答した事業所は80.1%でした。
8割が問題を感じている。それでも解決しないのは、意識が低いからではありません。教える時間が、どの会社の工数表にも載っていないからです。
載っていない仕事は、忙しくなった瞬間にゼロになります。育成が後回しになるのは、精神の問題ではなく台帳の構造の問題です。

1.8割が問題を感じ、それでも変わらない

この調査は2025年10月から12月に行われたもので、企業と事業所の両方に能力開発の実態を聞いています。8割という数字は、問題意識がないことを示していません。むしろ逆で、ほとんどの現場が困っていると答えている。

ここで注目したいのは、統計として集まっているのが主に費用の話だということです。研修費、教材費、外部講師への支払い。金額なので数えられ、比較でき、前年と並べられます。

一方、社内で先輩が後輩に教えている時間は、どこにも計上されていません。だから『今月、育成にどれだけ使ったか』という問いに、ほとんどの会社が答えられない。答えられないということは、増えたか減ったかも分からないということです。

数えていない仕事は、削られたことにも気づかれない

2.後回しになるのは、構造がそうなっているから

一つ目。指導時間が売上に紐づきません。工数表が案件別になっている会社では、指導は『その他』か『間接』に入ります。そして『その他』の欄は、しばらくすると誰も書かなくなる。分類がないのではなく、分類の格が低いのです

二つ目。教える側が評価されません。指導に月3時間使った人と、まったく使わなかった人の評価が同じなら、使わないほうが合理的です。現場は正しく反応しているだけで、責める話ではありません。

三つ目。育たないと、教えられる人がさらに忙しくなります。忙しいから教えられない、教えないから育たない、育たないからもっと忙しい。この輪は、時間を先に確保しない限り自然には止まりません。景気が良くなっても、人が増えても止まらない。

3.工数に載せる、四つの手順

指導時間のコードを、案件番号と同じ形で一つ作る
特別な仕組みは要りません。日報や工数表に入力できる欄を、一つ増やすだけです。それだけで月次の合計が出ます。最初は精度が粗くて構いません。正確さより、集計できる状態を先に作る。数字が出はじめてから、粒度を細かくすれば十分です。ポイント:まず入力できる欄を作る。正確さは後から
月あたりの目標時間を、個人ではなく部署に置く
個人目標にすると、余裕のある人だけがやる形になり、忙しい部署ほど育成が止まります。部署に月○時間という枠を置き、誰がどう使うかは中で決めてもらう。枠にすると、部署の中で『今月は誰に使うか』という会話が発生します。この会話が起きること自体に価値があります。ポイント:目標は個人ではなく、部署の枠として持つ
評価面談に、教えた時間を聞く一行を足す
評価制度を作り直す必要はありません。面談で『今期、誰に何時間くらい教えましたか』と聞く一行を足すだけで足ります。聞かれると分かった瞬間から、行動が変わります。制度の改定には半年かかりますが、聞く項目を足すのは来月からできます。ポイント:制度を変える前に、聞く項目を足す
忙しい月ほど、先に枠を確保しておく
暇な月にやろうとすると、いつまでも始まりません。繁忙期に入る前に、この月はこの人に何時間、と先に押さえておく。空いた時間でやろうとしたものは、必ず消えます。育成は余った時間ではなく、先に取った時間でしかできません。会議室を先に押さえるのと同じ発想です。ポイント:余った時間ではなく、先に取った時間でやる

4.実業の当事者として言えること

私たちBEYONDは、外から助言するコンサルではなく、中小企業同士が連合して複数の実業を回している当事者です。人が足りない現場も、教える側が潰れかけている現場も、実際に見ています。

並べて分かったのは、育成が進む会社と進まない会社の差は、経営者の熱意ではなかったということです。差がついていたのは、指導時間が数字になっているかどうかだけでした。熱意のある社長が旗を振っても、工数に載っていなければ半年で消えます。

よくある反対意見にも触れておきます。指導時間を計上すると、生産性が下がったように見えるから嫌だ、という声です。しかし、実際に使っていた時間が表に出るだけで、使っていた事実は何も変わりません。むしろ見えていない状態のほうが、原価計算が狂っています。案件の実際の工数に、指導の時間が紛れ込んだままになっている。

もう一つ、正直に書いておきます。教える時間を本気で確保すると、最初の数か月は生産量が実際に落ちます。ここで元に戻す会社が多い。落ちる分を最初から織り込んで計画するかどうかが、分かれ目です。織り込んでいれば、落ちても慌てません。

最初の一歩は、先月、誰が誰に何時間教えたかを、記憶を頼りに書き出してみることです。正確でなくて構いません。書き出せないなら、それがそのまま答えです

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5.PACK は、時間の確保から一緒に立つ

PACK(BEYOND PLAYBOOK)は、研修を売る立場ではありません。BEYOND Holdings 自身が実業を回す当事者として、指導時間のコード設計 → 部署ごとの枠の設定 → 評価面談への組み込み → 繁忙期前の枠取りまでを、貴社の工数管理の形に合わせて一緒に整理します。狙うのは、忙しくても消えない育成の時間です。

まずは無料の組織体力診断で、人が根づかない原因がどこにあるかを確かめてみてください。結果を見ながら、最初に載せる一行を一緒に決めましょう。

※データに関する記述は、厚生労働省が2026年7月31日に公表した令和7年度能力開発基本調査において、能力開発に何らかの問題があると回答した事業所の割合が80.1%であったことを参照しました。同調査は2025年10月から12月にかけて実施された標本調査であり、企業票と事業所票で調査対象が異なります。本文中の工数管理の手順は一般的な整理であり、労働時間の管理や評価制度の運用は、就業規則および労働関係法令に沿って行ってください。個別の取扱いは社会保険労務士にご確認ください。