Sales Column · 2026.07.11
『売って終わり』が
一番もったいない
広告費をかけて新規を集める。売れる。そして──それきり。多くの中小企業が、この『売って終わり』を毎日くり返しています。けれどマーケティングには古くからよく知られた目安があります。新規のお客様を獲得するコストは、既存のお客様を維持するコストの約5倍(1:5の法則)。さらに顧客の離れを5%改善すれば、利益は25%改善する(5:25の法則)とも言われます。つまり、一度買ってくれた人の『2回目』を設計するほうが、新規を追い続けるよりはるかに低コストで売上が伸びる。今日はある想定事例を軸に、売り切りからリピートへ変える『2回目の導線』の作り方を、実業を回す当事者目線でお話しします。
1.ある社長の『穴の空いたバケツ』(想定事例)
※以下は、よくある中小企業の状況を想定事例として描いたものです。
Before ── 新規は取れる。でも増えない
地方でリフォームと設備販売を手がける、年商1.5億の会社。社長は集客に熱心で、チラシとネット広告に毎月しっかり予算を割いていた。問い合わせは取れる。受注もある。それなのに、売上が一向に積み上がらない。理由が分からず『広告が足りないのか』とさらに新規に予算を足していた。
よく見ると、一度工事をしたお客様との縁が、引き渡しの日で切れていた。アフターの連絡もなく、次の相談は他社に流れる。新しく入れた水は、底の抜けたバケツから漏れ続けていた。集めるほど漏れる——これが『売って終わり』の正体だった。
2.気づき ── 追うより、こぼさない
この社長が変わったきっかけは、数字を一度だけ並べたことでした。『去年、工事したお客様のうち、今年もう一度取引したのは何%か』。出てきた数字は、想像よりずっと低かった。一方で、数少ないリピート客の一件あたり利益は、新規より明らかに高い。広告費がかからず、値引き合戦にもならないからです。
ここで冒頭の目安が効いてきます。新規獲得は既存維持の約5倍のコスト(1:5の法則)。同じ労力を、新規を1件増やすことに使うか、既存客の2回目を1件生むことに使うか──後者のほうが安く、利益も厚い。5:25の法則が示す通り、離れを少し減らすだけで利益は大きく変わる。社長の課題は『どう集めるか』ではなく、『どうこぼさないか』に変わりました。
新規を追うほど、バケツの底から漏れていく。穴をふさぐ2回目の設計が、一番安い売上の伸ばし方だ。
3.2回目を『設計』する ── 運任せをやめる3手
リピートは『良いものを売れば自然に増える』ものではありません。2回目のきっかけを、こちらから設計して初めて生まれます。この会社が実際に組んだのは、次の3つでした。
①『次に困る時』を先回りして予定に組む
工事の引き渡し時に、『半年後に一度点検にうかがいます』と次の接点を約束し、その場でカレンダーに入れる。お客様が次に困るタイミングを、こちらから予定にしておく。2回目は待つのではなく、あらかじめ約束しておくもの。最初の一手:引き渡し・納品時に『次の接点』を1つ約束して記録する
②買った人だけの『次の一歩』を用意する
一度取引した人に、既存客だけの追加メニューや優待を用意する。新規向けの入口商品とは別に、『2回目の人にちょうどいい提案』を作る。売り切りの単品で終わらせず、次に進む階段を1段用意しておく。最初の一手:一度買った人にだけ勧める『2つ目の商品』を1つ決める
③忘れられない頻度で、役に立つ連絡を続ける
売り込みではなく、季節の注意点やメンテのコツなど『役に立つ情報』を定期的に届ける。思い出してもらえれば、次に困った時に一番に声がかかる。連絡が途切れた瞬間に、お客様は他社の広告に拾われる。最初の一手:既存客へ月1回、売り込み抜きの短い便りを送る仕組みを作る
4.学び ── 自社ならどう動くか
この想定事例の社長がやったことは、派手な施策ではありません。①次の接点を約束する → ②2回目用の一歩を用意する → ③役に立つ連絡を絶やさない。たったこれだけで、漏れていたバケツの穴がふさがり、広告費を増やさずに売上が積み上がり始めた。BEYONDグループも複数の実業で同じ壁にぶつかり、『新規をもっと』の前に『一度買ってくれた人の2回目を設計する』ことで、いちばん確実に売上を伸ばしてきました。
まず自社に問うべきは一つ。『去年のお客様のうち、今年もう一度買ってくれたのは何%か』。この一問に数字で答えられないなら、そこが伸びしろです。新規を追う前に、こぼしている2回目を設計する。それが、SURGEの考える最短の売上の伸ばし方です。
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5.SURGE は、2回目の設計から売上づくりに伴走する
SURGE(BEYOND PLAYBOOK)は、集客のノウハウを渡して終わり、ではありません。BEYOND Holdings 自身が複数の実業で現場を回してきた当事者として、リピート率の見える化 → 2回目の接点の約束づくり → 既存客向けの次の一歩の設計 → 途切れない連絡の仕組み化までを、貴社の商売に合う形で一緒に作ります。新規の広告を増やす前に、こぼれている売上をふさぐのが私たちのやり方です。
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※本記事で触れた『1:5の法則(新規獲得は既存維持の約5倍のコスト)』『5:25の法則(顧客離れを5%改善すると利益が25%改善)』は、フレデリック・ライヘルド氏らの提唱として広く知られるマーケティングの経験則で、業種や条件により実際の数値は異なります。登場する会社・数字は想定事例です。本記事の手順は一般的な顧客維持の考え方に基づくもので、個別の判断は自社の状況に合わせてご検討ください。