市場規模、成長率、競合の数。買えば分かります。ただ、これらは『その市場が存在するか』を教えてくれるだけです。中小企業が判断に必要としているのは、そこではありません。
必要なのは、いま自社が持っている信用と設備と人で、その困りごとを解けるかどうかです。市場が1,000億円あっても、自社の客が誰も困っていなければ、入口がありません。逆に市場規模の統計に載らないほど小さくても、目の前の取引先10社が同じことで困っているなら、そこには確実に仕事があります。
外部データは、自社の位置を含んでいません。だから外部データだけで判断すると、いつも『やれそうだが、誰から始めればいいか分からない』で止まります。
いまの取引先は、すでに自社にお金を払っている人たちです。この事実の重みは、想像以上に大きい。
アンケートの回答者は、答えても何も失いません。だから気軽に賛成します。一方で既存客は、自社の仕事の質を知った上で、実際に発注する判断を何度もしてきた相手です。その人が『それは助かる』と言うときの重みと、見知らぬ回答者の『あったらいいと思う』は、まったく別の情報です。
そしてもう一つ。既存客に聞くと、そのまま最初の顧客になる可能性がある。調査と営業が同時に進みます。調査費用がゼロどころか、マイナスになることさえあるのがこのやり方です。
ただし、聞き方次第で結果は正反対になります。避けるべきは未来と意向を聞く質問です。
『こんなサービスがあったら使いますか』『月いくらなら払いますか』。この二つは、ほぼ確実に判断を誤らせます。相手は本気で嘘をつくつもりはありません。ただ、まだ存在しないものについての予測が、人はもともと苦手なだけです。しかも目の前にいるのは取引のある相手なので、否定しづらい。
聞くべきは過去と現在の事実です。いま何をしているか、誰がやっているか、いくらかかっているか、最後に困ったのはいつか。事実は予測より正確で、しかも本人がすでに知っています。
私たちBEYONDは、外から助言するコンサルではなく、中小企業同士が連合して複数の実業を回している当事者です。新規事業の検討では、自分たちも同じ間違いをしてきました。資料を作り込み、数字を並べ、社内で議論を重ねて、客に一度も聞かないまま始めたことがあります。
逆に、うまくいった案件に共通していたのは、驚くほど地味な入口でした。既存の取引先に『最近、何がいちばん面倒ですか』と聞いただけ。しかもその答えは、たいてい自社が想定していた困りごとと違いました。想定と違うと分かった時点で、その調査は成功しています。作らずに済んだからです。
そして15分の聞き取りには、もう一つの効き目があります。相手が『うちのことを考えてくれている』と受け取ることです。新規事業が形にならなかったとしても、既存の関係は確実に濃くなる。外れても損をしない調査は、これしかありません。調査会社に依頼するのは、社内の客で確かめ切ったあとで十分です。
既存資産・市場性・体力・撤退基準の4観点から、次の一手が自社の地続きにあるかをレーダーで特定します。登録不要・その場で結果。
▶ 新規事業の種・診断をはじめる 無料で相談するSEED(BEYOND PLAYBOOK)は、市場レポートを納品する立場ではありません。BEYOND Holdings 自身が実業を回す当事者として、聞く相手の選定 → 質問設計 → 回答の読み方 → 事業として成立するかの判定までを、貴社の顧客基盤に合わせて一緒に進めます。狙うのは、作る前に外れが分かることです。
まずは無料の新規事業の種・診断で、次の一手が自社の地続きにあるかを確かめてみてください。結果を見ながら、最初に聞く3社を一緒に決めましょう。
※本文中の質問設計と手順は、BEYOND Holdings が複数の実業を運営する中で用いている一般的な整理です。事業や業種により有効性は異なり、成果を保証するものではありません。既存取引先へのヒアリングにあたっては、目的の説明と情報の取り扱いに配慮してください。