図が効くのは、読む側がすでに内容を知りたいと思っているときです。商談の場、見積の説明、社内の引き継ぎ。ここでは図一枚が十分の説明を置き換えます。
効かないのは、まだ関心がない段階です。検索から来た人は、自分の困りごとに関係があるかを数秒で判断します。そのとき見ているのは図ではなく、見出しと最初の数行です。
図は、読む前に理解の準備を要求します。どこから見ればいいかを考えないといけない。関心が薄い段階では、その手間が離脱の理由になります。
もう一つの問題は更新です。文章は一行だけ直せます。図は、作った道具とファイルが残っていなければ作り直しになります。
作った人が辞めていれば、元のファイルの場所から探すことになる。結果として直されず、中身が古い図が残ります。
金額や制度が入った図は、特に危ない。古い数字が図の中にあると、本文を直しても信用が落ちます。
やめる必要はありません。使う場面を絞るのが正解でした。言葉で書くと長くなるものだけに使います。
一つ目は分岐。条件によって進み方が変わるもの。『この場合はこちら、そうでなければこちら』が三回以上出てくるなら、図のほうが短い。
二つ目は比較。二つか三つの選択肢を同じ観点で並べるもの。これは図というより表で足ります。表は直せるので、図より寿命が長い。
三つ目は位置関係。どこに何があるか、誰と誰がどうつながっているか。順番がない情報は、文章にすると読む側が頭の中で組み立て直すことになります。
逆に、手順や理由は図にしません。順番のあるものは箇条書きのほうが速く、理由は文章でしか書けません。図にすると情報が落ちます。
ここまで外向けの話をしてきましたが、図がいちばん効くのは社内です。
社内の読み手は、関心が薄い段階を飛ばしています。自分の仕事に関係があると分かっているので、図を読む準備ができている。引き継ぎ、分岐の多い作業、誰に聞くかの一覧。この三つは図にすると定着します。
だから作る順番としては、社内向けに作ったものを、必要なら外向けに流用するほうが無駄がありません。逆の順番で作ると、外向けに整えた図が社内では使われないことがよくあります。
私たちBEYONDは、外から助言するコンサルではなく、中小企業同士が連合して複数の実業を自分たちで回している当事者です。説明の資料は何度も作り直してきました。
反省としてはっきりしているのは、見栄えのする図を作った時期が、いちばん更新が止まっていたことです。きれいに作るほど直す心理的な壁が高くなり、古い図が残りました。
いま効いているのは、手書きの分岐図です。紙に書いて写真を撮り、変わったら書き直して撮り直す。見栄えはしませんが、中身が合っています。合っている手書きは、古い清書より役に立つ。
もう一つ。図を作ると、自社の説明の抜けが見つかります。分岐を描こうとすると、条件が決まっていない箇所で手が止まる。止まった場所が、社内でも決まっていない論点でした。発信の道具として作りながら、整理の道具として効く。これが図の本当の使いどころだと考えています。
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※本記事の整理は一般的な考え方であり、成果を保証するものではありません。図やイラストを外部から入手して使う場合は、著作権および利用許諾の範囲にご注意ください。
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