← NORTHトップへ
#経営理念#採用
Management Column · 2026.10.15

内定を辞退した理由は、
本人ではなく家族だった(想定事例)

面接の感触は良かった。本人も前向きだった。それでも内定を辞退されました。
理由を聞いて返ってきたのは、家族に相談したら反対されたという一言でした。
中小企業の採用には、面接に来ない人による審査があります。以下は想定事例です。

1.【before】三件連続で、同じ理由だった

従業員27名の金属加工会社。中途採用を進めていて、半年で三人に内定を出しました。

三人とも辞退しました。理由はそれぞれ違う言い方でしたが、中身は同じでした。家族が心配している。

社長は最初、条件の問題だと考えました。給与を上げる検討をした。ところが、辞退した一人から後で聞いた話はこうでした。『給与は問題なかった。会社が分からないと言われた』。

2.審査する側は、会社を見ていない

本人は面接に来て、工場を見て、社長と話しています。判断の材料があります。

家族は違います。会ったことも見たこともない。材料は二つだけです。本人から聞いた話と、社名を検索して出てきたもの。

本人は見て判断する。家族は、検索して出てきたものだけで判断する。

この会社の場合、社名で検索して出てくるのは十年前のまま更新されていない会社概要と、求人媒体の掲載だけでした。危ないとは思われないが、安心もされない状態です。

そして本人は、家族に説明する言葉を持っていませんでした。『良い会社だと思う』以上のことを言えない。説明の責任が、いちばん情報を持っていない人に預けられていたということです。

3.【turn】持ち帰れる一枚を作った

やったことは単純でした。面接の最後に渡す一枚を作る。宛先は本人ではなく、本人が見せる相手です。

作る上での縛りを一つだけ決めました。業界の言葉を使わない。読むのは同業の人ではないからです。

4.一枚に書いた、四つのこと

①何を作っている会社かを、製品名ではなく用途で書く
『精密部品の加工』では伝わりません。その部品が最後に何に使われるかを書く。身近な製品の名前まで下ろすと、家族でも話が繋がります。自分の子や配偶者が何に関わる仕事をするのかが見えると、評価が変わります。ポイント:工程名ではなく、最終用途まで下ろす
②続いている年数と、取引先の数を書く
家族がいちばん気にするのは続くかどうかです。創業年、十年以上続いている取引先の数。金額は要らず、続いている事実だけでいい。社名を出せないなら『十年以上のお取引が◯社』で足ります。ポイント:続いている事実が、安心の中身
③働き方の実際を、数字で書く
休みの日数、残業の実際の平均、通勤の目安。制度ではなく実態を書くのが要点です。制度を書くと求人票の再掲になり、家族は読み飛ばします。実際どうなのかが知りたい相手に向けて書きます。ポイント:制度ではなく、実態の数字を書く
④困ったときに誰に連絡できるかを書く
連絡先と名前を入れます。使われることはほぼありませんが、書いてあること自体が意味を持ちます。何かあったら連絡できる相手がいる会社かどうか。この一行の有無で、読後の印象が変わります。ポイント:使われなくても、書いてあることが効く

5.渡すのは、内定を出す前

この一枚をいつ渡すかで効き方が変わります。この会社は最初、内定通知と一緒に渡していました。

変えたのは、面接の最後です。理由は、家族への相談が内定の前に起きているからです。内定が出てから渡しても、相談は済んでいます。

そして渡すときの一言も決めました。『ご家族に聞かれたら、これを見せてください』。家族のためと言い切る。本人の判断を疑っているように聞こえないよう、言い方を揃えました。

6.【after】辞退の理由が変わった

その後の半年で、二人が入社しました。辞退も一件ありましたが、理由は通勤距離でした。

社長の受け取りはこうでした。条件で断られるのはいい。分からないから断られるのが損だった。

副産物もありました。この一枚は異動と配置換えの説明にも使えた。勤務地が変わる話をするとき、本人が家族に説明する材料が要るのは採用と同じでした。

7.実業の当事者として言えること

私たちBEYONDは、外から助言するコンサルではなく、中小企業同士が連合して複数の実業を自分たちで回している当事者です。採用も異動も自分たちでやっています。

見落としていたのは、社員が家族に会社の話をしているという当たり前の事実でした。毎日の会話の中で、会社がどういうところかが伝わっている。そこに渡している材料が、こちらには見えていません。

効いたのは、社員向けに作った説明をそのまま使えるようにしたことでした。社内で使っている言葉が、家族にも届く言葉になっていれば一枚で済む。逆に社内向けの説明が業界用語だらけなら、家族には何も伝わっていません。

もう一つ。これは理念の話でもありました。自社がどういう会社かを、業界の外の人に一枚で説明できるか。できないなら、社内でも共有されていない可能性があります。家族に説明できるかどうかは、理念が言葉になっているかの検査になります。

今日やるなら、一つで足ります。自社の説明を、家族に読んでもらう。分からないと言われた箇所が、直す場所です。

60秒・無料診断

自社の説明は、社員の家族が読んで分かる形になっていますか?

60秒の無料診断で、決めたことが社内でどこまで共有されているかを確かめられます。

▶ 経営理念・浸透度診断をはじめる 無料で相談する

8.NORTH は、外の人に届く言葉づくりから一緒に立つ

NORTH(BEYOND PLAYBOOK)は、会社案内を作って終わりではありません。BEYOND Holdings 自身が実業を回す当事者として、最終用途までの言い換え → 続いている事実の棚卸し → 実態の数字の整理 → 渡すタイミングと一言の設計までを、貴社の商売の形に合わせて一緒に進めます。

まずは無料の経営理念・浸透度診断で、決めたことが社内にどこまで届いているかを確かめてみてください。結果を見ながら、一枚に書く四つを一緒に決めましょう。

※本記事の事例は、中小企業で起こりうる場面を想定して構成したものです。特定の企業の実例ではなく、記載の人数・件数はすべて説明のための仮の数値です。労働条件の明示や異動に関する取扱いには関係法令にもとづく定めがあり、個別の対応は社会保険労務士にご確認ください。

記事はここまで

読んだ今が、いちばん動きやすい

経営理念・浸透度診断は60秒・登録不要。その場で結果が出ます。相談するかどうかは、結果を見てから決めてください。

▶ 経営理念・浸透度診断をはじめる NORTHとは?
続けて読む
条件で負けても、旗で勝つ#採用 · 2026.07.19 賃上げ競争では勝てない中小が、理念を採用と評価に落とす理由#経営理念 · 2026.07.03 「理念は中小企業に不要」は逆。今ほど旗が効く時代はない#経営理念 · 2026.06.14