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#新規事業#意思決定#財務・資金繰り
Management Column · 2026.07.30

第二の柱は
本業が好調なうちにしか撒けない

2026年上半期の企業倒産は5,335件・4年連続の増加。物価高倒産556件、人手不足倒産227件、後継者難倒産312件はいずれも過去最多を更新しました。そして6月、日銀は政策金利を1.00%へ。この二つが同時に起きたということは、本業が痛んでから次の柱を探すという従来の順番が、成立しなくなったということです。種を撒ける期間は、思っているより手前で終わります。

1.いま起きていること ── 痛みの理由が『外側』に移った

帝国データバンクの集計によると、2026年上半期の倒産件数は5,335件で前年同期比6.6%増、上半期として2年連続の5,000件超えとなりました。内訳では物価高倒産が556件、人手不足倒産が227件、後継者難倒産が312件と、いずれも過去最多を更新しています(帝国データバンク)。

注目すべきは中身です。販売不振という自社の努力で挽回しうる理由ではなく、コストと人という外側の条件で折れている。つまり、本業の中でどれだけ頑張っても効かない領域が広がっている。加えて2026年6月16日、日銀は政策金利を0.75%から1.00%へ引き上げました(第一生命経済研究所)。マイナス金利解除以来、累計で1.00%の利上げです。

2.『余裕ができたら』が通用しなくなった理由

新規事業の相談で最も多い言葉が「本業が落ち着いたら」です。ゼロ金利の時代、この判断は間違いではありませんでした。立ち上げの赤字を借入で支える費用がほぼタダだったからです。金利のある世界では話が変わります。時間を金で買う行為に、はっきり値札が付いた。同じ運転資金でも、抱える期間が長いほど確実に高くつく。

さらに悪いことに、本業が痛んでからの新規事業は最も条件の悪い状態で始まります。既存事業のキャッシュが細り、金融機関の目線は厳しくなり、社内の人手は本業の火消しに取られる。試行錯誤に必要な時間も、外す権利も、そのときにはもう残っていない。第二の柱は余裕の産物ではなく、余裕があるうちにしか着手できない工事です。

種は、土が乾いてからでは撒けない。まだ実っている畑にしか撒けない

3.自社ならこう判断する ── 撒き時を決める三点

BEYONDは9社の連合体で、それぞれが本業を回しながら次の柱を試しています。その中で「いつ撒くか」を決めるために、実際に使っている基準を三つ挙げます。壮大な事業計画の前に、この三つだけ先に答えを出してください。

本業が『黒字の期』にしか、種は撒かないと決める
着手条件を気分ではなく数字にする。本業の営業利益が出ている期だけ新規に人と金を割り当て、赤字期は撒かず育てるだけに徹する。この線を先に引いておくと、好調期に『今は忙しいから』と先送りする判断が使えなくなる。撒き時を逃す最大の理由は不況ではなく、好況期の多忙。問い:今期は撒ける期か、撒けない期か、数字で答えられるか
投じる上限を『失っても本業が揺れない額』で先に切る
金利のある世界では、赤字を長く抱えるほど損が膨らむ。だから始める前に、失っても本業の資金繰りが揺れない金額を上限として決め、超えたら撤退する。上限を決めていない新規事業は、追加投入の判断を毎回感情で下すことになり、たいてい引けなくなる。問い:この新規事業に、いくらまでなら払って学べるか
金より先に『誰の何時間』を確保する
中小企業で新規事業が止まる原因は資金より時間。予算を付けても、担当者の週の予定に枠が無ければ一行も進まない。誰が週に何時間をここに使うかを先に決め、その分の本業をどう外すかまで書く。人手不足倒産が過去最多という現実は、人の時間こそ最も希少な原資だと示している。問い:来週の予定表に、新規事業の時間は入っているか

順番は、①撒ける期かを数字で判定し、②失える上限を切り、③時間の枠を先に取る。第二の柱は、余裕が生んだ贅沢ではありません。外側の条件で折れる会社が過去最多を更新し、時間に金利という値札が付いた今、本業が好調なこの瞬間こそが、いちばん安く種を撒ける期間です。

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4.SEED は、撒く中身と撒く時期を一緒に決める

SEED(BEYOND PLAYBOOK)は、事業アイデアを出して終わりにはしません。撒ける期かを数字で判定する → 失える上限を切る → 誰の何時間を使うかを予定表に入れるまで、貴社の実情に合わせて一緒に決めます。私たち自身が9社それぞれの本業を回しながら次を試している当事者。金利と人手の制約を同じ側で受けている集団だからこそ、机上ではない撒き時の判断ができるのが武器です。

まずは無料の新規事業の種・診断で、自社の強みと撒ける体力を掴むところから。結果を見ながら、今期撒くか来期にするかを一緒に決めましょう。