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#売上アップ#集客・新規#数字・見える化
Sales Column · 2026.07.20

広告を増やす前に、名簿を開く
── 休眠客の掘り起こしという最短距離

売上を伸ばしたい。だから新規開拓に力を入れる──その順番、本当に合っていますか。電通『2025年 日本の広告費』によれば、インターネット広告費は4兆459億円・前年比110.8%。総広告費8兆623億円のうち50.2%と、ついに初めて過半数を超えました。マスコミ四媒体が2兆2,980億円・前年比98.4%と横ばいなのに対し、ネットだけが伸び続けている。裏を返せば、新規客を『買う』入口には、年々多くの会社が殺到し、単価が上がり続けているということです。その一方で、ほとんどの中小企業が手つかずのまま放置している資産があります。一度取引したのに、いつのまにか止まったお客様──休眠客の名簿です。今日は想定事例をもとに、その開き方をお話しします。

1.想定事例:広告を倍にしても、受注は増えなかった

従業員18名、設備部材を扱う商社A社。ここ2年、売上が横ばいで止まっていました。社長の判断は「新規が足りない」。web広告の予算を月10万円から20万円へ倍増し、問い合わせフォームも作り直しました。

半年後。問い合わせ件数はたしかに増えました。ところが受注はほとんど動かない。理由を追いかけると、増えた問い合わせの多くが相見積もり目的で、価格だけを比べて去っていく層だったのです。獲得単価は上がり、対応する営業の手は取られ、広告費を倍にして、利益は前年より減った。よくある話です。

ここでA社が見落としていたのは、すでに一度、自社を選んでくれた人たちの存在でした。

2.名簿を開いたら、そこに答えがあった

販売管理システムから、過去5年の取引先を全部書き出してみる。出てきたのは412社。そのうち直近12か月で1度でも取引があったのは96社だけでした。残りの316社は、止まっている

さらに中身を見ると、316社のうち約4割は、過去に年間50万円以上の取引実績がありました。つまり「うちの商品でちゃんと満足していたはずの会社」が、理由もわからないまま消えている。A社の社長が驚いたのはここです。クレームで切れた先は、数えるほどしかなかった。ほとんどは「担当が代わった」「たまたま他社に頼んだ流れが続いた」「単純に忘れられた」。それだけでした。

広告で新しい人に振り向いてもらうには、認知から信頼まで一段ずつ積み上げる必要があります。でも休眠客には、すでに取引実績という信頼の土台がある。しかも連絡先は手元にあり、接触コストはほぼゼロです。

失注ではなく、ただ忘れられただけ。それが休眠客の正体。

3.休眠客に再接触する4つの型

大事なのは、いきなり売り込まないこと。「思い出してもらう」と「売る」を分けるのが再接触の鉄則です。順番に使える型を4つ挙げます。

まず名簿を『最終取引日』で並べ替える
掘り起こしは、リスト作りが9割。販売管理や請求データから全取引先を書き出し、最終取引日と累計取引額の2列を付ける。これだけで『昔たくさん買ってくれて、今止まっている先』が自動的に浮かび上がる。ここが最優先の再接触先。ポイント:全員に配らない。上位30社に絞ってから動く
最初の一通は『用件なし』で送る
再接触の1回目に見積もりやカタログを送ると、売り込みとして処理されて終わる。最初は近況報告・担当者交代の挨拶・取扱商品が増えた報告だけでいい。目的は返信をもらうことではなく、記憶の棚に自社の名前を戻すこと。ポイント:1通目に価格を書かない
『止まった理由』を素直に聞く
反応があった先には、遠慮せず理由を尋ねる。値段だったのか、納期だったのか、単に担当交代だったのか。答えは今後の全取引に効く情報になる。しかも『わざわざ聞いてくれた』こと自体が、他社との差になる。ポイント:改善する気がないなら聞かない。聞いたら必ず一つは直す
再接触を『年2回の定例』にしてしまう
掘り起こしを一度きりのキャンペーンで終わらせると、半年後にはまた同じ数の休眠客が生まれる。カレンダーに年2回、名簿を洗い直す日を固定する。仕組みにした瞬間、掘り起こしは施策ではなく設備になる。ポイント:担当者の気合いではなく、日付で回す
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4.実業の当事者として言えること

私たちBEYONDは、コンサルとして外から助言するだけでなく、自分たちで複数の実業を回しています。その現場感覚で言えば、休眠客の掘り起こしが効くのは「安いから」ではありません。効く本当の理由は、相手がすでに自社の商品を使ったことがあり、説明が要らないことです。新規なら3回の訪問が必要な話が、休眠客なら電話1本で決まることがある。営業の人手が足りない中小企業ほど、この差は決定的です。

逆に、正直に言っておくべき落とし穴もあります。掘り起こしは、名簿がデータになっていない会社では実行できません。取引履歴が担当者の頭とバラバラのExcelにしかなければ、①の並べ替えが物理的にできない。だから休眠客の掘り起こしは、実は「顧客データを一箇所に集める」という地味な作業とセットです。ここを飛ばして施策だけ真似ると、必ず途中で止まります。

新規開拓が要らないという話ではありません。ただ、広告費が過去最高を更新し続ける市場で、いちばん高い入口から順に手を付ける必要はない。まず名簿を開く。順番を変えるだけで、同じ労力から出てくる売上は変わります。

5.SURGE は、名簿を売上に変えるところまで一緒に作る

SURGE(BEYOND PLAYBOOK)は、「掘り起こしましょう」と言って終わりではありません。BEYOND Holdings 自身が複数の実業を回す当事者として、顧客データの棚卸し → 優先順位づけ → 再接触の文面と型 → 年2回の定例化までを、貴社の商売に合わせて一緒に作ります。眠っている名簿を、動く売上に変えるところまでが私たちの仕事です。

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※背景データは、2025年の日本の総広告費8兆623億円・前年比105.1%、インターネット広告費4兆459億円・前年比110.8%・構成比50.2%(初の過半数)、マスコミ四媒体広告費2兆2,980億円・前年比98.4%=電通「2025年 日本の広告費」(2026年3月5日発表)を参照しました。本文中のA社は、よくある状況をもとに構成した想定事例であり、実在の企業ではありません。