従業員22名の内装工事会社。数年前から「元請けからの下請だけでは危ない」と感じていて、一般消費者向けのリフォーム事業を構想していました。社長の計画は明快です。営業1名と職人1名を採用できたら始める。
ところが3年、採れませんでした。求人を出しても応募が来ない。来ても条件が折り合わない。そのあいだに元請けからの単価は据え置かれ、危機感だけが増していきます。社長の結論は「うちには新規事業をやる体力がない」でした。
この判断は一見まっとうに見えます。ただ、前提が一つ抜けていました。新しい人と新しい設備がないと始められない、と決めていたのは社長自身だということです。
棚卸しと聞くと在庫や固定資産を思い浮かべますが、新規事業の元手になるのは貸借対照表に載らないもののほうです。数え方を知らないから、持っていることに気づけない。
この会社が半日かけて書き出したのは、次の4分類でした。特別な手法は使っていません。紙とペンで、思い出せるだけ全部書く。それだけです。
この会社が実際に踏み出したのは、大がかりな新規事業ではありません。過去の施主に案内を1通出し、空いている高所作業車の時間で小規模な修繕を受ける。採用はゼロ、設備投資もゼロです。反応があった数件から始めて、手応えを見てから人の話を考える形にしました。
私たちBEYONDは、外から助言するコンサルではなく、中小企業同士が連合して複数の実業を回している当事者です。自分たちの経験でも、新規事業でいちばん多い失敗は、資源が足りないことではなく、最初から完成形で始めようとすることでした。人を採り、設備を入れ、体制を整えてから開始する。この順番だと、始まる前に体力が尽きます。
補助金は有効な制度ですし、必要な場面では使うべきです。ただし買う判断は、数え終わった後にするほうが確実に精度が上がります。何が足りないかは、何を持っているかを知らないと決められないからです。まずは半日、紙に書き出すところから始めてみてください。
既存資産・市場性・体力・撤退基準の4観点から、次の一手が自社の地続きにあるかをレーダーで特定します。登録不要・その場で結果。
▶ 新規事業の種・診断をはじめる 無料で相談するSEED(BEYOND PLAYBOOK)は、流行りの事業アイデアを提案して終わりにはしません。BEYOND Holdings 自身が実業を回す当事者として、4分類での資産の棚卸し → 空き時間と稼働率の把握 → 採用せずに始められる範囲の設計 → 小さく試して広げる順番づくりまでを、貴社の体力に合わせて一緒に進めます。
まずは無料の新規事業の種・診断で、次の一手が自社の地続きにあるかを確かめてみてください。結果を見ながら、最初に数える一つの資産を一緒に選びましょう。
※背景データは、中小企業省力化投資補助金が人手不足の状態にある中小企業等の省力化設備の導入を支援する制度であり、中小企業の補助率が原則2分の1・賃上げ要件を満たす場合は3分の2、小規模事業者等は3分の2、補助上限額が従業員規模に応じて変わること=独立行政法人中小企業基盤整備機構の同補助金公式サイトの公表内容を参照しました。本文中の会社・数字は、よくある状況をもとに構成した想定事例です。