この会社の営業4人が持っていた顧客は、中身がまったく違いました。Aは長年の大口が3社。Bは新規開拓が中心。Cは小口を50社。Dは前任から引き継いだばかり。
同じ9,000万円でも、意味が違います。Aは去年と同じことをしていれば届く。Bは去年の倍を取らないと届かない。公平に割ったつもりが、実際には難易度が四通りありました。
そして厄介なのは、本人たちはそれを全員分かっていることです。分かったうえで口に出せない。だから会議では、数字の話を避けるのが最も安全な振る舞いになります。
やったことは単純です。各担当が持つ取引先を、四つに分けて金額を置きました。
①来期も確実に続く。②続くが金額が読めない。③今期で終わる可能性がある。④これから取る。①と②の合計が、その担当の『土台』です。
全社目標から、4人分の土台の合計を引く。残った差額が、会社として本当に新しく取らなければならない額でした。出してみると、差額はAが小さくBが大きい。当然です。Bは新規担当なのですから。
目標は等分ではなく、この差額を担当の状況に応じて配り直す形になりました。金額の合計は変わっていません。変わったのは、それぞれの数字が自分の取引先とつながったことです。
私たちBEYONDは、外から助言するコンサルではなく、中小企業同士が連合して複数の実業を回している当事者です。営業目標の置き方では、何度も失敗してきました。
実感として、目標の割り算は、決める側の手間を省くための方法です。営業のための方法ではありません。半日かけて積み上げるより、電卓で割るほうが早い。その差の半日を惜しんだ結果が、一年分の士気になって返ってきます。
そして、割り算の一番の害は金額の不公平ではなく、会話が止まることでした。目標が自分の担当先と結びついていないと、進捗を説明しても意味が伝わらない。結果として報告は形式になり、一番早く知りたい悪い兆候だけが上がってこなくなります。
もう一つ、経営側にとって大事な点があります。積み上げにすると、社長は全社目標に足りないという事実に正面から直面します。割り算は、この直面を先送りするための道具でもある。足りないなら、どこから取るかを決めるのは経営の仕事です。営業に等分して配った瞬間、その判断を現場に押し付けたことになります。
注意点も一つ。積み上げは時間がかかります。4人で半日ほど。年に一度なら、十分に払える時間です。
最初の一歩は、担当ごとに取引先を四分類して、①と②の合計を出すこと。これだけで、来期の土台が見えます。
単価・顧客・チャネル・仕組みの4観点から、売上が伸びない原因をレーダーで特定します。登録不要・その場で結果。
▶ 売上診断をはじめる 無料で相談するSURGE(BEYOND PLAYBOOK)は、営業を代行する立場ではありません。BEYOND Holdings 自身が実業を回す当事者として、取引先の四分類 → 土台の算出 → 維持分と上積み分の切り分け → 未達時に見る項目の設定までを、貴社の顧客構成に合わせて一緒に組み立てます。狙うのは、自分の担当先とつながった目標です。
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※本記事の会社の場面は、中小企業でよくある状況をもとに構成した想定事例であり、特定の企業を指すものではありません。営業目標の設定や未達時の取扱いが人事評価・賃金に関わる場合は、就業規則および労働関係法令との整合を確認してください。個別の運用は社会保険労務士にご確認ください。本文中の手順は一般的な整理であり、成果を保証するものではありません。