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#新規事業#意思決定#差別化
Management Column · 2026.07.03

作る前に需要を確かめた会社と、
しなかった会社

失敗したスタートアップ100社超を分析したCB Insightsの調査で、失敗理由の第1位は『市場ニーズがなかった』——実に42%が該当しました。資金でも技術でもなく、『そもそも欲しい人がいなかった』が最大の死因です。これは大企業の新規事業にも、中小の新商品にも等しく当てはまります。以下は、同じ強みを持ちながら順番だけが違った想定事例の2社の話。「作ってから売り方を考える」か、「作る前に需要を確かめる」か——その一点が明暗を分けます。

1.before ── 『いい商品なのに売れない』A社の半年

※以下は想定事例です。金属加工のA社は、長年の技術を活かして一般消費者向けの高級調理器具を新規事業にすると決めました。社長も職人も自信満々。半年かけて金型を起こし、パッケージを整え、展示会に出展——ところが反応は鈍い。「品質はすごい」と褒められるのに、注文が入らない。値下げしても動かず、在庫と開発費だけが積み上がりました。

敗因は品質ではありません。『誰が、どんな場面で、いくらなら買うのか』を作る前に一度も確かめていなかったことです。自分たちの技術に惚れ込み、「いいものを作れば売れる」という思い込み(プロダクトアウト)のまま突っ走った。42%が落ちる穴に、まっすぐ落ちたわけです。

2.turn ── 同じ強みで、順番を変えたB社

同じく金属加工のB社も、消費者向け商品を考えていました。違ったのは順番です。金型を起こす前に、社長みずから想定客に会いに行った。「今どんな道具に不満があるか」を10人に聞き、うち3人には試作前のスケッチと想定価格を見せて「これ、この値段で欲しいですか」と率直に尋ねた。

返ってきたのは想定外の答えでした。狙っていた「高級路線」より、『業務用の現場で酷使できる頑丈さ』にお金を払いたい人が多かったのです。B社は方向を業務用に切り替え、まず少量だけ作って数店に置いてもらい、追加注文が来ることを確かめてから量産に入った。投じた金型代は、A社の失敗一回分よりずっと小さく済みました。

技術は両社とも一流だった。分けたのは『作る前に需要を確かめたか』、ただ一点。

3.学び ── 最小の手間で需要を確かめる三段

BEYOND自身、9社で新しい種を試す時、最初にやるのは立派な事業計画書づくりではなく「本当に欲しい人がいるか」の確認です。作り込む前に、次の三段で需要を確かめます。お金も時間も、ほとんどかかりません。

『誰の、どの不満か』を一文で書く
商品の説明ではなく、解決する不満から書く。「◯◯な人が、△△の場面で困っている」。ここが曖昧なまま作ると、A社になる。最初に確かめるのは商品ではなく、痛みの実在問い:その不満、実在する誰かの顔が浮かぶか
作る前に、その人に『5人』会って聞く
試作もスケッチでいい。「今どうしているか」「いくらなら買うか」を5〜10人に直接聞く。褒め言葉ではなく『財布を開くか』を見る。ここで需要のズレが必ず見つかる。問い:想定客に、まだ一人も聞いていないのでは
『最小の形』で一度だけ売ってみる
量産の前に、少量・限定で実際に売って反応を見る(スモールテスト)。買われた/追加が来たという事実だけが、本物の需要の証拠。作り込みは、売れた後で間に合う問い:まだ一円も売らずに、量産を決めていないか

①誰のどの不満かを定め、②作る前に5人に聞き、③最小の形で一度売る。順番を変えるだけで、42%の穴は避けられます。惚れ込んだ商品を否定する作業は苦しいものですが、傷が浅いうちに気づけるのが、この三段の値打ちです。

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4.SEED は、作り込む前に『需要の確認』ごと伴走する

SEED(BEYOND PLAYBOOK)は、立派な事業計画書を書いて終わりにはしません。誰のどの不満かを定め → 作る前に想定客へ聞き → 最小の形で売って確かめるまで、貴社の現場で回る形に一緒に伴走します。私たちは評論家ではなく、自分たちの9社で何度も種を蒔き、需要の無い種を早めに見切ってきた実業集団。惚れ込みで突っ走る前に、傷の浅いうちに向き直せるのが武器です。

まずは無料の新規事業・種まき診断で、いまの種が需要のどこで確かめ切れていないかを掴むところから。結果を見ながら、最初の5人に何を聞くかを一緒に決めましょう。