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#新規事業#財務・資金繰り#意思決定
Management Column · 2026.08.25

倒産は2か月連続で1,000件超
── 予算は、失っていい額から決める

帝国データバンクが2026年8月10日に公表した倒産集計によると、2026年7月の全国企業倒産は1,037件前年同月の956件から81件、8.5%の増加で、2か月連続の1,000件超となりました。負債総額は2,341億1,800万円で、前年同月比40.6%増です。
この環境で新規事業を始めるなというつもりはありません。むしろ本業が細る前に動くべきです。ただし予算の作り方だけは変える必要がありますいくら必要かを積み上げる成功前提の予算は、撤退の判断を必ず遅らせます

1.成功前提の予算が、撤退を遅らせる

新規事業の予算は、たいてい必要額の積み上げで作られます。設備にいくら、人にいくら、広告にいくら。合計3,000万円。これで黒字化まで持っていく。

この作り方には、構造的な欠陥があります。予算が計画の一部になっていることです。計画どおりに進めば予算は足りる。だから遅れが出ると、予算が足りないのではなく、まだ途中なのだと解釈されます

結果として起きるのが、追加投入です。あと500万円あれば、あと半年あれば。止める理由が、どこにも設計されていません。撤退基準を別に決めていても、予算が成功前提で組まれている限り、基準は破られます。基準より、目の前の計画の続きのほうが具体的だからです。

止める理由は、予算の中に書いておかないと機能しない。

2.問いを変える ── いくらまでなら失えるか

作り方を逆にします。『いくら必要か』ではなく『いくらまでなら失っても本業が揺れないか』から始める。

この額は、事業計画とは無関係に決まります。自社の財務体力の話だからです。年間の営業利益、手元資金、借入の返済額。ここから、丸ごと失っても来期の判断が変わらない金額を出す。

そして重要なのは、その額が必要額より小さくても構わないということです。3,000万円必要な事業に、失っていい額が800万円しかないなら、答えは二つ。800万円でできる規模に縮めるか、この事業をやらないか。無理に3,000万円を投じる選択肢は、最初から外れます。

厳しく見えますが、実際には逆です。失っていい額の範囲で始めた事業は、思い切って試せます。失っても本業が揺れないと分かっているからです。

3.予算と撤退を結びつける、四つの手順

上限を先に置く。金額は本業の体力から出す
『来期の営業利益が◯%下がっても、借入返済と賞与に影響しない額』のように、本業側の条件で上限を決める。事業計画から逆算しないのがポイントです。この数字を役員会で共有した時点で、追加投入の議論の性質が変わりますポイント:上限は事業計画ではなく、本業の体力から出す
総額ではなく、回で区切る
800万円を一度に渡さない。第1弾200万円、ここで◯が確認できたら第2弾という形にする。区切りがあると、各回の終わりに必ず判断の機会が生まれます。総額で承認された予算は、使い切るまで誰も止めませんポイント:区切りがあるところにしか、判断の機会は生まれない
追加投入の条件を、金額と一緒に書いておく
『次を出すのは、◯件の受注が取れたとき』と数字で条件を書く。手応えがあったから、では条件になりません。条件を満たさずに追加を決めるなら、それは判断の変更だと全員が認識できる状態にしておくことが目的です。ポイント:条件を書けば、例外が例外として見える
人件費を予算に入れる。いちばん大きいのに数えられていない
既存社員が新規事業に使う時間は、多くの会社で予算に計上されません。兼務者の稼働を月◯時間と見積もり、金額に換算して予算に入れる。実際にやってみると、設備投資より人件費のほうが大きいことがほとんどです。ここを数えないと、失った額を過小評価します。ポイント:兼務の時間を金額にしないと、損失は見えない

4.実業の当事者として言えること

私たちBEYONDは、外から助言するコンサルではなく、中小企業同士が連合して複数の実業を回している当事者です。新規事業には自分たちも取り組んでいますし、うまくいかなかったものもあります。

振り返って思うのは、止められた事業と止められなかった事業の差は、判断力ではなかったということです。差は、始める前に上限を決めていたかどうかだけでした。上限を決めていた案件は、そこに達した時点で全員が納得して終えられた。決めていなかった案件は、誰かが言い出すまで続きました。

そして、止めた事業が無駄になったかというと、そうでもありません。試した範囲で分かったことは残ります。市場の反応、必要な体制、想定と違った点。失っていい額の範囲で早く終えられれば、それは授業料として説明できます。逆に体力を超えて続けた場合、残るのは損失だけです。

倒産件数が2か月続けて1,000件を超えている環境で言えるのは、本業の体力が読みにくい時期ほど、上限を決める意味が大きいということです。景気が良ければ多少の見込み違いは吸収できます。いまはその余裕が薄い。だから額を先に決める。それは慎重さではなく、思い切って試すための準備です

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5.SEED は、上限の決め方から一緒に立つ

SEED(BEYOND PLAYBOOK)は、事業計画書を作って終わりではありません。BEYOND Holdings 自身が実業を回す当事者として、本業の体力から見た上限の算出 → 回ごとの区切り設計 → 追加投入条件の言語化 → 兼務者の稼働の金額化までを、貴社の財務状況に合わせて一緒に整理します。狙うのは、失っても本業が揺れない範囲で試せる状態です。

まずは無料の新規事業の種・診断で、次の一手が自社の地続きにあるかを確かめてみてください。結果を見ながら、上限の金額を一緒に決めましょう。

※背景データは、株式会社帝国データバンクが2026年8月10日に公表した倒産集計において、2026年7月の全国企業倒産が1,037件(前年同月956件、8.5%増)と2か月連続で1,000件を超え、負債総額が2,341億1,800万円(前年同月比40.6%増)となったことを参照しました。集計基準は調査機関により異なり、同時期の東京商工リサーチ集計とは件数が一致しません。本文中の手順は一般的な整理であり、成果を保証するものではありません。