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#新規事業#定着・離職#意思決定
Management Column · 2026.09.06

大企業の副業容認は54.6%|社員の副業に、自社はどこで線を引くか

みらいワークスが2026年8月に公表した大企業における副業・兼業に関する人事制度の実態調査2026によると、正社員の副業容認率は54.6%原則自由が9.0%現在は禁止だが制度整備中が19.8%で、合わせると4分の3が認める方向に動いています。他社の副業人材を受け入れている企業も56.8%でした。
調査の対象は大企業の人事担当者ですが、中小企業に無関係ではありません。大企業の社員が、副業先を探しはじめているということでもあるからです。
自社の社員の副業をどうするか。そして、他社の副業人材をどう使うか。線を先に引いておかないと、どちらも扱えません

1.いま起きていること ── 制度が整うと、人が動きはじめる

この調査の対象は、従業員1,000名以上の製造業と、500名以上のそれ以外に勤める人事担当者500名です。中小企業の実態を示す数字ではありません。それでも中小企業にとって重要なのは、大企業側で制度が整いつつあるという事実のほうです。

効いてくる方向は二つあります。一つは、自社の社員が副業を始めること。世の中の空気が変われば、就業規則の建前とは関係なく人は動きます。もう一つは、大企業の人材を、副業という形で自社が使えることです。財務、法務、採用、DX。フルタイムでは採れない職種を、月に数時間から試せる。

ここが分かれ目です。認めるか禁止するかの二択で考えている限り、二つ目の機会は視界に入りません。副業の議論は、労務の話であると同時に、調達の話でもあります。

2.禁止のままにする、本当のコスト

一つ目。隠れます。禁止されている副業は、届出も相談もないまま行われます。把握できていない副業のほうが、競業も労働時間も危険です。禁止は問題をなくす方法ではなく、見えない場所に移す方法でしかありません。

二つ目。辞める理由になります。特に専門職は、副業を認める会社へ移ります。給与では追いつけない条件差が、ここで生まれています。

三つ目。自社が副業人材を使いにくくなります。社員には禁止しておいて、他社の副業人材は受け入れる。この矛盾は、必ず社内から指摘されます。受け入れる側に回る前に、出す側の線を引いておく必要があります

禁止は、リスクをなくす方法ではない。見えないところに移す方法

3.線を引く、四つの手順

禁止する範囲を、業種ではなく行為で定義する
『同業はダメ』では範囲が曖昧で、判断のたびに揉めます。書くのは行為です。自社の顧客に対して同種の役務を提供すること。自社の仕入先や外注先から報酬を受けること。業務上知り得た情報を使うこと。この三つを具体的に書けば、あとは基本的に自由にできます。範囲を狭く正確に決めるほど、運用は楽になります。ポイント:禁止するのは業種ではなく、行為
許可制ではなく、事前の届出制にする
許可制は、判断する人の負担が大きく、結果として全部止まります。判断できないものは、とりあえず保留になるからです。届出制にして、前項の三つに触れるものだけを止める。届出が上がってくること自体が、すでに管理として機能しています。把握できていることのほうが、許可を出していることより重要です。ポイント:許可制にすると、運用のほうが止まる
労働時間と健康の確認を、月に一行だけ入れる
副業先の労働時間の通算や割増賃金の扱いには制度上の論点があり、ここは社会保険労務士に確認する前提で進めてください。そのうえで自社としてできるのは、届出の様式に『先月の副業時間はおおむね何時間か』の一行を足すことです。把握していない状態が一番まずいので、精度より継続を優先します。ポイント:時間の把握は、最初から一行だけ入れておく
副業で得た知見を、社内で話す場を作る
ここがSEEDの本題です。副業で外の商売を見てきた社員は、自社の新規事業の種を持って帰ってきます。別の業種の値決め、集客の仕方、人の使い方。ところが話す場がないと、その情報は本人の中に留まったまま消えます。四半期に一度、15分でいい。届出を受け取るだけで終わらせないための、最後の一手です。ポイント:外で得たものを、持ち帰る経路を作る

4.実業の当事者として言えること

私たちBEYONDは、外から助言するコンサルではなく、中小企業同士が連合して複数の実業を回している当事者です。人を出す側にも、受け入れる側にも立ちます。

見ていて一番もったいないのは、認めたあとに何も起きない会社です。届出を受け取って、ファイルに綴じて、それで終わる。副業を認めたこと自体を成果だと思ってしまう。制度を作ることと、そこから何かを得ることは別の作業です

副業をしている社員は、自社とは違う業種の値決め、集客、人の回し方を、実地で見てきています。これは調査会社のレポートより、はるかに具体的です。『あの会社では見積をこう出していた』『あの業界の繁忙期はここだった』。新規事業の種は、たいていこういう粒度の話から出てきます

受け入れる側についても一つ。期待値の置き方を間違えると失敗します。月に数時間の副業人材に『全部やってもらう』は無理です。切り出せる仕事が実際にあるかを、契約の前に確認してください。切り出せないなら、それは副業人材ではなく、社内の整理の問題です。

そして制度を作る前に、経営者自身が、なぜ認めるのかを一行で言えるようにしておくこと。人手不足の穴埋めなのか、社員の成長なのか、新規事業の種集めなのか。目的が違えば、線の引き方も変わります

最初の一歩は、就業規則の副業に関する条文を、いま読み返すことです。『会社の許可なく他に雇われてはならない』の一行だけで止まっている会社が、まだかなりあります。

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5.SEED は、線引きと持ち帰りの設計から一緒に立つ

SEED(BEYOND PLAYBOOK)は、新規事業を立ち上げるだけの立場ではありません。BEYOND Holdings 自身が実業を回す当事者として、禁止する行為の言語化 → 届出の様式づくり → 副業人材の切り出し方 → 持ち帰った知見を種に変える場づくりまでを、貴社の状況に合わせて一緒に進めます。狙うのは、外の商売が自社に流れ込む経路です。

まずは無料の新規事業の種・診断で、いまの取り組みが自社の地続きにあるかを確かめてみてください。結果を見ながら、最初に引く線を一緒に決めましょう。

※データに関する記述は、株式会社みらいワークスが2026年8月に公表した大企業における副業・兼業に関する人事制度の実態調査2026において、正社員の副業容認率が54.6%、原則自由とする企業が9.0%、現在は禁止だが制度整備中とする企業が19.8%、他社の副業人材を受け入れている企業が56.8%であったことを参照しました。同調査の対象は従業員1,000名以上の製造業および500名以上の製造業以外に勤める人事担当者500名であり、中小企業の状況を示すものではありません。副業・兼業に関する就業規則の定め、労働時間の通算、社会保険の取扱いは法令および個別の事情により異なります。制度設計にあたっては社会保険労務士または弁護士にご確認ください。