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#情報発信#ブランディング
Branding Column · 2026.10.22

他社の資料を一枚貼った
投稿に、連絡が来た(想定事例)

業界レポートに載っていた図を、一枚そのまま貼って投稿しました。自社の見解を添えて。
三日後、発行元から連絡が来ました。削除依頼ではありませんでした。
用件は、出典の表記についてでした。以下は想定事例です。

1.【before】良い図があったので、貼った

従業員26名の設備関連の会社。発信を始めて二年目で、月に二本の記事を出しています。

その月の題材は、業界の需要動向でした。調べる途中で、調査会社のレポートに分かりやすい図を見つけました。

記事には、図を画像として貼り、下に自社の見解を三段落書きました。出典は、調査会社の名前だけを一行。

書いた担当者に悪意はありません。むしろ名前を出しているのだから問題ないと考えていました。社内でも誰も止めませんでした。

2.連絡の中身は、削除依頼ではなかった

発行元からのメールは、丁寧なものでした。要点は二つでした。

一つめ、図の全体をそのまま掲載することは、同社の定める利用条件の範囲を超えている。

二つめ、出典の表記に、レポートの名称と公表年が入っていない。社名だけでは、どの資料か特定できない。

対応として求められたのは、削除ではなく修正でした。図を外して数値の引用に変えるか、所定の表記に直して許諾の手続を取るか。

問題になったのは、使ったこと自体ではなかった。使い方と、特定できる表記があるかどうか。

社長が驚いたのは、相手が自社の記事を読んでいたことでした。発行元は、自社の資料がどう使われているかを見ています。

3.引用と転載は、別のもの

この会社が社内で混同していたのが、ここでした。

他人の著作物の利用については著作権法上の定めがあり、引用として認められる範囲や出所の明示の方法には要件があります。転載に許諾が必要な場合の判断も、法令と裁判例にもとづきます。

要件の解説は本稿の役目ではありません。実務で必要なのは、要件を暗記することではなく、社内で迷わない線を決めることです。

この会社が最初にやったのは、法令を調べることではありませんでした。過去二年分の自社の記事を全部見直して、他社の情報を使っている箇所を数えることでした。

出てきたのは41か所。そのうち図や表をそのまま貼っていたのが9か所、数字だけを文章で引いていたのが32か所でした。

4.【turn】使ってよい範囲を、四つに分けて紙にした

①数字を文章で引くのは、出典の形を決めて自由にやる
最も使う形なので、迷わないように型を固定します。発行元・資料名・公表年を、必ず三点そろえて書く。社名だけ、年だけ、という形を禁止しました。型が決まっていると、書く側は調べる段階で三点をメモするようになります。後から探し直す手間がなくなり、結果として表記漏れも消えました。ポイント:出典は三点セット。型を固定すると漏れが消える
②図や表をそのまま貼るのは、許諾を取ってからに限る
ここを一律で止めました。貼りたい図があったら、発行元に問い合わせてから。手間ですが、問い合わせると意外に許諾が出ます。断られた場合は、数値だけを引いて自社で作り直す。作り直した図には、元データの出典を三点セットで入れる。この運用で、9か所の既存記事も順次直しました。ポイント:そのまま貼るなら許諾。出ないなら作り直す
③発行元が定める利用条件を、使う前に一度読む
法令とは別に、発行元自身が利用の条件を公開している場合があります。商用利用の可否、改変の可否、表記の指定。ここを読まずに法令だけを気にしていたのが、この会社の抜けでした。調査データを使うときは、資料のページにある利用条件を先に確認する。たいてい数分で読めます。ポイント:法令の前に、発行元の条件を読む
④迷ったら使わない、ではなく聞く相手を決める
迷ったら使わないという運用にすると、発信の中身が自社の話だけになります。社内で判断を聞く相手を一人、名前で決めておく。そのうえで、判断が難しい案件は顧問弁護士に回す経路も決めておく。経路があると、現場は止まらずに進みます。止まる運用は、結局こっそり使われます。ポイント:止める運用ではなく、聞ける経路を作る

5.出典の付け方で、読まれ方が変わった

直す作業をしていて、社長が別のことに気づきました。

三点セットで書いた記事のほうが、社外からの反応が多い。社名だけの表記だった記事より、資料名と年が入った記事のほうが読まれていました。

理由は後から分かりました。読む側が、その資料を自分でも確かめられるからです。確かめられる情報は、信用の度合いが違います。

もう一つ。公表年が入っていると、記事の鮮度も同時に伝わります。古い数字を引いていれば、それも分かる。隠すより、分かるほうが信用されました。

この気づきから、運用が一つ増えました。公表から一年を超えた数字を使う場合、その旨を本文に書く。古いことを隠さないほうが、指摘されません。

6.【after】三か月後に増えたのは、引用ではなかった

三か月後、他社の資料を引く回数は減っていました。許諾の手間があるので、自然にそうなりました。

代わりに増えたのが、自社の中にある数字でした。受注した件数、問い合わせの内容の内訳、過去の工期の実績。

これは許諾が要りません。そして他社が書けない。

社長の言い方では、こうでした。外の数字を探していた時間が、自社の数字を数える時間に変わった。

発行元とのやり取りも、悪い形では終わりませんでした。許諾の問い合わせをした別の資料については、使用が認められています。

7.実業の当事者として言えること

私たちBEYONDは、外から助言するコンサルではなく、中小企業同士が連合して複数の実業を自分たちで回している当事者です。複数の会社で発信をしているので、この線引きは何度も通りました。

やってしまったのは、出典を社名だけで済ませていたことでした。悪意ではなく、三点セットという形を決めていなかっただけです。形がないと、書く人ごとに違う書き方になります。

直した後に効いたのは、意外な点でした。調べる段階で三点をメモする習慣がついたことです。それまでは記事を書く段階で出典を探し直していて、そこで時間が溶けていました。

もう一つ。禁止だけの紙は守られませんでした。使ってはいけないものを列挙した時期がありますが、迷った案件がそのまま出ていました。聞く相手を名前で決めてから、相談が来るようになりました。

いちばん大きかったのは、自社の数字を数え始めたことです。外の資料に頼らなくなると、発信の中身が自社固有のものになります。これは引用の問題を解くついでに手に入りました。

いま他社の資料を使った発信があるなら、最初に一つだけやってください。過去一年分の記事で、他社の情報を使った箇所を数える。数えると、直す範囲が具体的になります。

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8.BEACON は、線引きと出典の型から一緒に立つ

BEACON(BEYOND PLAYBOOK)は、一般的な注意事項を外から渡すのではありません。BEYOND Holdings 自身が複数の実業で発信を回す当事者として、過去記事の棚卸し → 出典の型の固定 → 図表を使うときの経路づくり → 自社の数字の採取までを、貴社の発信の形に合わせて一緒に整理します。

まずは無料の情報発信診断で、いま社外にどこまで伝わっているかを確かめてみてください。結果を見ながら、どこから直すかを一緒に決めましょう。

※本記事の事例は、中小企業で起こりうる場面を想定して構成したものです。特定の企業や団体の実例ではなく、記載の件数・日数はすべて説明のための仮の数値です。他人の著作物の利用については著作権法上の定めがあり、引用として認められる範囲、出所の明示の方法、転載に許諾が必要な場合の判断には法令および裁判例にもとづく要件があります。本記事はそれらの要件を解説するものではなく、社内で運用の線を決める際の考え方を示したものです。個別の判断および社内規程の整備にあたっては顧問弁護士に必ずご確認ください。調査データや統計の利用については、発行元が定める利用条件もあわせて確認が必要です。

記事はここまで

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