← SURGEトップへ
#売上アップ#集客・新規#意思決定
Sales Column · 2026.08.11

既存顧客の深耕が1位なのに、
自社の他商材が売れていない(想定事例)

帝国データバンクが2026年3月に公表した『企業の経営課題に関するアンケート』(有効回答5,241件)によると、成長戦略として取り組むべき課題の上位は既存顧客との取引深耕が66.0%、次いで販路開拓が60.5%でした。新規開拓より、いま取引のある相手を深めるほうが先だと、多くの会社がすでに分かっています。それなのに、自社の別部門の商材が既存客にまったく売れていない会社は珍しくありません。原因は営業力でも商品力でもない。社内の構造です。以下は想定事例です。

1.【before】10年通っている客が、隣の部署の存在を知らなかった

従業員45名、3部門を持つ設備会社。空調工事、電気工事、そしてメンテナンスの受託です。それぞれに担当営業がいて、それぞれが自分の数字を追っています。

ある日、空調部門の担当者が10年来の客先で、見慣れない他社の作業車を見かけます。聞くと「電気工事はずっとあそこにお願いしている」。その客は、この会社が電気工事もやっていることを知りませんでした。10年通っていて、です。

社内で共有すると、似た話が次々に出てきました。メンテナンス契約を提案できたはずの現場、空調の更新時期が来ていた電気の客先。売り逃していたのではなく、そもそも売れると認識されていなかった

売り逃していたのではない。売れると認識すらされていなかった

2.『声を掛け合え』では、絶対に回らない理由

この会社が最初にやったのは、朝礼での呼びかけでした。「他部署の商材も紹介するように」。3週間で元に戻りました。理由は三つあります。

一つ目、何を扱っているか正確に言えない。自分の担当外の商材は、価格帯も納期も対応範囲も分からない。間違ったことを言って客の信用を失うリスクを負ってまで、他人の数字を作りたい人はいません

二つ目、紹介しても自分に一円も返らない。売上は受注部門に立ちます。紹介した側は、手間だけ増えて評価は変わらない。善意に頼る仕組みは、忙しくなった瞬間に止まります

三つ目、紹介した後が見えない。つないだ案件がどうなったか分からないと、次につなぐ気が起きません。しかも対応が悪ければ、紹介した側が客からの信用を失います。ここが最大の心理的障壁です。

3.【turn】仕組みにした、四つのこと

商材を『1枚・3行』にまとめて全員に配る
分厚いカタログではなく、1部門3行。何ができるか、いくらくらいか、どんな時に声を掛けるべきか。この会社は3部門をA4半分にまとめました。営業以外の職人や事務も持ちます。現場で客と雑談するのは、たいてい営業ではないからです。ポイント:覚えるのは商品知識ではなく、声を掛ける合図
紹介した人に、金額ではなく『記録』を返す
報奨金は運用が重くなりがちです。この会社が採ったのは、紹介件数を月次で全社に出し、評価面談の項目に入れるだけ。数字が見えると人は動きます。金額で釣るより、見られている状態を作るほうが続きますポイント:インセンティブは金銭より、可視化と評価から
つないだ案件の結果を、必ず紹介者に返す
受けた側は、成否にかかわらず1週間以内に紹介者へ結果を伝えることをルールにしました。断られた場合も理由まで返す。これがないと紹介は二度目がありません。社内の紹介も、外の紹介とまったく同じ作法が要りますポイント:結果報告は、受注より優先度が高い
きっかけの日を、客ごとにカレンダーに置く
『機会があれば』では永久に来ません。空調の更新目安は10年、点検は年1回。客ごとに次に話しかける月を決めて共有カレンダーに置くと、他部門の担当者もその月に合わせて動けます。深耕は根性ではなく、日付の管理です。ポイント:深耕の実体は、次に触れる日を決めること

4.学び ── 増えたのは売上より先に、情報だった

この会社で最初に変わったのは受注ではなく、客先の情報が社内に集まり始めたことでした。他部門の商材を意識して現場を見るようになると、設備の古さや不満の話が耳に入る。提案は、その情報の副産物として出てきます

私たちBEYONDは、外から助言するコンサルではなく、中小企業同士が連合して複数の実業を回している当事者です。複数の事業を持つ側にいるので、この難しさは身に沁みています。事業が増えるほど、社内で互いの中身が見えなくなる。放っておくと、同じ客に別々の会社として接することになります。

だから私たちは、紹介を精神論に置きません。1枚の商材表、結果を返す義務、次に触れる日付。この3つがあれば、特別な営業力がなくても回ります。既存顧客の深耕が課題の1位に挙がる時代に、いちばん売りやすい相手は、すでに自社を信用して取引している人です。そして多くの場合、その人はまだ、御社の半分しか知りません。

60秒・無料診断

お客様は、御社が何を扱っているか全部知っていますか?

単価・商品構成・新規と既存・値決めの観点から、売上の伸びしろがどこにあるかをレーダーで特定します。登録不要・その場で結果。

▶ 売上診断をはじめる 無料で相談する

5.SURGE は、社内で売れる形にするところから作る

SURGE(BEYOND PLAYBOOK)は、営業研修をして終わりにはしません。BEYOND Holdings 自身が実業を回す当事者として、商材の1枚化 → 声を掛ける合図の設計 → 紹介の可視化と評価への接続 → 顧客ごとの接触タイミング管理までを、貴社の商売に合わせて一緒に進めます。新規を増やす前に、いまの客の中に残っている伸びしろを取りにいきます。

まずは無料の売上診断で、売上の伸びしろが単価と客数のどちらにあるかを確かめてみてください。結果を見ながら、最初に紹介を回す一部門を一緒に決めましょう。

※背景データは、成長戦略として取り組むべき課題として既存顧客との取引深耕が66.0%・販路開拓が60.5%であること、調査が2026年1月20日から2月6日に実施され有効回答5,241件であること=株式会社帝国データバンク『企業の経営課題に関するアンケート(2026年)』(2026年3月公表)を参照しました。本文中の会社・数字は、よくある状況をもとに構成した想定事例です。