普段なら100円の水を、砂漠で1000円で出されても、喉が渇いて死にそうな人は迷わず買います。ぼったくりだ、とは思わない。そのとき、その人にとって、水は1000円よりはるかに価値があるからです。
モノの価値は、固定されていません。環境によって、いくらでも変わる。これが本質です。一方で価格は、世の中を金銭で回すための便利な"ものさし"でしかない。価格はただの指標。価値とは、別物です。ここを混同すると、ずっと値段の話から抜け出せなくなります。
では、商売における「砂漠」「渇き」とは何か。答えはシンプルで、お客さま自身が、困ったときです。そして価値とは、つきつめれば「困ったときに、頼りになるか」。これに尽きます。
平時は、正直、どこに頼んでも大差ありません。だから値段で比べられる。けれど本当に困った瞬間、真っ先に顔が浮かぶ会社かどうか──そこで初めて、お客さまは値段ではなく"頼れること"を選びます。その瞬間、価格は指標の座から降ります。
多くの中小企業の社長が、「うちは大手より高い、どう安くするか」で消耗しています。でも、戦う場所がそもそも違う。安さ競争は、体力のある者が勝つ消耗戦です。
そうではなく、お客さまが困ったときに、真っ先に頼られる存在になる。そこを取れば、値段の話にはなりません。数万円の品を、何倍もの費用でヘリ運搬した話を以前書きましたが、あれも結局これです。困りごとを解決し切ったから、お客さまは「それでも安い」と言った。価値が、価格を上回ったのです。
では「困ったときに頼られる会社」になるために、社長は普段から何をしておくべきか。私の答えは、ひとつです。覚悟を決めておくこと。
たとえば──夜中だろうが、なんだろうが、その電話に気づけるか。そんな人間が、どれだけいるか。価値とは、結局その「やるか、やらないか」です。困ってから考えるのでは遅い。平時のうちに、そこまでやると腹を決めておく。その覚悟の差が、そのまま価値の差として、お客さまに伝わっていきます。
この考え方に『わかる』と思ったら。相談ではなく、共感のひと言からで構いません。BEYOND は、9つの実業で毎日この問いに向き合っている当事者です。
▶ BEYONDに相談する 他の記事を読む「価値を提供すること」「スピードは情熱」「すべての状況を、良い意味で楽しむ」── これが、私たちが日々現場で握りしめている軸です。ほかの考え方はライブラリに、BEYOND PLAYBOOK の全体像はトップにまとめています。同じ温度で経営をしている社長と、いつか机を並べられたら嬉しいです。