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#価格・値上げ#売上アップ#意思決定#差別化
Sales Column · 2026.06.27

『安くすれば取れる』は
いちばん高くつく

「もう少し安くなりませんか」と言われて、つい値引きしてしまう。その一回が、いちばん高くつきます。原価高が続くなか、価格交渉で一部でも十分でも『転嫁できた』中小企業は57.1%にとどまり(東京商工リサーチ)、コスト増を全額転嫁できたのはわずか27.3%(中小企業庁・2025年9月)。値引きで取りにいくほど、薄い利益がさらに削れていく。打ち手は『1本の見積り』をやめることです。

1.その常識 ── 「安くすれば受注できる」

競合がいる、相手が渋い顔をしている。そんなとき多くの会社が反射的に値引きします。「ここで取らないと次がない」という不安からくる、ごく自然な判断です。実際、目の前の1件は取れるかもしれません。だから値引きは『効く打ち手』だと信じられている。

けれど値引きには、ほかのどんなコスト削減とも違う恐ろしさがあります。削った額が、まるまる利益から消えること。粗利率20%の商売で10万円値引けば、それを埋めるのに50万円の新規売上が要ります。しかも一度引けば、相手は「この会社はまだ下がる」と学習する。値引きは未来の単価まで先食いする、いちばん高い受注方法なのです。

2.実は逆効果 ── 1本見積りが「高いか安いか」の戦いを生む

なぜ値引き合戦になるのか。原因は提案の出し方にあります。見積りを1案だけで出すと、相手の判断軸は「高いか・安いか」しか残りません。比べる相手が他社の見積りだけになり、価格でしか勝負できなくなる。土俵そのものが値引き戦に設定されてしまうのです。

ここで効くのが、行動経済学でいう『極端の回避性』(松竹梅の法則)。性能差が判断しづらい3つの選択肢が並ぶと、人は最も高い案を「贅沢かも」、最も安い案を「ケチに見られるかも」と避け、真ん中を選ぶ傾向があります。比較の相手が他社ではなく『自社の3案』になった瞬間、戦いは値引きから『どれを選ぶか』へ変わる。これが1本見積りを捨てる理由です。

3.自社ならどう動くか ── 松竹梅見積りの作り方

本命を『竹』に置いて先に設計する
いちばん売りたい中位プランを最初に固める。松竹梅は竹から逆算して作る。竹が利益も納得感も成り立つ内容になっていることが起点です。こんな現場:一番安い案を基準に値段を組んでいる
『松』は本気で売れる上位案にする
松は当て馬ではなく、本当に欲しい人がいる構成に。竹を引き立てる基準点になり、運よく松が出れば利益は跳ねる。価格比は松10:竹3が目安。こんな現場:高い案を雑に盛っただけで根拠がない
『梅』は値引きの受け皿として用意する
「安く」と言われたら値引きでなく梅を出す。機能や範囲を削った正規の最安案を示せば、価格は下げても利益率は守れる。こんな現場:値引き要求にその場の即興で応じている
3案の『違い』を価格でなく中身で語る
差は金額の差ではなく、得られる結果の差で説明する。「梅は最低限、竹は失敗を防ぐ、松はさらに先まで」。判断軸を価値に移す。こんな現場:3案の違いが金額の数字だけ
『竹の選択率』を案件ごとに記録する
どの案が選ばれたかを残す。竹が選ばれていなければ価格比か中身がずれている合図。記録すれば見積りは毎回精度が上がります。こんな現場:出しっぱなしで勝ち負けを振り返らない
値引きは「単価」を削る。松竹梅は「選び方」を変える。
戦う土俵を、自分でつくり直せます。

4.正しい打ち手 ── 「下げる」前に「並べる」

誤解しないでほしいのは、これは「絶対に値引くな」という話ではないこと。値引きが要るなら、梅という正規の枠の中で行えばいい。問題は、1本の見積りしか出さず、その1本を場当たりで削ることです。3案を並べた瞬間、相手の関心は「いくら下がるか」から「どれが自分に合うか」へ移る。価格転嫁が4割の会社で止まっている今こそ、削るより先に並べることが効きます。

大切なのは、不安に押されて反射で下げないこと。本命の竹から逆算して3案を設計するSURGEは、この値決めと提案の型を、現場で続く形に落とし込みます。

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5.SURGE は、値決めを「現場で回す」まで伴走する

SURGE(BEYOND PLAYBOOK)は、理屈を説明して終わりではありません。BEYOND Holdings 自身が原価高のなかで複数の実業の単価を守ってきた当事者として、竹の設計 → 松竹梅の組み立て → 選択率の振り返りまで、貴社の現場で続く形に一緒に作ります。値引きは、最後の手段で十分です。

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