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#新規事業#意思決定#財務・資金繰り
Management Column · 2026.08.04

後継者不在率は過去最低、それでも休廃業は6.7万件
── 中小企業が『買う側』になるという選択肢

いま中小企業のあいだで、二つの数字が反対方向に動いています。帝国データバンクの調査では、全国の後継者不在率は50.1%。7年連続で改善し、調査開始以来の最低を更新しました(2025年11月発表)。ところが東京商工リサーチの集計によると、2025年の休廃業・解散は67,210件で前年比7.2%増、3年連続の過去最多。代表者の年代は70代が38.6%で最多でした。矛盾ではありません。承継の準備を終えた会社と、準備しないまま静かに降りる会社に、はっきり分かれ始めているということです。買い手の側から見れば、この二極化はそのまま機会を意味します。

1.売り手は増えているが、市場に出てくるとは限らない

まず構造を押さえます。休廃業・解散が過去最多ということは、まだ動く事業が、譲渡先を探さないまま消えているということです。赤字で力尽きた会社ばかりではありません。東京商工リサーチの集計では、休廃業・解散した企業のうち赤字だったのは47.2%。裏を返せば半数以上は黒字のまま畳んでいます

一方で、譲る道を選んだ会社の受け皿は明らかに太くなりました。全国の事業承継・引継ぎ支援センターでは、令和7年度の第三者承継の成約が2,265件と過去最多、新規相談者は24,000者超で開設以来初の水準です(中小機構・2026年5月発表)。民間集計でも、2025年の日本企業のM&Aは5,115件、うち事業承継を目的とするものが1,028件と年間で過去最多でした。

買い手にとっての含意は単純です。探しに行けば出会えるが、待っていると消える。廃業は公示されません。声が掛かるのは、日頃から買う意思を示している相手だけです。

休廃業した会社の半数以上は黒字。まだ動く事業が、譲渡先を探さないまま消えている。

2.ゼロから作るのと、買うのはどちらが速いか

新規事業をゼロから立ち上げると、商品を作り、客を見つけ、人を雇い、実績を積むまでに数年かかります。買収の場合、そこにすでに客と人と実績がある。時間を買っている、というのが本質です。

ただし万能ではありません。買って速くなるのは、自社に足りないものが『時間』である場合だけです。売る力そのものがない会社が、売る力のない会社を買っても足し算になりません。判断の基準は一つ。買った翌日から、自社の誰かがその事業を回せるか。回せる絵が描けないなら、それは新規事業ではなく、遠方に増えた課題です。

3.初めて買う側に回るときの、四つの見極め

目的を『売上』ではなく『時間』で言い切る
何億円の売上が増えるか、ではなく、自社が3年かけて取りに行くつもりだった何を前倒しできるのか。許認可、職人、地域での実績、特定の取引口座。前倒しにしたいものを一つ名指しできない買収は、たいてい途中で目的を見失います。ポイント:買う理由を、金額ではなく一つの資産名で書く
財務より先に、人と取引先の残り方を見る
決算書は過去の記録ですが、事業を動かしているのは現在の人と客です。キーマンが誰で、その人は残るのか。売上上位の取引先は、社長個人との関係で続いているのか。ここが崩れると、買った瞬間に中身が抜けます。ポイント:社長が抜けた後も残るものだけを、価値として数える
価格より、引継ぎ期間と退任時期の条件を詰める
小規模の承継では、金額の多寡より前社長がどれだけ伴走してくれるかで結果が変わります。半年か、1年か。何を引き継ぐのか。ここを口約束にすると、引継ぎは必ず尻すぼみになります。ポイント:引継ぎの中身と期間を、契約書の条項として残す
公的な窓口と支援制度を、探索の段階から使う
事業承継・引継ぎ支援センターは相談無料で、地域の売り手情報に近い場所にあります。事業承継・M&A補助金には買い手を支援する類型や、買収後の統合を支える枠も設けられました。ただし直近の第15次公募は2026年7月24日で受付終了。使うなら次回公募の告知を前提に、逆算して動きます。ポイント:制度は締切から逆算する。見つけてから調べるでは間に合わない

4.実業の当事者として言えること

私たちBEYONDは、外から助言するコンサルではありません。中小企業同士が連合して複数の実業を回している当事者です。会社と会社が一緒になる場面を、まさに自分たちの事業として経験してきました。

そのうえで言えるのは、買収の成否は、買う前ではなく買った後の半年で決まるということ。値段の交渉に何か月もかけた会社ほど、統合の設計を後回しにします。誰が現場に入るのか、給与や評価の違いをどう揃えるのか、社名と看板をどうするのか。これらを決めずに調印すると、残ってほしかった人から順に辞めていきます。

もう一つ。初めての一件は、小さく買うほうがいい。金額の話ではなく、自社が統合を経験するための一件だからです。後継者不在率が改善したといっても、まだ全国の半数の会社に後継者がいません。一件目で統合の型を身につけた会社が、二件目以降で本当に効く相手を選べます。焦って大きく張るより、回せる範囲で経験を先に積むほうが、結果的に速い。

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5.SEED は、買うか作るかの判断から一緒に立つ

SEED(BEYOND PLAYBOOK)は、案件を紹介して手数料をもらう立場ではありません。BEYOND Holdings 自身が実業を回す当事者として、次の柱を作るか買うかの見極め → 前倒ししたい資産の特定 → 見るべき順番の整理 → 統合後に誰が回すかの設計までを、貴社の体力に合わせて一緒に考えます。

まずは無料の新規事業の種・診断で、次の一手が自社の地続きにあるかを確かめてみてください。結果を見ながら、作るか買うかの分かれ道を一緒に整理しましょう。

※背景データは、全国の後継者不在率50.1%・7年連続改善で調査開始以来最低=帝国データバンク『全国後継者不在率動向調査(2025年)』(2025年11月21日発表)、2025年の休廃業・解散67,210件・前年比7.2%増・3年連続過去最多・代表者70代が38.6%=東京商工リサーチ(2026年1月公表)、令和7年度の事業承継・引継ぎ支援センターの第三者承継成約2,265件・新規相談者24,000者超=中小企業基盤整備機構(2026年5月29日発表)、2025年の日本企業のM&A5,115件・うち事業承継M&A1,028件=レコフデータを参照しました。事業承継・M&A補助金の15次公募は2026年7月24日で受付を終了しています。本文中の進め方は、よくある状況をもとにした一般的な整理です。