【想定事例】従業員18名の内装工事会社。専務の岡田さん(仮名)は案件管理の表をきちんとつけ、失注には必ず理由を書いていました。半年分をめくると、23件の失注のうち19件の理由欄に『価格』とだけ書いてあった。
この記録から導かれる打ち手は、ひとつしかありません。もっと安くする。実際じりじりと見積を下げていましたが、受注率は上がらず、削った粗利のぶん現場が苦しくなっただけでした。
落とし穴は、失注理由を書くのが断られた側の営業担当だという点です。自分の提案が悪かったとは書きにくい。価格のせいにすれば誰も傷つかず、上司も納得する。こうして『価格』の一語が、本当の負け筋を覆い隠していきます。
岡田さんは、直近で失注した3件の担当者に電話をかけました。売り込みではなく、教えてもらうために。返ってきたのは、記録とはまるで違う中身でした。
1件目は納期。金額はほぼ互角だったが、引き渡しまでの見通しが最後まで曖昧で、開店日を動かせない先方は確実な方を選んだ。2件目は誰が現場に来るのか分からなかったこと。見積書に会社名しかなく、任せていいのか判断がつかなかった。3件目は比較ができなかった——一式でまとめた見積は、削れる部分も上げる部分も分からず、社内稟議に出しにくかった、と。
3件のうち、純粋に金額で負けたものは一件もありませんでした。価格は、決められなかった理由を包む言葉だった。しかもそのどれもが、見積を出す前に手を打てたことばかりでした。
失注ヒアリングは、やると決めただけでは続きません。岡田さんが決めたのは、次の三つでした。
【想定事例のその後】岡田さんが変えたのは、見積書のほうでした。一式表記をやめて工程ごとに分け、担当する職長の名前と引き渡しまでの日程表を添える。値段は下げていません。むしろ根拠が見えるぶん、以前より強気に出せるようになりました。
何より、失注が資産に変わりました。『価格』の一語で埋まった記録からは何も生まれませんが、工程で分けた記録が溜まれば、どこを直せば受注が増えるかが順番で見えてくる。値引きは一度やると戻せません。負け筋の言語化は、やるほど効いていきます。
私たちBEYONDも、9社の実業を回す当事者としてこの作業を続けています。倒産が上半期で5,335件と4年連続で増え、物価高倒産・人手不足倒産がいずれも過去最多を更新した(帝国データバンク・2026年上半期報)いま、粗利を削る値引きは体力を確実に奪う。負けた相手に電話をかけるのは気が重い。それでも一件の電話は、一件の値引きよりずっと安く、ずっと長く効きます。
単価・リピート・紹介・新規導線の4観点から、いま取りこぼしている売上と、最初に手を打つべき経路をレーダーで特定します。登録不要・その場で結果。
▶ 売上診断をはじめる 無料で相談するSURGE(BEYOND PLAYBOOK)は、失注分析のフォーマットを渡して終わりにはしません。BEYOND Holdings 自身が複数の実業を回す当事者として、誰がいつ聞くかを決める → 価格以外を引き出す質問の型をつくる → 工程で分類して見積と提案に戻すまで、貴社の商談の流れに合わせて一緒に組み立てます。見積書そのものの組み方は値引きに負けない松竹梅見積りも併せてどうぞ。
まずは無料の売上診断で、貴社の売上が単価・客数・紹介・新規導線のどこに偏り、どこで取りこぼしているかを掴むところから。結果を見ながら、最初の一手を一緒に決めましょう。
※文中の内装工事会社の事例は、よくある状況をもとにした想定事例です。統計は、中小企業庁『価格交渉促進月間(2026年3月)フォローアップ調査結果』(2026年6月26日公表/価格交渉実施率90.7%、価格転嫁率54.2%、労務費の転嫁率50.0%)、および帝国データバンク『倒産集計 2026年上半期報』(2026年7月8日公表/倒産5,335件、物価高倒産・人手不足倒産が過去最多)を参照しました。数値は調査時点・調査主体により幅があります。