一つ目。値段は前例になります。相手の担当者は社内で『前回はこの金額でした』と説明します。次に正価を出せば、値上げの説明責任がこちらに移ります。何も変えていないのに、自社が値上げした会社になる。
二つ目。安い仕事は、社内で後回しになります。悪意ではなく、優先順位の問題です。結果として納期や仕上がりが落ち、実績づくりのはずが悪い実績になる。ここが一番もったいない失敗です。
三つ目。何が評価されたのか分からなくなります。安いから頼まれたのか、内容が良かったから頼まれたのか。二件目の話が来ても判別できず、次も値段で勝負するしかなくなります。
お試し取引の目的は、安さを見せることではありません。一緒に仕事をする感触を、相手に確かめてもらうことです。だとすれば、削るべきは値段ではなく量・期間・工程のほうです。
全社導入の前に一部署だけ。年間契約の前に3か月だけ。一式の制作の前に、一点だけ。単価は正価のまま、総額だけが小さくなります。
相手にとっては始めやすく、こちらにとっては前例が壊れません。二件目で範囲を広げるとき、単価の説明は要りません。増えるのは量だけだからです。
私たちBEYONDは、外から助言するコンサルではなく、中小企業同士が連合して複数の実業を回している当事者です。新しい取引先との一件目は、こちらも毎回緊張します。
やってみて一番効いたのは、値段の話ではありませんでした。小さく受けると、相手の社内の動き方が分かることです。誰が決裁し、どこで止まり、何を嫌がるか。二件目の提案は、それを踏まえて書けるので通りやすい。これは値引きでは絶対に手に入らない情報です。
逆に、安く受けた案件は情報も薄くなります。相手の本気度が低いので、テスト的に流されて終わる。安い仕事には、安い関与しか返ってきません。
もう一つ、断られたときの意味が変わります。範囲を切って断られたなら、それは相手側の事情です。値段を下げて断られたなら、自社の値決めそのものに疑いが残る。後者は社内に悪い影響を残します。『うちは高いから売れない』という空気が、一件の失注から広がってしまう。
最初の一歩は簡単です。いま提案中の新規案件を一つ選び、これを三分の一の範囲にしたら何になるかを書き出す。単価は触らずに。書けたら、それがそのままお試しの提案になります。
単価・顧客・チャネル・仕組みの4観点から、売上が伸びない原因をレーダーで特定します。登録不要・その場で結果。
▶ 売上診断をはじめる 無料で相談するSURGE(BEYOND PLAYBOOK)は、営業を代行する立場ではありません。BEYOND Holdings 自身が実業を回す当事者として、範囲の切り方 → 判断日の設定 → 成功の定義づくり → 二件目への広げ方までを、貴社の商売の形に合わせて一緒に設計します。狙うのは、値決めを崩さずに入れる入口です。
まずは無料の売上診断で、売上が伸びない原因がどこにあるかを確かめてみてください。結果を見ながら、最初のお試し案件を一緒に組み立てましょう。
※本記事は新規取引の進め方に関する一般的な整理であり、個別の価格設定や取引条件について助言を行うものではありません。取引条件の設定にあたっては、下請代金支払遅延等防止法をはじめとする関係法令に留意し、必要に応じて弁護士等の専門家にご確認ください。本文中の手順は成果を保証するものではありません。