(以下は想定事例です。)本業の売上が頭打ちになった、地方の小さな内装工事会社A社とB社。どちらも「このままでは先細る」という危機感は同じでした。
A社は、ニュースで盛り上がる分野に目を向けました。補助金も出るというので、本業とは縁のない飲食のフランチャイズに手を挙げる。「新しい市場なら伸びしろがある」——出発点は、外側の景気の良さでした。B社は逆に、既存客との会話から始めました。工事のたびに施主から「入居後の細かい修繕を頼める先がなくて困る」と何度も言われていたのです。出発点は、目の前の客が漏らす不満でした。
一年後。A社は苦戦していました。飲食は仕入れも人繰りも接客も、内装業の勝手とまるで違う。新しい客も一から集めねばならず、本業の人手まで削られて、気づけば両方が中途半端に。撤退基準も曖昧なまま赤字が続きました。まさに、市場の外側の魅力から入り、自社の強みと切り離された典型です。
B社は違いました。始めたのは、既存客向けの『住まいの小修繕・メンテナンス会員サービス』。工事技術はそのまま流用でき、営業先も既に信頼関係のある施主。初月から数件の契約が付き、しかも会員費という毎月入る売上が本業の谷を埋めはじめた。派手さはないが、既存の強みと客をそのまま隣へ延ばした——だから小さく速く立ち上がったのです。
BEYOND自身、9社を営む中で新しい事業を興すとき、最初に見るのは流行りの市場ではなく「既存のどの資産を再利用できるか」です。ゼロから作る新規は体力を食う。中小が勝てるのは、B社のように強みと顧客基盤を隣へ横展開するやり方です。次の三段なら、今週から探せます。
①客の一言を集め、②流用できる資産と重ね、③既存客に小さく試す。新規事業は、遠くへ跳ぶより隣へ半歩ずらすほうが、中小の体力で勝ちやすい。B社の一年は、それを静かに証明しています。
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