Sales Column · 2026.07.17
客単価を上げる=値上げ、ではない
── 値札を触らずに単価を上げる5つの打ち手
2025年の飲食料品値上げは2万609品目と、前年比64.6%増。帝国データバンクが『値上げ常態化』と表現した1年でした。ところが2026年に入ると流れは変わり、値上げ予定は約3500品目・前年比4割減ペースへと明確に収束へ向かっています。ここで多くの社長が迷うのが「客単価を上げたいが、もう一度値札を上げていいのか」。消費者の『値上げ疲れ』が広がるいま、正面からの再値上げは離脱の引き金になりかねません。でも、客単価を上げる方法は値上げだけではない。値札を触らずに、1人あたりの購入額を増やす打ち手を5つ、整理します。
1.『客単価を上げる=値上げ』という思い込み
客単価とは、1回の取引でお客様が支払う平均額のこと。多くの人がこれを上げる=価格を上げる、と直結して考えます。だからこそ値上げが一巡した今、「これ以上は上げにくい」と手が止まってしまう。ここに思い込みがあります。
客単価は、実は「単価 × 点数 × 構成」の掛け算で決まります。一点あたりの値段(単価)を上げなくても、一緒に買ってもらう点数を増やす、より価値の高いプランを選んでもらう、付帯するサービスを足す──これらはすべて客単価を押し上げます。しかも値札は据え置きなので、既存客が「高くなった」と感じて離れるリスクが小さい。値上げラッシュが収束し、価格に敏感になったお客様と向き合う今こそ、値札以外の打ち手が効いてきます。
客単価は単価 × 点数 × 構成。値札を上げなくても、上げる道はある。
2.値札を触らずに単価を上げる5つの打ち手
順番に難易度が上がるわけではありません。自社の商売に当てはめて、今日から試せるものから手をつけるのがコツです。
①セット化・まとめ買いで『点数』を増やす
単品で売っているものを、相性のいい組み合わせにして提案する。定食・コース・スターターキットのように、選ぶ手間を減らしながら1回の購入点数を増やす。単価は変えず、合計額だけが上がる。ポイント:お客様の『次に必要になるもの』を先回りして束ねる
②松竹梅の『竹』で構成を変える
選択肢が1つだと、お客様は『買うか買わないか』で迷う。3段階(松・竹・梅)を用意すると、判断は『どれにするか』に変わり、多くが真ん中の竹を選ぶ。梅より高い竹に自然と誘導でき、平均単価が上がる。ポイント:一番売りたいものを『真ん中』に置く
③アップセルは『買った後』の一言で決まる
購入を決めた直後は、少し良いものへの心理的ハードルが最も低い瞬間。『あと少しで送料無料』『上位プランなら◯◯も付きます』の一言を、決済の前に必ず置く。押し売りではなく、お客様の得になる情報として渡す。ポイント:迷っている前ではなく、決めた後に提案する
④付帯サービスを『有料の安心』に変える
これまで無料で提供していた設置・保証・アフター対応を、明確なサービスとして値付けする。値上げ疲れの時代でも、『安心』や『手間の肩代わり』にはお金が払われる。本体価格は据え置いたまま、取引全体の単価が上がる。ポイント:タダでやっていた価値を、選べる有料オプションにする
⑤最低ロット・最低取引額を設計する
BtoBや卸なら、1回あたりの最低発注額を設けるだけで、小口の赤字取引が減り、1件あたりの単価が底上げされる。値段は変えず、『取引の形』を整えるだけ。手間の重い少額注文を減らせば、利益率も同時に改善する。ポイント:値段ではなく『取引の下限』を決める
3.実業の当事者として言えること
私たちBEYONDは、コンサルとして外から助言するだけでなく、自分たちで複数の実業を回しています。その現場感覚で言えば、①〜⑤の中で最も即効性があるのは②の松竹梅と③のアップセルです。既存の商品を組み替えるだけで、新しい仕入れも広告費も要らないからです。逆に①のセット化と④の付帯サービスは、お客様が本当に一緒に欲しいものは何かを掴んでいないと、押し売りに見えて逆効果になります。
大事なのは、5つを一度に全部やろうとしないこと。まず1つ、自社で一番自然に試せるものを選ぶ。値札に手をつけず単価が上がる感覚を掴めば、値上げ疲れの逆風の中でも、売上は静かに積み上がっていきます。値上げの是非で悩む前に、単価を構成する掛け算のどこを動かせるかを見てみてください。
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4.SURGE は、単価の設計まで一緒に作る
SURGE(BEYOND PLAYBOOK)は、値上げの号令をかけて終わりではありません。BEYOND Holdings 自身が複数の実業を回す当事者として、商品構成の組み替え → 松竹梅とアップセルの設計 → 現場で回る提案の型までを、貴社の商売に合わせて一緒に作ります。値上げ疲れの時代に、値札を触らずに客単価を押し上げるところまで形にするのが私たちの武器です。
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※背景データは、2025年の飲食料品値上げ2万609品目・前年比64.6%増・『値上げ常態化』、および2026年の値上げ予定約3500品目・前年比約4割減ペース=帝国データバンク「食品主要195社 価格改定動向調査(2025年通年/2026年見通し)」を参照しました。本文中の打ち手・事例は、よくある状況をもとにした一般的な整理です。